【砕かれた7つの約束】73話(最終回)をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 雲舒は、父と謝謹の命を守るため、爆弾を体に巻いた祈年についていくことを決意します。
- 祈年が雲舒を連れて行ったのはビルの屋上で、そこには椅子に縛られたシャオシャオの姿がありました。
- 祈年は、自らの孤独な過去を語り、「もしシャオシャオがいなければ結末は違った」と責任転嫁しますが、雲舒に否定されます。
- 彼は「本当に君を愛している」と告白し、「君は俺を愛したことがあるか?」と問いかけ、雲舒は「昔は全てだと思っていた」と過去形で肯定しました。
- 最後に祈年は、来世での再会を願いながらも、衝動的に雲舒の唇を奪うという強引な行動に出るのでした。
【砕かれた7つの約束】第73話(最終回)をネタバレありでわかりやすく解説する
狂気じみた執着の果てに、顧雲舒(コ・ウンス)の唇を強引に奪った沈祈年(シェン-チーニエン)。第73話は、彼の歪んだ愛が辿り着く、あまりにも悲劇的で衝撃的な結末と、残された者たちのそれぞれの未来を描く、涙なくしては読めない物語の最終章です。
最後のキスと、悲しい決意
屋上に駆けつけた謝謹(シャ・キン)と顧傑(コ・ケツ)の制止も間に合わず、祈年は雲舒に最後のキスをします。しかし、それは決して甘いものではありませんでした。キスをやめた彼は、まるで別れを告げるかのように、雲舒の顔に優しく手を添えます。
「これから俺のために悲しまないでくれ。涙も流さないでくれ。俺にその価値はない」
その言葉には、これまでの傲慢さとは違う、深い諦念と、自らの罪に対する認識が滲んでいました。彼は、もう彼女の隣にいる資格がないことを、心の底から理解していたのかもしれません。
悪女への制裁、そして…
祈年は、雲舒から離れると、静かに縛られたジャン・シャオシャオの方へと歩み寄ります。そして、誰もが予想だにしなかった行動に出ました。隠し持っていたナイフを取り出すと、彼は躊躇なく、シャオシャオの腹部へと突き刺したのです。
悲鳴を上げる間もなく崩れ落ちるシャオシャオ。祈年は、その様子を冷たい目で見下ろすと、振り返り、雲舒に向かって、歪んだ笑顔でこう言いました。 「雲舒、怖がらないで。彼女は二度と、君を不快な気分にさせることはない」
それは、彼の歪んだ愛情表現であり、同時に、全ての元凶であるシャオシャオに対する、彼なりの最後の制裁でした。
絶望の飛翔、届かなかった贖罪
そして、次の瞬間。祈年は、まるで何かから解放されるかのように、覚悟を決めた表情で、屋上の縁へと走り出します。「沈祈年!」——雲舒の悲痛な叫びも、彼を止めることはできませんでした。
彼は、夜空へと身を投げ出します。
「いやー!」
屋上から身を乗り出す雲舒。しかし、彼の体は、あっという間に暗闇の中へと吸い込まれていきました。地上では、異変に気づいた他の兄弟たちが駆け寄りますが、時すでに遅し。地面に叩きつけられ、血を流しながら、祈年は最後の力を振り絞り、愛しい人の名前を呼びます。
「雲舒…来世は…俺が…君を…愛する…」
その言葉を最後に、彼の瞳から光が消え、20年間という歪んだ愛の物語は、あまりにも悲劇的な結末を迎えたのでした。
葬られた過去と、それぞれの未来
「祈年哥!」 兄弟たちの慟哭が響き渡る中、屋上では、謝謹が雲舒の目をそっと覆い、優しく抱きしめていました。「見るな。俺がいる。怖がるな」。彼の温もりが、彼女の凍てついた心を少しずつ溶かしていきます。
時間は流れ、場面は墓地へ。陸蕭(ルー・シャオ)と程軒(チョン・シュエン)が、静かに祈年の墓の前に立っていました。 「祈年哥…雲舒には赤ん坊ができたそうだ。彼女はとても幸せに暮らしている。安心して行け」 陸蕭は、酒を墓石に注ぎながら、どこか吹っ切れたような表情で語りかけます。
一方、程軒は、深い後悔を滲ませながら呟きました。 「俺たちにもチャンスはあったはずだ。顧雲舒と添い遂げるチャンスが。でも、俺たちはみんな逃してしまった。 祈年哥。地獄で会おう」
彼らは、それぞれの形で祈年の死を受け止め、そして自らの罪を背負いながら、未来へと歩み出そうとしていました。
ひまわりの花束、永遠の忠誠と熱愛
二人が去った後。誰が供えたのか、「沈祈年之墓」と刻まれた墓石の前には、一束のひまわりが静かに置かれていました。
遠い日の記憶が蘇ります。幼い日の、そして若い日の、雲舒と過ごした幸せな時間。
「祈年哥哥は言ったわ。ひまわりの花言葉は、永遠の忠誠と熱愛だ、と」
その花言葉は、あまりにも皮肉に、そしてあまりにも切なく、彼の叶わなかった想いを物語っているかのようでした。
【砕かれた7つの約束】73話(最終回)を読んだ感想(ネタバレあり)
ついに、最終回。言葉にならないほどの衝撃と、深い感動に包まれました。祈年の最期は、あまりにも悲劇的で、そしてあまりにも彼らしい結末だったのかもしれません。シャオシャオを刺し、「彼女は二度と君を不快にさせない」と言うシーンは、彼の歪んだ愛情と独占欲が極限まで達した結果なのでしょう。そして、自ら死を選ぶことでしか、彼は自分の罪を償うことができないと考えたのかもしれません。彼の「来世は…俺が…君を…愛する…」という最期の言葉には、涙が止まりませんでした。
謝謹の優しさにも、改めて心を打たれました。雲舒の目を覆い、「俺がいる」と抱きしめる姿。彼こそが、彼女を過去の呪縛から解放し、未来へと導いてくれる存在なのだと、強く感じました。
墓地での陸蕭と程軒のシーンも、非常に印象的でした。特に程軒の「地獄で会おう」という言葉。それは、単なる別れの挨拶ではなく、自分もまた、祈年と同じように重い罪を背負って生きていくという、覚悟の表れだったのかもしれません。彼らの贖罪の物語は、まだ始まったばかりなのでしょう。
そして、最後のひまわりの花束。誰が供えたのかは明示されませんでしたが、やはり雲舒なのでしょうか。だとしたら、それは彼への許しではなく、かつて確かに存在した純粋な想いへの、最後の弔いだったのかもしれません。「永遠の忠誠と熱愛」という花言葉が、これほどまでに切なく響いたことはありません。
愛と裏切り、後悔と贖罪、そして再生。様々な感情が渦巻く、本当に素晴らしい物語でした。登場人物たちの未来に、幸多かれと願わずにはいられません。
【砕かれた7つの約束】73話(最終回)のネタバレまとめ
- 祈年は雲舒に最後の別れを告げると、縛られていたシャオシャオをナイフで刺し、「これで彼女はもう君を不快にさせない」と言い放ちます。
- そして、彼は自ら屋上から飛び降り、駆けつけた兄弟たちの腕の中で、「来世は君を愛する」という言葉を残し、息を引き取りました。
- 屋上では、謝謹が雲舒を優しく抱きしめ、慰めます。
- 時間が経ち、墓地を訪れた陸蕭と程軒は、それぞれの想いを胸に祈年の死を受け入れ、雲舒が幸せに暮らしていることを報告しました。
- 誰が供えたのか、祈年の墓には一束のひまわりが手向けられ、かつて彼が雲舒に語った「永遠の忠誠と熱愛」という花言葉と共に、物語は静かに幕を閉じます。
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