復讐モノ

【砕かれた7つの約束】9話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 雲舒のカードが決済できなかったのは、祈年が裏でハッキングし、アカウントを凍結させたことが原因でした。
  • 祈年は自分のカードで「滄海の涙」を落札し、雲舒を助けると見せかけて、目の前でシャオシャオにプレゼントするという残酷な仕打ちをします。
  • 雲舒は、その指輪が亡き母の大切な形見であり、かつて祈年と「必ず買い戻す」と約束した品であったことを涙ながらに明かします。
  • シャオシャオは、その事実を知りながら、わざと指輪を床に落として粉々に砕いてしまいました。
  • 祈年は一瞬動揺するものの、結局泣き崩れるシャオシャオを選び、床にひざまずく雲舒を置き去りにして去っていきました。

【砕かれた7つの約束】第9話をネタバレありでわかりやすく解説する

母の形見を踏みにじられ、心身ともに深く傷ついた顧雲舒(コ・ウンス)。第9話では、部屋に引きこもる彼女をよそに、兄弟たちの身勝手な本音が明らかになります。そして、ドア越しに語られた祈年の言葉が、雲舒に新たな裏切りの事実を突きつけるのでした。

厄介者扱いされる雲舒と兄弟たちの本音

物語は、顧家のリビングから始まります。ソファに集まった7人の兄弟たちは、オークション会場での一件以来、部屋にこもって出てこない雲舒について話し合っていました。しかし、その会話に彼女を心配する様子は微塵もありません。

「たかがバングル(母の形見の腕輪)だろ。そこまで怒る必要あるか?部屋にこもって何日も出てきてない」

陸蕭(ルー・シャオ)が悪態をつくと、程軒(チョン・シュエン)が面倒くさそうに続けます。 「俺たちは彼女をなだめて出てきてもらわないと。そうしないと、おじさんのところまで話がいくと収拾がつかなくなる」

彼らが心配しているのは雲舒の心ではなく、自分たちの立場が悪くなることだけでした。誰が彼女の機嫌を取りに行くかで役目を押し付け合う中、彼らの間で決められた奇妙なルールが語られます。

「いつものルールだ。顧雲舒に付き添った者だけが、笑笑に付き添う資格がある

まるで厄介な仕事をこなしたものへのご褒美のように、ジャン・シャオシャオの隣にいる権利が与えられる。彼らの中心には、もはや雲舒ではなく、シャオシャオがいることが明確に示された瞬間でした。

忘れ去られた過去の約束

現在の彼らの冷酷な姿とは対照的に、物語は過去の回想シーンを映し出します。母を亡くし、悲しみにくれて部屋の隅に立ち尽くす幼い雲舒。そんな彼女を見て、幼い兄弟たちは競うように彼女を慰めようとしていました。

「雲舒はまた何日も泣いていた。悲しませておけないから」 「俺が付き添う」 「これから雲舒が機嫌悪い時は、俺に任せて。俺が行く」

かつては、誰もが彼女の笑顔を取り戻そうと必死だったのです。20年という歳月は、そしてシャオシャオという存在は、彼らの心をどれほど変えてしまったのでしょうか。温かい思い出は遠い幻となり、現在のリビングには誰も雲舒のもとへ行こうとしない、冷え切った空気が流れているだけでした。

祈年の驕りと新たな裏切りの告白

兄弟たちの押し付け合いに終止符を打ったのは、沈祈年(シェン・チーニエン)でした。彼は黙って立ち上がると、一人、雲舒の部屋へと向かいます。

部屋の前でドアをノックし、低く「俺だ」と告げる祈年。しかし、中からの返事はありません。

(いつもならこのタイミングで必ず扉を開けてた。今日は3秒以上も俺を待たせた)

彼の心に浮かんだのは、雲舒の身を案じる言葉ではなく、自分の思い通りにならないことへの苛立ちでした。彼がいかに彼女を自分の意のままになる存在だと見下していたかが、この一瞬で浮き彫りになります。 しびれを切らした祈年は、ドアに向かって一方的に語り始めました。

「顧雲舒。お前の父に引き取ったことに感謝してる。お前のためなら何でもするつもりだ。でも条件がある。笑笑を受け入れることだ。なぜなら笑笑が、3年前に火事場で俺の命を救ってくれたからだ

明かされる真実、命の恩人は「私」だった

ベッドに座り、静かに本を読んでいた雲舒。しかし、祈年の最後の言葉を聞いた瞬間、彼女はピタリと動きを止め、本から顔を上げます。その表情は、驚きと、そして静かな怒りに染まっていました。

3年前火事場で、沈祈年を助けたのは私なのに

これまでのどんな裏切りよりも深く、鋭く心をえぐる衝撃の事実。命を救うという最大級の献身すらも、シャオシャオに横取りされていたのです。彼女がこれまで受けてきた仕打ちは、全てこの一つの嘘の上に成り立っていたのかもしれません。

雲舒は静かに本を閉じ、ベッドから立ち上がると、ゆっくりとドアの方へ向かいます。ドア一枚を隔てて対峙する二人。もはや言葉を交わすまでもなく、彼らの間に横たわる溝は、決して埋まることのないほど深く、暗いものになっていました。

【砕かれた7つの約束】9話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回の第9話は、静かな展開ながらも、これまでで最も衝撃的な事実が明らかになりましたね。兄弟たちの身勝手さにはもはや呆れるばかりですが、「雲舒に付き添った者だけが、笑笑に付き添う資格がある」というルールには、彼らの人間性の歪みをまざまざと見せつけられた気分です。

そして、祈年。彼の傲慢さには本当に腹が立ちます。「俺を待たせた」という心の声、どれだけ自分が偉いと思っているのでしょうか。恩着せがましく「何でもする」と言いながら、その条件が「シャオシャオを受け入れろ」だなんて、開いた口が塞がりません。

しかし、何と言っても最大の衝撃は「命の恩人のすり替え」です。シャオシャオの悪女っぷり、底が知れません。人の命を救うという尊い行為まで盗んで、自分のものにしてしまうなんて…。これまで雲舒がどれほどの想いでその事実を胸に秘めてきたかを思うと、涙が出そうになります。

最後の、ドアを隔てて二人が対峙するシーンは、息を呑むような緊張感でした。雲舒は、この新たな裏切りを知って、一体どんな表情で祈年と向き合うのでしょうか。ただの悲劇のヒロインで終わるはずがない彼女の、静かな怒りが爆発する瞬間を、今か今かと待ち望んでしまいます。物語が、本当の意味で動き出す予感がする、最高の引きでした。

【砕かれた7つの約束】9話のネタバレまとめ

  • 部屋に引きこもる雲舒を、兄弟たちは「面倒くさい」と厄介者扱いし、機嫌取りの役を押し付け合います。
  • 回想シーンで、幼い頃は兄弟たちが競うように悲しむ雲舒を慰めていたことが明らかになりました。
  • 祈年が代表して雲舒の部屋を訪れ、ドア越しにシャオシャオを受け入れるよう一方的に要求します。
  • その理由として、「3年前に火事でシャオシャオに命を救われたからだ」と衝撃の告白をしました。
  • しかし、本当に祈年を火事から救った命の恩人は、シャオシャオではなく雲舒本人だったという、新たな裏切りの事実が発覚します。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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