【私が死んで満足ですか】第2話の結末をネタバレありでわかりやすく解説する

- 皇太子ベルビュートが卒業式典で婚約者ロロナに一方的な婚約破棄を告げました。
- ロロナは妹のルミナをいじめていたという、身に覚えのない罪を着せられます。
- 婚約破棄の翌日、ロロナは馬車の事故で亡くなったと報じられました。
- 実はリュース家は借金まみれで、その家計をロロナが一人で支えていたことが判明します。
- 物語の最後に死んだはずのロロナが現れ、自分を陥れた者たちへの復讐を誓いました。
【私が死んで満足ですか】第2話をネタバレありでわかりやすく解説する
第1話の衝撃的なラストから一転し、第2話は皇太子ベルビュートの視点から、過去にさかのぼります。 ロロナとの婚約を破棄し、ルミナとの明るい未来を夢見ていた彼が、なぜあのような凶行に至ったのか。その心の軌跡が、今、明らかになります。
皇太子の回想――天使のような少女と、巧妙に仕組まれた罠
物語は、数年前のロロナのデビュタント(社交界デビュー)の日から始まります。 そこでベルビュートは、ロロナの妹であるルミナと初めて正式に顔を合わせました。 まだ社交界に出るには早い年齢にもかかわらず、「お姉さまのお祝いをしたくって」と無邪気に微笑むルミナ。 ベルビュートの目には、女神のようなロロナとは対照的な、天使のような少女として映ります。
しかし、ロロナはそんな妹を「先にお屋敷へ戻りなさい」と冷たく突き放します。 それを見たベルビュートは、「構わん、これからも共に来い」とルミナをかばいました。 これが、巧妙に仕組まれた罠の始まりだったのです。
後日、彼は雪の降る庭で一人震えているルミナを見つけます。
「私、お姉さまみたいに上手くできないの…帰ったらきっと叱られるわ」
涙ながらに訴える彼女の腕には、痛々しいムチの痕がありました。 ルミナは、二人きりになるとロロナから暴力を受けていると告白します。 そして、完璧な女神だと思っていたロロナが妹を虐待している場面を実際に目撃してしまったことで、彼の疑念は確信へと変わってしまうのでした。
募る劣等感、完璧な婚約者への憎悪
「ルミナを守らなければ」という使命感が、ベルビュートの心を支配します。 彼はルミナが学園に入学すると、自ら案内役を買って出るなど、彼女を気にかけるようになりました。
その一方で、婚約者であるロロナへの感情は悪化の一途をたどります。学園では常に首席のロロナと、平凡な自分を比べる声が絶えません。
「ロロナ様の方がよほど王族らしい立ち振る舞いで…」
周囲の声や、ロロナの圧倒的な優秀さを目の当たりにするたび、彼の心は劣等感と疑心暗鬼に蝕まれていきました。 いつしか彼は、「ルミナが婚約者ならどんなに良かったか…」と、叶わぬ願いを抱くようになっていたのです。
届いた密告文、そして始まった婚約破棄計画
そんな彼の元に、ある日、一通の差出人のない密告文が届きます。 そこに書かれていたのは、衝撃的な内容でした。
- ロロナ・リュースは貧民街に出入りし、怪しげな商売をしている。
- リュース家は現在禁じられている武器の購入や、禁制品に手を出している。
初めは誹謗中傷かと思ったベルビュートですが、部下に調査を命じると、それらが全て事実であることが判明します。 もし何も知らずにロロナと結婚していれば、王家は大恥をかくところでした。
この時、彼の頭に悪魔的な考えが閃きます。この家の秘密を逆手に取れば、ロロナとの婚約を合法的に破棄し、ルミナと新たに婚約を結べるのではないか、と。 そして、完璧なロロナのプライドを粉々にするため、大勢の人間が見守る卒業式典の場で、彼女の悪事を暴き立てることを決意したのでした。
恐るべき少女の計算――すべては計画通り
場面は現在に戻り、ルミナの視点へと移ります。彼女は「ようやく私の番が来たのよ」「絶対幸せになるんだから」と、自らの未来に胸を躍らせていました。
彼女の回想から、その恐るべき計画性が明らかになります。幼い頃、母は「この家の相続権はきっとロロナが譲ってくれる」と慰めてくれましたが、ルミナはそんな不確かなものを待つつもりはありませんでした。
「あの人が欲しい!」「あの人と結婚したい!」
彼女が望んだのは、ベルビュートその人でした。 そして、彼を手に入れるために「行動することにした」のです。 ベルビュートとロロナがお互いに心を通わせていないことを見抜いていた彼女は、ベルビュートの前でだけ、ひたすらに好意を隠さない純真な少女を演じ続けました。 ベルビュートが目にした悲劇のヒロイン、それこそがルミナの仕掛けた最大の罠だったのです。
届かぬ慟哭、戦場の英雄が流す後悔の涙
物語の最後は、リュース家の別邸にいるロロナの父、リュース伯爵の元へ場面が移ります。 彼は戦の英雄として名を馳せる人物ですが、娘の死の知らせを聞き、激しく動揺します。 「戯言を!」と使者を怒鳴りつけますが、死亡証明書を突きつけられると、膝から崩れ落ちました。
彼の脳裏には、過去の悲劇が蘇ります。彼が戦で勝利を収めている間に、留守宅が賊に襲われ、妻が命を落としたのです。 その時、生まれたばかりだったロロナだけが奇跡的に生き残りました。
「美しく 愛らしい ロロナ…! あの時 生き残ってくれたのに…!」
彼は妻を失った悲しみに暮れ、周囲の同情に甘えるばかりで、一番辛いはずの娘から目を背けていたのかもしれません。 戦場の英雄が流す、あまりにも遅すぎた後悔の涙。彼の慟哭は、誰にも届くことはありませんでした。
【私が死んで満足ですか】2話を読んだ感想(ネタバレあり)
第2話は、物語のパズルピースが次々とはまっていくような、非常に見ごたえのある回でした。ベルビュートがなぜあそこまでロロナを憎むようになったのか、その背景が彼の視点から丁寧に描かれたことで、彼の行動に深みが増したように感じます。もちろん彼の行いは許されませんが、ルミナに完璧に操作されてしまった愚かさには、少し同情の念すら湧いてしまいました。
そして、やはりルミナの悪女っぷりには改めて戦慄します。「好きを隠さない」という、一見すると純粋で可愛らしい行動が、すべてベルビュートを手に入れるための計算だったと知った時には鳥肌が立ちました。彼女の執念と計画性は、並大抵のものではありません。
今回、最も心を揺さぶられたのは、最後に登場した父、リュース伯爵の存在です。1話の時点では、家計を顧みないただのダメ親父という印象でしたが、彼が抱える過去のトラウマと、娘への深い後悔が描かれたことで、一気にキャラクターの奥行きが増しました。彼もまた、ロロナの復讐の対象なのでしょうか。それとも、彼の後悔はロロナに届くことがあるのでしょうか。今後の親子関係の行方も、非常に気になるところです。
登場人物それぞれが抱える「誤解」と「後悔」、そして「欲望」。それらが複雑に絡み合い、一つの悲劇へと繋がっていった過程が鮮やかに描かれた第2話。ロロナの復讐劇が、彼らにどのような結末をもたらすのか、ますます目が離せません。
【私が死んで満足ですか】2話のネタバレまとめ
- 皇太子ベルビュートの回想で、彼がロロナを憎むようになった経緯が明かされます。
- 妹のルミナは、姉から虐待されている悲劇のヒロインを演じ、巧妙にベルビュートを騙していました。
- ベルビュートは差出人不明の密告文を信じ、ロロナの家の不正を利用して婚約破棄を計画しました。
- ルミナは幼い頃からベルビュートを手に入れるため、計算ずくで行動していたことが判明します。
- 物語の最後にロロナの父、リュース伯爵が登場し、過去に妻を亡くしたトラウマと、娘の死に対する深い後悔の念が描かれました。
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