【私が死んで満足ですか】第4話の結末をネタバレありでわかりやすく解説する

- リュース伯爵は過去の栄光にすがり、娘の死を他人の同情を得るための道具と考える自己中心的な人物であることが描かれました。
- 伯爵は、娘が婚約破棄された事実を知り、ロロナに裏切られたと誤解します。
- 管財人シェザムが伯爵家の財政破綻の真実を告げるも、逆上した伯爵に殴られクビにされてしまいました。
- 絶望するシェザムの前に、伯爵の部下である謎の男カイゼルが現れ、協力を持ちかけます。
【私が死んで満足ですか】第4話をネタバレありでわかりやすく解説する
第3話ではロロナの父、リュース伯爵の視点から物語が描かれましたが、第4話では舞台を王都の商業区に移し、新たな人物に焦点が当てられます。ロロナの死によって利益を得ようとする、もう一人の男。そして、物語の裏で糸を引く、謎の協力者たちの存在が明らかになります。
欲望に満ちた商会長、ロロナの死を喜ぶ男
王都の商業区にあるミイシ商会。その商会長であるゼリオは、ロロナの死亡を報じる号外を読み、ほくそ笑んでいました 。
「これで この商会は 私だけの ものに なった!」
彼の回想から、その歪んだ喜びの理由が明らかになります。数年前、彼の商会は経営難に喘いでいました 。そこへ突然、美しい貴族の令嬢、ロロナが現れます 。そして、彼女はこう持ちかけたのです。「私と商売をしてくださいませんか」と 。
破格の契約と、ロロナの才能に溺れる日々
ロロナが提示した契約は、ゼリオにとって破格のものでした。彼女は報酬として「取引のうち利益の三割」を要求する代わりに、「大きな商談には私の許可を得てください」と条件を出します 。
その日から、商会の経営は一変します。ロロナの的確な指示に従うだけで、驚くほどの利益が舞い込むようになったのです 。しかし、成功はゼリオを増長させます。いつしか彼は、大きな取引のたびにロロナの許可を得るという契約が煩わしくなっていました 。彼は契約書に記された「契約者のどちらかが死亡した時点でこの契約は破棄される」という一文を思い出し、ロロナの存在を疎ましく感じ始めていたのです 。
巨額の利益を前に、揺らぐ忠誠心
ゼリオは、会計上はロロナに支払い済みとして確保していた彼女の取り分を、実際に届けるべきか迷っていました 。そんな中、ステラ帝国から来た商人ハングリックが、「センズ布」という特殊な布の独占販売という、またとない大きな商談を持ちかけます 。
この話に飛びつこうとするゼリオに対し、ロロナは慎重な姿勢を崩さず、「最初の取引きは提示された半分の量にしてください」と指示します 。結果的にセンズ布の販売は大当たりしましたが、ゼリオの心には欲望の炎が燃え上がります。
「そうだ 本来なら 倍の利益が あった」「この金は 俺が もらっても いいはずだ」
彼は、ロロナの慎重な判断のおかげで得られた利益であることも忘れ、手元にあるロロナの取り分を横領しようと考えていたのです。
謎の上客アスランの来訪と、揺さぶり
ゼリオが欲望に心を支配されかけていたその時、一人の客が訪れます。それは、仮面で素顔を隠した謎の男、アスラン・ライオルでした 。彼はニルナ王国には存在しない家名を名乗っていますが、昔からの大事な上客です 。
アスランは、ロロナの死が事実かどうかを確認するためにやって来ました 。ゼリオは虚栄心から「お嬢様の遺志を継いで、この私がしっかりやっていきます」と胸を張りますが、アスランはそんな彼を見透かしていました 。
明かされるアスランの狙い、それは「情報の買収」
アスランは冷静にゼリオを揺さぶります。「この商会を支えていたロロナ殿を失ったというのに、随分と冷静で驚いたよ」 。さらに、ロロナがリュース家の財政難を救うために商売をしていたことを、その家族に告げないのかと、彼の薄情さを暗に指摘します 。
狼狽するゼリオに対し、アスランは袋に入った多額の金を見せ、本題を切り出しました。
「情報を買いたい」「君が今知っているロロナ殿に関わる話 すべてを、だ」
彼の真の目的は、ゼリオからロロナに関する情報を全て買い取ることだったのです。
仮面の下の素顔、復讐の協力者たち
物語の最後、衝撃の事実が明らかになります。アスランが仮面を外すと、そこにいたのは前話で管財人シェザムに接触した
カイゼルでした 。アスランはカイゼルに「お前の前で変装など必要ないだろう」と親しげに語りかけ、二人が仲間であることを示します 。
そして、アスランはカイゼルにリュース伯爵の様子を尋ねます 。カイゼルは、伯爵が悲劇の自分に酔っているだけで、ロロナの努力を無にしていると報告します 。その報告を聞いたアスランは、カイゼルのことをこう呼びました。
「アステル殿下」
カイゼルの正体は、どこかの国の王子だったのです。ロロナの復讐は、彼女一人ではなく、身分の高い強力な協力者たちによって進められていることが、ここで初めて明かされました。
【私が死んで満足ですか】4話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、また新たな「ロロナを裏切った男」である商会長ゼリオの視点から物語が始まり、彼の小物感あふれる欲望の変遷が非常に生々しく描かれていて面白かったです。ロロナのおかげで成功したにもかかわらず、恩を仇で返そうとする姿には、人間の醜さを改めて感じさせられました。
一方で、今回の話でロロナの有能さがさらに際立ったように思います。彼女はただ商才があるだけでなく、大きな取引には慎重を期すリスク管理能力も持ち合わせていました。ゼリオが「倍の利益が…」と悔しがっていましたが、ロロナの判断がなければ、そもそもその利益すら出ていなかったのかもしれません。
そして何と言っても、ラストの展開には度肝を抜かれました。謎の上客アスランと、伯爵の部下だったカイゼルが仲間だったとは! しかも、カイゼルの正体は「アステル殿下」という王子様。物語のスケールが一気に広がり、ロロナの復讐劇が、単なる個人的なものではなく、国家レベルの何かを巻き込む可能性すら感じさせます。
これまで登場したベルビュート、ルミナ、父、そして今回のゼリオと、ロロナの周りには彼女を利用したり裏切ったりする人物ばかりで心が痛みましたが、ようやく頼もしい味方の存在がはっきりと示されました。アステル殿下とカイゼルが、これからどのようにしてロロナの復讐を手助けしていくのか、彼らの本当の目的は何なのか、謎は深まるばかりです。次回の展開から、いよいよ本格的な反撃が始まるのではないかと、期待で胸がいっぱいです。
【私が死んで満足ですか】4話のネタバレまとめ
- ロロナのビジネスパートナーであったミイシ商会長ゼリオが、彼女の死を喜び、商会の利益を独占しようと画策していました 。
- ロロナは卓越した商才とリスク管理能力で倒産寸前の商会を立て直しましたが、ゼリオは成功と共に増長し、彼女を疎ましく思うようになっていました 。
- ゼリオの元に、謎の上客アスラン・ライオルが現れ、ロロナに関する全ての情報を金で買うと持ちかけます 。
- 物語の最後に、アスランと、前話に登場したカイゼルが仲間であることが明かされます 。
- さらに、アスランはカイゼルのことを「アステル殿下」と呼び、カイゼルの正体がどこかの国の王子であることが示唆されました 。
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