【私が選ぶ理想の結婚】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • はるひを助けてくれた同僚の間宮樹は、社長の甥でMBA取得済みというハイスペックな男性ですが、同時に人間味あふれる正直な一面も持っていることが明らかになりました。
  • はるひが婚約者の尚孝から受けたプロポーズは、誕生日を忘れられた彼女が寂しさのあまり、半ば無理やり言わせたような空虚なものだったことが回想されます。
  • 物語の最後で、間宮に家まで送ってもらったところ、帰宅した尚孝と鉢合わせしてしまい、最悪の状況で次回へと続いていました。

【私が選ぶ理想の結婚】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する

第2話の息をのむようなラストシーンから続く第3話。はるひ、婚約者の尚孝、そして同僚の間宮という三人が鉢合わせしたことで、物語は一気に緊迫します。はるひと尚孝の関係に、ついに決定的な亀裂が入る瞬間を、ネタバレありで詳しく解説していきます。

凍りつく空気、三人の対峙

物語は、マンションの前ではるひ、尚孝、間宮の三人が対峙する、まさに修羅場のシーンから始まります。尚孝は、先に帰っているはずのはるひが間宮と一緒にいるのを見て、険しい表情を浮かべます。「部屋まで送るって聞こえたけど… どういうつもりで言っています?」 と、間宮に対してあからさまな敵意を向けるのでした。

それに対し間宮は、冷静さを失うことなく「野間口さんと同じ部署の間宮 樹と言います」 と丁寧に自己紹介します。二人の間に、見えない火花が散るような緊張感が漂います。

噛み合わない会話と渦巻く疑念

はるひは、二人の間に割って入るように、電車で気分が悪くなったところを間宮に助けてもらったこと、着ていたコートが汚れてしまったために彼のコートを借りていることを必死に説明します。 間宮もまた、「電車で野間口さんの前に立っていた男性が突然嘔吐されて」 と、事実を淡々と伝えました。

しかし、尚孝は「うちのはるひが随分ご迷惑をおかけしました」 と口では言いながらも、その目は全く笑っていません。「なるほど… それはそれは」 という彼の言葉には、皮肉と疑念が色濃く滲んでいました。

婚約者の嫉妬と疑惑の眼差し

尚孝の疑いの目は、はるひを助けた間宮の善意にまで向けられます。「それはただの正義感からですか? それとも…」 と、はるひへの下心を勘ぐるような質問を投げかけました。あまりの言い草に、はるひが「間宮さん!」 と声を荒らげると、間宮は空気を読んで「では僕はここで失礼します」 と、大人の対応で静かにその場を去っていきます。

間宮の姿が見えなくなると、尚孝は待っていましたとばかりに「随分遅かったね 何してたの?」 とはるひを詰問します。そして、彼女が借りたコートから漂う、自分のものではない香水の匂いに気づき、さらに表情を硬くするのでした。

「イチャイチャ」という言葉が火をつけた口論

部屋に戻っても、尚孝の追及は止まりません。はるひが転びそうになって支えてもらったことを「抱き合うことになるのか理解できない」 と、まるで彼女が悪いかのように非難します。

浮気をした張本人である尚孝に責められる理不尽さに、はるひも反撃します。「尚孝こそ二次会はどうしたの? 遅くなるんじゃなかった?」

すると尚孝は、「電話かけても出ないし部屋の電気が暗いままだったから心配してたのに」 と、さも彼女を案じていたかのような素振りを見せますが、その直後、「他の男とイチャイチャしている彼女を見つけるって」 という最低な言葉を吐き捨てます。

「イチャイチャって何よ!」 はるひの怒りは、ついに頂点に達しました。

明らかになる嘘とすれ違う心

はるひがスマートフォンの履歴を確認しても、尚孝から心配してかかってきたという着信はありませんでした。彼の言葉が、その場しのぎの嘘だったことが明らかになります。 さらに追い打ちをかけるように、部屋の中から尚孝が電話する声が聞こえてきます。「無事に家に着いた?」 その声は、浮気現場で一緒にいた女性と話しているであろう、楽しそうな声でした。

電話を切った後、泣いているはるひを見た尚孝は、「ちゃんと布団かぶってな」 「おやすみ」 と、まるで優しい恋人のように振る舞います。しかし、その場限りの優しさは、今はるひの心を温めるどころか、ますます冷え込ませるだけでした。「本当に私と結婚したいんだろうか…」 彼女の中で、彼への不信感は決定的なものになります。

「別れよう、私たち」

その後も尚孝は、「いくら同僚でも異性を気軽に家まで連れてくるのは良くないよ」 と、全ての非がはるひにあるかのように論点をすり替えます。はるひが「なんで全部私が悪いことになってるの?」 と訴えても、彼は「インスタントラーメンでも食べようかな」 と話を逸らす始末です。

「私は彼にとってなんなんだろう」 「単なる同居人? それとも便利な家政婦?」 はるひの心は、絶望で満たされていきます。彼が怒っていたのは、自分のプライドが傷つけられたからに過ぎないのだと、彼女は悟るのでした。

尚孝が、何もなかったかのようにラーメンを作りながら「はるひちゃんもラーメン食べる?」 と無神経に尋ねた瞬間、はるひの中で何かがぷつりと切れました。

彼女は、静かに、しかし揺るぎない決意を込めて告げます。 「別れよう 私たち」

その言葉に、尚孝はハッとしたように動きを止めます。時を同じくして、鍋からお湯が激しく吹きこぼれるのでした。それはまるで、二人の関係がもう元には戻れないことを象徴しているかのようでした。「取り返しがつかないかもしれない」 「でも止められなかった」 はるひの悲痛なモノローグと共に、物語は衝撃的なラストを迎えます。

【私が選ぶ理想の結婚】3話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、はるひの怒りと悲しみ、そして深い絶望が痛いほど伝わってくる、非常に苦しい回でした。自分の浮気を棚に上げ、一切悪びれることなく恋人を責め立てる尚孝の姿には、読んでいて怒りを通り越して呆れてしまいました。

特に、巧みに論点をずらして全ての責任をはるひに押し付けようとする彼の態度は、あまりにも自己中心的で卑劣です。心配していたという見え透いた嘘、浮気相手との楽しげな電話、そして場違いなラーメンの誘い。一つ一つの行動が、長年連れ添った恋人への配慮を欠いており、はるひの心を深く傷つけていく様がリアルに描かれていて、胸が締め付けられました。 だからこそ、はるひが最後に告げた「別れよう」という言葉は、衝動から出たものではなく、積もり積もった絶望の末に絞り出した、あまりにも悲しい決断なのだと感じます。

この泥沼の状況の中で、終始冷静で大人な対応を貫いた間宮さんの存在が、唯一の救いでした。彼の誠実さが、尚孝の幼稚さをより一層際立たせていたように思います。 はるひの決意は、尚孝に届くのでしょうか。吹きこぼれたお湯のように、一度壊れてしまった信頼はもう元には戻らないのか。次回の展開から目が離せません。

【私が選ぶ理想の結婚】3話のネタバレまとめ

  • はるひを家まで送ってきた間宮と、婚約者の尚孝が鉢合わせし、一触即発の空気が流れます。
  • 尚孝は、自身の浮気を棚に上げて、はるひが間宮と一緒にいたことを執拗に責め立てます。
  • はるひを心配して電話したという尚孝の言葉は嘘で、浮気相手と楽しそうに電話する姿をはるひは目撃してしまいます。
  • 無神経な態度を繰り返し、責任転嫁する尚孝に対し、はるTついに「別れよう」と決別の言葉を告げます。

◁前の記事はこちらから

あわせて読みたい
【私が選ぶ理想の結婚】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説
【私が選ぶ理想の結婚】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

▷次の記事はこちらから

あわせて読みたい
【私が選ぶ理想の結婚】4話あらすじから結末まで全てネタバレ解説
【私が選ぶ理想の結婚】4話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
記事URLをコピーしました