【私が選ぶ理想の結婚】6話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 尚孝の浮気相手は、取引先のデザイナー・倉沢であることが確定し、彼女ははるひに明確な敵意を見せました。
  • 尚孝は関係修復のために歩み寄り、はるひもその気持ちに応えて久々にデートをし、二人は一時的に穏やかな時間を取り戻します。
  • 幸せの絶頂で婚約指輪を選んでいた二人ですが、その帰り道に再び倉沢の姿を目撃し、問題が何も解決していないという現実に引き戻されてしまいました。

【私が選ぶ理想の結婚】第6話をネタバレありでわかりやすく解説する

第5話のラストで、つかの間の幸せから一転、再び現実を突きつけられたはるひ。第6話では、浮気相手・倉沢のあからさまな策略と、それに気づかない婚約者・尚孝への絶望が描かれます。そして物語は、はるひが「結婚」そのものの意味を問う、核心的なテーマへと踏み込んでいきます。

涙の演技と計算された訪問

物語は、はるひと尚孝の前に、浮気相手の倉沢が涙ながらに現れる場面から始まります。彼女は「すみません お休みの日に」「考えこんでたら なんだか落ち込んじゃって」「フラフラ歩いてたら田中先輩の家の近くで…」 と、あくまで偶然を装い、自分のか弱さをアピールします。

しかし、はるひは彼女の魂胆を冷静に見抜いていました。「フラフラ歩いて 偶然たどりつくわけないじゃない」 。倉沢が、はるひと尚孝が同棲していることを知った上で、わざと二人の前に現れたことは明らかでした。

婚約者を前にした、女同士の戦い

倉沢は、尚孝の前では「もし野間口さんに不快な思いをさせたならすみません」 と、しおらしい態度を取ります。ですが、はるひにはその全てが、自分を陥れるための演技だと分かっていました。

はるひは、黙って引き下がりません。「仕事の悩みなら業務時間内に相談したらいいじゃない」 「なんで相談相手が尚孝なのよ?」 と、倉沢の行動の矛盾点を鋭く指摘します。そして、涙目で同情を誘う彼女に対し、「泣いたフリしても私はだまされないから!」 と、はっきりと宣戦布告するのでした。

「彼女の何をわかれって言うの?」

二人の間の険悪なムードを察し、尚孝が「はるひちゃん!」と止めに入ります。あろうことか彼は、倉沢をかばうように「吉武には吉武の事情があるんだ」「わかってやってよ」 と言い放ちます。

その言葉に、はるひの怒りは頂点に達しました。「その事情も説明してくれないくせに」「彼女の何をわかれって言うの?」 。さらにはるひは、倉沢が自分たちの婚約を知りながら休日に押しかけてくることの非常識さも訴えます。

それでも尚孝は、涙を流す倉沢の肩を持ち、「これ以上 吉武を追い詰めるようなことは言わないでくれるかな?」 と、逆にはるひを非難する始末でした。

加害者と被害者の逆転

尚孝が涙ぐむ倉沢を優しく慰める様子を目の当たりにし、はるひは愕然とします。「何この構図」「まるで私が加害者で彼女が被害者みたいじゃない」 。幸せだった一日をめちゃくちゃにされたのは自分なのに、なぜか自分が悪者にされてしまっている。この理不尽な状況に耐えきれず、はるひは「私 帰りますね」 と、その場を後にします。

去り際、倉沢はわざとよろけて尚孝の胸に倒れ込みます。それは、あの忘年会の夜に見た光景と、全く同じ構図でした。

「結婚」の意味への問い

尚孝は倉沢を送っていくと言い、はるひに「悪いけど先に帰ってて」 と告げます。一人で家に帰ったはるひは、彼の帰りを待ちますが、1時間以上経っても戻ってきません。

彼女の脳裏には、「吉武さんの部屋に上がりこんでる…」 という最悪の想像が膨らんでいきます。

はるひは、自分たちの関係を振り返ります。「私たちはセックスもほとんどしない」「新鮮味もなくてただの同居人のような関係」 。そんな状況で、若い女性に迫られたら、尚孝は簡単に流されてしまうかもしれない。 「婚約なんてなんの抑止力にもならない」 。結婚という制度は「人の心は縛れない」 、所詮は「紙切れ一枚の契約」 に過ぎないのではないか。

そして彼女は、この物語の核心に触れる、ひとつの問いに行き着きます。「だったら結婚する意味ってあるの?」

【私が選ぶ理想の結婚】6話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、読んでいて本当に息が詰まるような、はるひの心理描写が圧巻の回でした。倉沢の計算され尽くした策略と、それに全く気づかず彼女をかばい続ける尚孝の姿には、はるひと同じように、読んでいるこちらも怒りと無力感でいっぱいになります。 特に、幸せな一日を壊された被害者であるはずのはるひが、「私が加害者で彼女が被害者みたい」 という構図に追い込まれていく様は、見ていて非常に辛かったです。信じていた人に裏切られ、自分の居場所まで奪われていくような恐怖。はるひの絶望が、ページをめくるごとに伝わってきました。

そして物語の最後に投げかけられた、「だったら結婚する意味ってあるの?」 という問いは、この作品の根幹をなす重いテーマだと感じます。法的な契約や社会的な制度は、移ろいやすい人の心を本当に繋ぎ止めることができるのか。信頼関係が崩れた時、婚約や結婚という約束はどれほど無力なのか。はるひの苦悩を通して、真実の愛とは何かを深く考えさせられました。甘い時間で蓋をした問題が、より深刻な形で噴出した今回。はるひがこの問いにどんな答えを見つけ出すのか、今後の展開から目が離せません。

【私が選ぶ理想の結婚】6話のネタバレまとめ

  • 浮気相手の倉沢が、涙の演技で偶然を装い、はるひと尚孝の仲を引き裂こうとします。
  • はるひは倉沢の嘘を見抜いて追及しますが、尚孝は倉沢を一方的にかばい、結果的にはるひが悪者のような構図になってしまいます。
  • 尚孝は倉沢を送っていくと言って家を出たまま1時間以上帰宅せず、はるひの不信感と孤独は頂点に達します。
  • 婚約という約束の無力さを痛感したはるひは、「結婚する意味ってあるの?」 という、結婚そのものへの根源的な問いを抱くことになります。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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