【聖ラブサバイバーズ】13話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

第13話では、物語が新たな展開を迎えます。ハルの決意と対照的に、周囲の状況はますます複雑に絡み合っていきます。
前回、第12話では、朝のハプニングを通じて王子への複雑な想いと、二人の関係の不均衡さに悩み、それでも彼に「ひれ伏してしまう」自分を自覚したハルでした。
【聖ラブサバイバーズ 】第13話をネタバレありでわかりやすく解説する
第13話では、ハルが王子に対して抱く「ときめき」という感情の裏側にある、切実な痛みと現実逃避が描かれます。また、物語はハルの視点から離れ、周囲の人間関係にも焦点が当たり始めます。
「ときめき」という名の麻薬
物語は、ハルの内面の独白から始まります。
「夫役」であるはずの王子から、女性として求められない痛み。体から湧き出る波紋のような疼き。ハルはそれら全てを、「ときめき」という麻薬で無理やり押さえ込んでいました 。
王子が優しく頭を撫でてくれる、ただそれだけの行為で、ハルは思考を停止させ、現実から目を背けてしまうのです 。
溢れ出す感情と「蝶」の幻影
場面は変わり、夜のリビング。くつろぐ王子のそばで、ハルは突然パニックに陥ります。
「王子ーー!大変…!えええーー!なにそれ…!」
ハルの周りには、無数の美しい蝶が舞い飛んでいました。それは現実の蝶ではなく、彼女の中から溢れ出した抑圧された感情の具現化でした。
「これは私の“性欲”じゃないし!私にだってっ!結婚してるんだよ!好きなんだよ だから…っ」
今まで必死に隠してきた本音が、蝶となって溢れ出し、ハルは泣きながら王子に訴えます。
「…してよ!セックス…したいよ…っ」
冷酷な拒絶と目覚め
しかし、王子の反応は冷酷なものでした。
「挿れれば満足なわけ?」
その言葉と共に、王子はハルを突き放すような態度を取ります。ハルは絶望し、「…ああああああ」と泣き叫びながら崩れ落ちていきます 。
…というところで、ハルは目を覚ましました。
「ええええええええ なななに…今までにない…自分で…?」
悪夢から覚めたハルは、自分の体が実際に反応していることに気づき、愕然とします。それは、長年封印してきた「女としての自分」が、夢を通じて強烈に主張してきた瞬間でした。
確信に変わる想い
混乱するハルですが、ふと漂ってきた香りに気づきます。
「なんだろ…この香り…あ…これ…王子の香水の香りだ…」
それは、夢の中の出来事ではなく、現実の王子が残していった気配でした。その香りを認識した瞬間、ハルの中で全ての感覚が繋がり、一つの確信へと変わります。
「私やっぱり この人とセックスがしたいんだ」
単なる性欲処理ではなく、愛する王子と繋がりたい。その想いを再確認したハルでした。
朝のハプニングと「穿いた?」
朝になり、ハルが再び目を覚ますと、そこにはスーツ姿の王子がいました。
「眼福すぎ!!!!!」と興奮するハルですが、すぐに自分が下着(ズボン)を穿いていないことに気づき、パニックになります 。
王子は何も言わずに家を出ようとしますが、一度戻ってきて、悪戯っぽくこう尋ねました。
「穿いた?」
その一言と表情に、ハルは完全に翻弄されてしまいます。
「ワンオブゼム」の記憶と現在の距離感
王子を見送った後、ハルは彼がつけていた香水から、昔のことを思い出します。
かつての王子は今よりもギラギラしていて、ハルは「ワンオブゼム(大勢の中の一人)」ですらない存在でした 。
普段は飄々とからかってくれる優しい夫ですが、ふとした瞬間に見せる冷たさや、今回のようなSっ気のある言動に、ハルは彼との埋められない距離を感じてしまいます 。
秋菜との電話と「対等」への渇望
その後、ハルは友人の秋菜に電話をかけます。
新婚のノロケ話を聞きたがる秋菜に対し、ハルは「相手にされてない男にさげすまれた朝4時の西麻布の交差点」を思い出すような気分だと語ります 。
それに対し、秋菜は「ないスね」とバッサリ。彼女の「欲望に忠実」な生き方を眩しく感じながら、ハルは一つの結論に達します。
「セックスして欲(し)いのが、対等に欲情してほしいってことだとすると」
「ひれ伏してしまう」敗北宣言
仕事中も王子のことで頭がいっぱいのハル。
「私たちはスタートの立ち位置から何もかも違いすぎる」
もし仮に関係を持てたとしても、それは対等なものではなく、ハルが一方的に与えられるだけの「あんな形」にしかならないのではないか。
ハルはそう予感しながらも、顔を覆って震えます。
「…死ぬほど気持ちよかった… 絶対にひれ伏してしまいそう…」
たとえ惨めな形であっても、王子の快感に屈服してしまう自分を自覚し、ハルは深く苦悩するのでした。
【聖ラブサバイバーズ 】13話を読んだ感想(ネタバレあり)
第13話は、ハルの内面の葛藤と、王子への歪んだ愛情が痛いほど伝わってくる回でした。
前半の「蝶」の悪夢は、ハルが抱える性的な欲求不満と、それを「汚いもの」として押し込めようとする理性のせめぎ合いを見事に表現していました。「挿れれば満足なわけ?」という王子のセリフは、ハルが最も恐れている「都合のいい女」扱いされることへの恐怖心が生み出した幻影なのでしょう。
そして後半の「穿いた?」のシーン。王子の圧倒的な「オス」としての魅力と、それに翻弄されるハルの「メス」としての反応が対照的で、読んでいるこちらまでドキドキしてしまいました。
しかし、ラストのハルの独白は切なすぎます。「対等になりたい」と願いつつも、「ひれ伏してしまう」自分を受け入れてしまう。それは愛なのか、それとも依存なのか。ハルがこの呪縛から解き放たれる日は来るのでしょうか。
【聖ラブサバイバーズ 】13話のネタバレまとめ
- ハルは王子への不満を「ときめき」で誤魔化していたが、限界を迎えていた。
- 悪夢の中で自分の性欲が「蝶」となって溢れ出し、王子に拒絶される夢を見る。
- 目覚めたハルは、自分の身体の反応と王子の残り香から、「この人としたい」という本音を再確認する。
- 朝、下を穿き忘れたハルに対し、王子は「穿いた?」とからかい、ハルを翻弄する。
- ハルは、王子と対等な関係になれないことを悟りつつも、快感にひれ伏してしまう自分を自覚する。
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