【聖ラブサバイバーズ】23話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

22話では、ハルが勇気を振り絞り、王子に対して「あなたとセックスしたい」と直球で告白するところで終わりました。 第23話(第3巻冒頭)では、その衝撃的な告白の直後の反応と、ついに明かされる「セックスレスの真の理由」が描かれます。

【聖ラブサバイバーズ】第23話をネタバレありでわかりやすく解説する

告白の余韻をかき消す「犬」の乱入

ハルの決死の告白に対し、王子は驚きで固まり、ハルも顔を赤らめて反応を待っていました 。 しかし、その張り詰めた空気を読まず、一匹の犬が「ワンッ」と二人の間に割って入ります 。 リードが王子の足に絡まり、飼い主が「あああ!ごめんなさい!」と慌てて謝罪に来るという、まさかのハプニングが発生しました

この想定外の事態に、王子は「あ…いえ…」と気まずそうに対応し、ハルとの真剣な空気は霧散してしまいます 。 王子は「…まあ…とりあえず家帰ってから…」と、その場を離れることを提案 。 ハルは心の中で「HE OK!?(平気なの!?)」「シキン(資金?至近?)THE(ザ?)…」と混乱し、せっかくのムードが台無しになったことに焦ります

帰り道、王子はハルの手を引いて歩きますが、ハルはそれを「連行スタイル」だと感じていました 。 ハルは必死に「部屋に帰って飲み直して、いい感じに雪崩れ込んで…」と、自宅での展開に望みを繋ごうとします

ぎこちない二人と、王子の愛の告白

自宅に戻った王子は、明らかに動揺していました。 「お茶ってどうやって淹れんだっけ?」「いやまずお湯を沸かして…ワイン…でなくて…」と、普段の彼からは想像できないほど挙動不審になっています 。 それを見たハルも、彼のただならぬ様子に緊張を高めます。

テーブルに向かい合って座ると、二人の心臓の音(ドクン、ドクン)が聞こえてきそうなほどの沈黙が流れました 。 ハルが「もしかして…拒否の方向…!」と最悪の事態を覚悟したその時、王子が口を開きます

「嬉しかったよ…俺も」 。 王子は、ハルに抱きしめられたことが嬉しかったと認めます 。 そして、「言えなかったけど…でもちゃんとさ」と言い淀みながらも、ハルの目を見てはっきりと告げました。

「好きなんだよ。ハルのこと」

王子は、結婚が「ノリ」のようになってしまい、順番が逆になってしまったけれど、ハルへの想いは本物だと伝えます 。 その言葉を聞いたハルは、感極まって涙を流します

溶けていく「黒い塊」と幸せな時間

泣きじゃくるハルを見て、王子は「よかった、嬉しい」と安堵の表情を見せます 。 ハルは、これまで心や体の中に溜まっていたドロドロとした「黒い塊」が、王子の言葉によって溶けていくのを感じていました 。 自分が一番欲しかったのは、この言葉だったのだと気づきます。

ハルも「私も王子のこと…好き…」と伝えようとしますが、涙と一緒に鼻水が出てしまい、王子にティッシュで拭いてもらうという少し間の抜けた、しかし温かい時間が流れます 。 王子はハルの膝に手を置き、愛おしそうに見つめ、ハルも涙目でそれに応えました

明かされた衝撃の真実「勃たない」

しかし、幸せな時間は長く続きませんでした。 王子は急に表情を曇らせ、「…ごめんハル」と謝罪の言葉を口にします 。 「ハルのこと可愛いな、愛しいなって」思っていることは真実だと前置きした上で、彼は言いづらそうに、しかし決定的な事実を告げました

「抱きしめてるのに、体はやっぱり反応しなくて、勃たないんだ

王子はハルを愛しており、心では求めているにもかかわらず、身体機能として勃起しない状態(ED)であることを告白しました。 さらに彼は、それがハル相手だけではなく、「ずっと、誰とも」そうであると付け加えます 。 セックスレスの原因は、王子の気持ちの問題ではなく、彼が抱える深刻な身体的・精神的な悩みだったのです。

【聖ラブサバイバーズ】23話を読んだ感想(ネタバレあり)

第23話は、ジェットコースターのように感情が揺さぶられる展開でした。 前半の犬の乱入や、動揺してお茶の淹れ方を忘れる王子の姿にはクスッと笑わされましたが、中盤の「好きなんだよ」という告白シーンは、これまでのハルの苦労を知っているだけに涙なしでは読めません。 ハルが感じていた「黒い塊」が溶けていく描写は、読者の胸のつかえも一緒に取ってくれるようなカタルシスがありました。

しかし、ラストで明かされた事実はあまりに衝撃的かつ切実です。 これまで王子が「フィジカルなし」を受け入れたり、ハルの誘いをかわしたりしていたのは、ハルに興味がなかったからではなく、「したくてもできなかった」からだったのです。 「ずっと誰とも」という言葉からは、彼が長い間一人でこの悩みを抱え、自信を喪失していた可能性が読み取れます。 ハルが「女として見られていない」と悩んでいた裏で、王子は「男として応えられない」という苦しみを抱えていたのかもしれません。

これで物語の前提が大きく変わりました。 単なる「気持ちのすれ違い」ではなく、「機能不全」というデリケートで解決の難しい問題に、二人がどう向き合っていくのか。 愛し合っていることが確認できた今だからこそ、この障害はより高く、辛いものになるかもしれません。

【聖ラブサバイバーズ】23話のネタバレまとめ

  • ハルの告白直後、犬の乱入トラブルによりムードが壊れ、二人は一度自宅へ帰ることになった 。
  • 自宅に戻った王子は動揺して挙動不審になっていたが、意を決してハルに向き合った 。
  • 王子は「好きなんだよ、ハルのこと」と、ハルへの明確な愛を告白した 。
  • ハルは王子の言葉に救われ、心の中の不安やわだかまり(黒い塊)が解消されて号泣した 。
  • 王子はハルを愛しく思い、抱きしめたいと思っているが、「体が反応しなくて勃たない」という真実を打ち明けた 。
  • その症状はハルに対してだけでなく、「ずっと誰とも」続いている状態であることが判明した 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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