【聖ラブサバイバーズ】33話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

第32話では、自身の体験を綴ったブログが大ヒットし、人気作家となったハルが、かつての仕事仲間である渋谷啓斗と再会する様子が描かれました。 一方、王子はバンド活動に没頭し、夫婦の距離は開きつつも、ハルは漆原との関係を「潤滑油」として割り切り、奇妙な安定を手に入れていました。 第33話(第4巻冒頭)では、王子が合宿へと旅立ち、一人になったハルの元に、予期せぬ人物が「ある形」で現れます。

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「執着」を手放した先に見えたもの

物語は、早朝の穏やかな別れのシーンから始まります。 王子はバンドの合宿のため、昼からの取材に合わせて出発するところでした 。 ハルは眠い目をこすりながらもコーヒーを渡し、「がんばってー、いってらっしゃいー」と笑顔で見送ります 。 以前のハルなら、王子が離れていくことに不安を感じていたかもしれませんが、今の彼女は「じゃあなー」と去っていく背中を落ち着いて見つめ、すぐに「私も序章だけでも仕上げなきゃ」と自分の仕事へと意識を切り替えました 。

仕事に向かうハルの胸に、ある思いが去来します。 かつては、キスさえしてくれない夫と、心でも体でも愛し合いたくて、必死にもがいていました 。 しかし、今になって振り返れば、その一生懸命さは「愛するための努力」ではなく、単なる「執着」だったのではないかと気づきます 。 ハルは、自分の中で「体」の欲求を切り離し、他者に委ねることで、夫婦という歯車が上手く回り出した不思議を感じていました 。

平穏な日常に訪れた「合図」

ハルは、人生は簡単にハッピーエンドにはならず、開いた扉の先にまだ見ぬ自分がいることを予感しながら、パソコンに向かっていました 。 作業に没頭していると、空腹を感じます 。 王子も不在のため、「ウーバーでいっか」とデリバリーを頼むことにしました 。

注文を終えたハルは、ふとバッグの中にある「お守り(漆原から貰った避妊具)」の存在を感じます。 「あそこに、あれがあるだけで、抑えられていた…」 。 物理的なアイテムと、漆原という逃げ場所がある安心感が、ハルの精神的な飢餓感を満たし、安定させていたのです。

予期せぬ再会と「初対面のふり」

しばらくして、インターホンの音が鳴り響きました 。 「…早」とつぶやきながら、ハルはドアを開けます 。 そこには、大きな配達バッグを背負い、サングラスをかけた配達員の姿がありました 。 「お待たせしました」という声を聞いた瞬間、ハルの心臓が「ドクン」と大きく跳ねます 。

ハルはスマートフォンで配達担当者の表示を確認しますが、そこには「KIMURA」という名前が表示されていました 。 名前は違います。 しかし、その声と雰囲気は、間違いなくあの夜を共にした漆原夏生(うるしばら なつお)のものでした 。

ハルは、別れ際に彼が言っていた言葉を思い出します。 『万が一再会して、俺初対面のふりしたら“合図”だから』 。 漆原(と思われる男性)は、サングラス越しにハルを見据え、他人のような口調で告げました。 「ご注文のお料理、こちらに置いてよろしいですか?“お客様”」 。 それはまさに、二人の秘密の関係が再始動する合図でした。

【聖ラブサバイバーズ】33話を読んだ感想(ネタバレあり)

第33話は、冒頭のハルの独白が非常に印象深かったです。 「努力じゃなくて執着だった」という気づきは、多くの読者が共感できる痛みを伴う真理ではないでしょうか。 王子への純粋な愛だと思っていたものが、実は自分の理想を押し付けるエゴだったかもしれないと認めることは、ハルにとって辛い作業だったはずです。 しかし、それを認めたことで彼女が軽やかになり、仕事に邁進できるようになった姿には、皮肉な形ではありますが成長を感じました。

そして、ラストシーンの展開には鳥肌が立ちました! 王子がいないタイミングを見計らったかのように、デリバリーの配達員として現れる漆原。 アプリの名前が「KIMURA」になっているという偽装工作や、サングラス越しの視線、そして「合図」通りの他人のふり。 スリルと背徳感が入り混じるシチュエーションに、ドキドキさせられっぱなしです。 これは偶然なのか、それとも漆原がハルの注文を狙って取ったのか。 「お客様」と呼ばれたハルがどう反応するのか、次回の展開が待ちきれません。

【聖ラブサバイバーズ】33話のネタバレまとめ

  • 王子が合宿に出発し、ハルは笑顔で見送った後、すぐに自分の仕事に取り掛かった 。
  • ハルは、かつての王子への必死な態度は「努力」ではなく「執着」だったと分析した 。
  • 性的な欲求を切り離すことで夫婦関係が円滑になったと感じつつ、その先の自分を模索していた 。
  • 空腹を感じたハルがフードデリバリーを頼むと、サングラスをかけた配達員が到着した 。
  • 配達員のアプリ上の名前は「KIMURA」だったが、ハルは声でそれが漆原であると確信した 。
  • 漆原は約束通り「初対面のふり」をして「お客様」と呼びかけ、ハルに再会の合図を送った 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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