【聖ラブサバイバーズ】8話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

第8話では、前回ハルが相談を持ちかけようとした友人・冬実(ふゆみ)の視点で物語が進みます。

前回の第7話では、ハルが自身の経験不足に悩み、既婚者である冬実に連絡を取ろうとした矢先、冬実がホテルで若い男性と過ごしている衝撃的なシーンで幕を閉じました。

【聖ラブサバイバーズ 】第8話をネタバレありでわかりやすく解説する

第8話では、「理想的な既婚者」と思われていた冬実が抱える闇と、彼女が自分自身に課している歪んだルール、そして不倫相手との関係性が詳細に語られます。

表向きは幸せな家庭を築いている彼女が、なぜ13歳も年下の若手俳優に走ったのか。そこには、夫との埋められない溝と、女性としての自信を取り戻したいという切実な願いがありました。

「完璧な妻」を演じるための4つのルール

物語は、冬実のFacebookの投稿画面から始まります。

「娘4歳の記念に家族写真を撮って頂きました」という投稿には、優しそうな夫と可愛い娘、そして幸せそうに微笑む冬実が写っており、友人たちからは「いいね!」や祝福のコメントが溢れています

冬実の夫は5歳年上のデザイナーで、マメできれい好きな性格です 。周囲から見れば、冬実は間違いなく「幸せな既婚者」でした 。しかし、彼女はこの生活を維持するために、自分自身に奇妙なルールを課していたのです。

矛盾に満ちた自分だけの掟

冬実は、不倫相手との情事を楽しむ一方で、家庭内では完璧な妻・母であり続けようと努めています。

  1. ルール1:その日の家事は完璧に 保育園のお迎えを夫に頼んだ日でも、夕食(タコライスやアボカドサラダなど)は完璧に用意しておきます 。
  2. ルール2:大きな嘘はつかない 娘に対し、「仕事の打ち上げ」と伝えて外出します 。これは彼女の中では「メイク班の反省会」の延長線上に位置づけられているため、完全な嘘ではないという理屈のようです。
  3. ルール3:仕事と子供を言い訳に使わない 家庭をおろそかにせず、仕事もきっちりこなすことで、自分の行動を正当化しています。
  4. ルール4:スケジュールには必ず余裕を持って 酔いが回って早く帰宅したように見せかけるなど、アリバイ工作も完璧に行います 。

この徹底した管理によって、夫や娘に不倫がバレることはありませんでした

13歳年下の俳優・翔太との「恋」

冬実の相手は、彼女がメイクを担当した舞台に出演していた若手俳優の「翔太」でした

「恋」をすることで得られる自己肯定感

ホテルでのひととき、冬実は彼にマッサージを施し、身も心も委ねます 。彼女にとってこの時間は、単なる浮気ではなく「生まれて初めて恋を制している」瞬間でした

二人の関係は半年続いています 。翔太は冬実に対し、「昔の男のこととか考えてたでしょ」と可愛らしく嫉妬(ジェラ)してみせます

冬実は、この関係に「結果」も「見返り」も求めていません 。ただ、彼に求められることで「自分を肯定できる」という感覚に浸っていました 。誰かの妻でも母でもない、一人の女性として扱われることが、彼女の心の隙間を埋めていたのです。

ハルからの相談への冷めた視線

そんな中、ハルからLINEが届きます。「ずっと片思いしてたミュージシャンに突然プロポーズされて」という浮かれた内容に対し、冬実は心の中で冷ややかな反応を示します

かつての自分もそうだったように、恋愛や結婚は「執着した途端しんどくなっちゃう」ものだと、彼女は達観していました 。ハルの純粋な悩みは、今の冬実には「学生ノリ」のように幼く映っていたのです

夫との価値観の違いと「残酷な優しさ」

冬実がここまで追い詰められた背景には、夫との関係性がありました。

1年前、仕事現場で翔太と出会った頃、冬実は夫との間に「5歳の年の差」以上の「価値観の違い」を感じ始めていました 。夫に悪気はないものの、二人の間には埋めがたい溝があったのです

そんな時に出会った翔太は、13歳も年下でありながら、ゲームの話で意気投合し、不思議と居心地の良い存在でした 。あざとい若手俳優が多い中で、彼は素直で飄々としており、冬実の心を癒やしてくれたのです

決定打となった夫の一言

物語の後半、メイクをしている冬実に対し、同僚が「顔色が悪い」と心配します 。

実は冬実は、学生の頃から子宮筋腫を患っており、最近それが大きくなって生理が長引いていました 。夫は心配してパソコンで治療法を調べていましたが、画面に映っていたのは「開腹手術による子宮全摘術」という文字でした

夫は冬実の体を気遣い、「手術も考えた方がいいんじゃない?」と提案します 。そして、決定的な言葉を口にしました。

「子供は一人くらいが僕らにはちょうどいいよ」

この言葉を聞いた瞬間、冬実の目から光が消えます。夫にとっては妻の体を思っての合理的な提案だったのかもしれません。しかし冬実にとっては、女性としての機能を失うことへの喪失感や、もう子供を望まれていないという事実を突きつけられた瞬間でした。

【聖ラブサバイバーズ 】8話を読んだ感想(ネタバレあり)

第8話を読んで、冬実というキャラクターの複雑さと、既婚女性が抱える孤独の深さに衝撃を受けました。

特に印象的だったのは、冬実が自分に課している「4つのルール」です。「大きな嘘はつかない」と言いながら不倫をしている矛盾は、彼女なりの罪悪感の裏返しなのかもしれません。家事を完璧にこなすことで、「私は家庭を壊していない」と自分に言い聞かせている姿が、あまりにも痛々しく感じられました。

また、ラストシーンの夫の言葉は残酷すぎます。「子供は一人くらいがちょうどいい」という発言は、経済面や生活面を考えれば正論かもしれません。しかし、子宮全摘という重い選択を前にした妻にかける言葉としては、あまりにも配慮に欠けています。悪気がないからこそ、余計に冬実を傷つけている。このすれ違いこそが、彼女を外の世界(翔太)へと走らせた本当の原因なのだと確信しました。

ハルが憧れていた「理想の夫婦」の実態がこれだったとは。次回、ハルはこの冬実とサシ飲みをすることになりますが、一体どんな会話が繰り広げられるのか、不安と期待が入り混じります。

【聖ラブサバイバーズ 】8話のネタバレまとめ

  • 冬実は、SNS上では「幸せな既婚者」を演じているが、裏では13歳年下の俳優・翔太と不倫関係にある 。
  • 不倫がバレないよう、「家事は完璧にする」「大きな嘘はつかない」といった独自のルールを徹底している 。
  • 翔太との関係は、見返りを求めない純粋な「恋」であり、冬実の自己肯定感を支えている 。
  • ハルからのプロポーズ相談に対し、冬実は「執着するとしんどくなる」と冷めた感想を抱く 。
  • 冬実はずっと夫との価値観の違いに悩んでいた 。
  • 子宮筋腫が悪化した冬実に対し、夫は体を気遣って全摘手術を勧め、「子供は一人でいい」と発言する 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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