【聖女様の逆ハーレムからあぶれた騎士様に熱烈に求愛されている件】1話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

【聖女様の逆ハーレムからあぶれた騎士様に熱烈に求愛されている件】第1話をネタバレありでわかりやすく解説する
物語は、主人公である王宮の事務官ラシェルが、一人バーで物思いにふけるシーンから始まります。 彼女の隣には、美しい金髪の男性が座っていますが、その表情は「死んだ魚の目をしている」と表現されるほどに絶望しきっていました。
この男性こそ、魔王討伐を成し遂げた勇者パーティーの一員、騎士アルフレッドです。 国中が英雄の凱旋に沸く中、彼は一体なぜ、こんなにも落ち込んでいるのでしょうか。
孤独な事務官と英雄たちの旅立ち
物語の時間は少し遡り、3年前。 この世界は魔王の脅威に晒されており、その討伐のために異世界から聖女が召喚されました。 彼女は聖剣に選ばれた勇者、そして騎士であるアルフレッドらと共に、世界の命運を背負って旅立ちます。
主人公のラシェルは、王宮の事務官としてその任命式を遠くから見守っていました。 実は彼女には、平和な「日本人」として生きた前世の記憶があります。 そのため、若者たちに世界の命運という重すぎる責任を押し付けるこの世界の残酷さを、人一倍強く感じていたのです。
特別な力を持たない彼女にできたのは、ただ彼ら全員の無事を祈ることだけでした。 そして3年の時を経て、勇者一行は見事魔王を討ち果たし、2日前に凱旋パレードを行ったばかりだったのです。
騎士様がヤケ酒をする理由
場面はバーに戻ります。アルフレッドは「この店で一番強い酒をくれ」と注文し、何もかも忘れたいとばかりにそれを一気に煽ります。 心配になったラシェルが声をかけると、彼はぽつりぽつりとその理由を語り始めました。
彼の悩み、それは恋でした。彼はパーティーの紅一点である聖女様に、淡い恋心を抱いていたのです。 しかし、旅の途中で衝撃の事実を知ってしまいます。なんと、聖女様は自分以外のパーティーメンバー全員と肉体関係を持っていたのです。
つまり、聖女様は逆ハーレムを築いており、アルフレッドだけがその輪からあぶれてしまっていた、というのが真相でした。
逆ハーレムからあぶれた悲しい真相
ラシェルは素朴な疑問をぶつけます。「どうしてあなたは聖女様と関係を持たなかったの?」と。
アルフレッドの答えは、彼の誠実な人柄を物語るものでした。彼は聖女に誘われはしたものの、「婚前交渉はよくない」と断っていたのです。 「純潔は妻となる女性に捧げようと決めていたんだ」と語る彼は、非常に貞操観念が強い人物でした。
その真面目さゆえに、奔放な聖女様からはじれったく思われ、結果的に一人だけ仲間外れにされてしまったのでした。 「至極真っ当に生きている人が報われないのかしら」と、ラシェルは彼の境遇に深く同情します。
ハートブレイク同士の出会い
ラシェルは落ち込むアルフレッドを優しく慰めます。 「その純潔を守る姿勢、私はいいと思う」「あなたに愛される女性はとても幸せだと思うわ」という彼女の言葉は、傷ついた彼の心に温かく響きました。
これをきっかけに二人は自己紹介をし、アルフレッドは「アル」、ラシェルは「ラシェ」と呼び合うことになります。 すると今度はアルフレッドが、なぜラシェルが一人でヤケ酒をしていたのかを尋ねました。
彼女は笑顔で、しかしその目には悲しみをたたえながら、衝撃の事実を告白します。
「実はね 妹に婚約者を寝取られたの」
彼女もまた、アルフレッドと同じように、信じていた人に裏切られたばかりだったのです。
「可愛い」という魔法の言葉
ラシェルの妹は「病弱」を演じ、姉から親の愛、爵位、そして婚約者まで、すべてを奪っていきました。 さらに彼女を苦しめていたのは、前世の記憶でした。前世でも「君は僕がいなくても一人で生きていける」という決まり文句で婚約者に振られていたのです。
生まれ変わっても同じように、強がって本音を言えない自分は「可愛げがない」と彼女は涙します。
そのとき、アルフレッドはまっすぐに彼女を見つめて言いました。
「ラシェルのこと すごい可愛いと思うよ」
あまりにストレートな言葉に、ラシェルは思わず吹き出してしまいます。 彼は「確かに俺はちょろいかもしれないけど、君になら騙されてもいい」と続け、彼女に手を差し伸べます。 心の壁が溶けた二人は、その夜を共に過ごすのでした。
【聖女様の逆ハーレムからあぶれた騎士様に熱烈に求愛されている件】1話を読んだ感想(ネタバレあり)
第1話から、いきなり二人の主人公がどん底まで落ち込んでいるという、なかなかない展開で心を掴まれました。国を救った英雄であるはずのアルフレッドが、まさか恋愛で「あぶれていた」なんて、そのギャップが最高に面白いです。見た目は完璧なイケメン騎士なのに、中身は超がつくほどの真面目で純情というキャラクター設定が、応援したくなる気持ちを掻き立てます。
一方で、ラシェルの抱える痛みも非常にリアルで共感できました。前世から続く「しっかり者だから」という理由での失恋は、多くの人が一度は感じたことのある寂しさではないでしょうか。そんな二人が、互いの傷を慰め合うようにして惹かれ合っていく様子は、とても丁寧で感動的でした。
ヤケ酒から始まる恋なんて、普通なら少し心配になりますが、この二人に関しては「運命の出会いだったね!」と心から祝福したくなります。これから、この不器用で誠実な騎士様が、どんなふうにラシェルに熱烈なアプローチを仕掛けていくのか、楽しみで仕方ありません。
【聖女様の逆ハーレムからあぶれた騎士様に熱烈に求愛されている件】1話のネタバレまとめ
- 王宮事務官のラシェルには、日本人だった前世の記憶がある。
- 魔王を討伐した英雄の騎士アルフレッドは、恋焦がれていた聖女様に逆ハーレムからあぶれてしまい、ひどく落ち込んでいた。
- アルフレッドがあぶれた理由は、婚前交渉を断るほど真面目な性格だったため。
- ラシェルもまた、妹に婚約者を寝取られてヤケ酒をしていた。
- 同じ境遇の二人は意気投合し、アルフレッドはラシェルに「可愛い」と告白。 二人は一夜を共にする。
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