【花は甘い罠】1話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【花は甘い罠】第1話をネタバレありでわかりやすく解説する

【花は甘い罠】の記念すべき第1話は、静寂を切り裂く不穏な音と、衝撃的な事件から幕を開けます。主人公・藤宮未桜(ふじみや みお)の平穏な日常が、ある夜を境に一変してしまう様子が描かれました。物語の導入から一気に読者を引き込む、緊迫感あふれる展開を徹底的に解説していきます。

闇夜の森、謎の惨劇の幕開け

物語は、暗闇の森に響く不気味な音から始まります。「ハサッ」「バキッ」という何かが破壊される音、そして「キュイーン」という機械音。何が行われているのか分からないまま、読者の不安を煽ります。

場面は変わり、月明かりが照らす森の中。作業着姿の女性、樹木医の藤宮未桜が、木の剪定作業を終えて一息ついていました。「よし!」「枝打ち終了★」と満足げな彼女は、弱った木にドリルで穴を開け、栄養剤を注入します。まるで我が子に語りかけるように「お腹ペコペコだったよね?」「残さずに飲むんだよぉ」と木を気遣う姿からは、彼女の深い愛情が伝わってきます。

しかし、この穏やかな時間は長くは続きません。「また明日来るね!」と木に別れを告げた未桜。ですが、そこに「―・・・そう その時までは、普段と変わらない1日だった」という不穏なナレーションが重なり、これから起こるであろう事件を予感させます。

彼女の日常は、樹木専門の病院で、未払いの請求書の山に頭を悩ませたり、伐採されそうな木を必死で守ったりと、多忙ながらも充実していました。仕事終わりには、裏山に放置された木々を見て回るのが日課でした。そう、「そんな、いつも通りの日だったのに」

その言葉通り、日常は突如として崩れ去ります。夜の森に、血まみれの男性の悲痛な叫び声が響き渡りました。 「助けてくれ!!!」「全部ッ話すから!!!!」 命乞いをする男性に対し、黒いフードを深く被った謎の人物は「ん?」と冷静に聞き返すと、嘲笑うかのように言い放ちます。 「こういう時は殺してくれ・・・だろ?」 男性の「待て」という懇願もむなしく、次の瞬間には激しい暴力が振るわれ、血しぶきが舞う凄惨な光景が広がります。そして、その一部始終を、未桜は目撃してしまったのです。

「どういう状況?」「これって―――殺人現場じゃん。」 目の前の惨劇に、未桜は青ざめ、言葉を失います。

殺人鬼との遭遇と警察への通報

恐怖に震えながらも、未桜は「そうだ」「警察…は・・・早く通報しなきゃ」と、冷静さを取り戻そうとスマートフォンに手を伸ばします。しかし、その時、犯行を終えたフードの人物が、未桜の存在に気づいてしまいました。「ピクッ」と動きを止め、ゆっくりと振り返る殺人鬼。その手には、もう一つの遺体らしきものからこぼれ落ちた金属片が握られていました。

「なになになんなの?」「この人…殺人鬼!!」 パニックに陥りながらも、「今動いたらこっち向きそうだし」と、その場に釘付けになってしまう未桜。「ヤバい」「どうしよう」「詰んだ」と、絶望的な思考が頭を駆け巡ります。そしてついに、フードの人物が不気味な笑みを浮かべ、ゆっくりとこちらを向いたのでした。

「いいのか?」「逃げなくて」 殺人鬼の挑発的な言葉に、未桜は我に返り、一目散に走り出します。転びながらもスマートフォンで警察に通報し、震える声で必死に状況を伝えました。 「もしもし!!! あの! 松の木病院のッ裏山に!人が――!人が埋められてて!!!」「このままじゃ私も殺されます!!!!」 彼女の名前は、藤宮未桜。電話口の警察官が事務的な対応をする中、未桜の背後には、すでにあの殺人鬼の気配が迫っていたのです。

絶体絶命!樹木医の逆襲

「忘れもの」「ちゃんと持って帰らないと」 背後からささやく殺人鬼。絶望的な状況に、未桜は死を覚悟します。「昔からただ静かに暮らしたかった」と、ようやく手に入れた穏やかな日常が壊されていく無念さを感じていました。

しかし、彼女はこのまま終わるような女性ではありませんでした。未桜の目に強い光が宿り、愛用のチェーンソーのスイッチを力強く握りしめます。 「コイツ殺人鬼なんかに」「やられてたまるか!!!!」 絶叫と共にチェーンソーを起動させ、殺人鬼に反撃を開始する未桜。暗い森の中に火花が散り、返り血を浴びながらも、彼女はただ生きるために必死で抵抗します。

衝撃のどんでん返し!もう一人の生存者

未桜が死闘を繰り広げる中、誰もが予想しなかった事態が発生します。先ほど殺されたはずの血まみれの男性が起き上がり、フードの男に襲いかかったのです。

「えっ?」と驚くフードの男を、血まみれの男は容赦なく斬りつけ、蹴り飛ばします。目の前の光景が信じられず、「ええっ――?」「ええええええ!!?」と大混乱する未桜。

ここで、物語の核心に触れるナレーションが入ります。

そう これが私の隠したくてたまらない患者」「2年間植物状態の彼との出会いだ

なんと、殺人鬼だと思われたフードの男こそが、この後2年間植物状態になる「患者」だったのです。

樹木の代弁者、藤宮未桜

場面は転換し、未桜は、とある学校のシンボルツリーの治療を依頼されていました。校長たちに木の不調を「便秘です」と堂々と説明する彼女。一見、少し変わった樹木医に見えます。

しかし、彼女の洞察力は本物でした。木の不調の原因が、学校の増築工事の際に出た廃棄物を根元に不法投棄したことだとすぐに見抜きます。 「・・・ここに、なにを埋めたんですか?」 未桜の鋭い指摘に、校長たちは激しく動揺。彼女は「タイル?」「セメント?」と冷静に追い詰め、「廃棄物の処理費用が浮いて、それはもう喜ばれたことでしょう」と痛烈な皮肉を浴びせます。

そして、「役所に報告します」と冷徹に言い放ち、不正を許さない強い意志を見せつけました。 「私は樹木の代弁者になりたい樹木医です」「この子達を助けることが得意で生きがいで」「必要に応じて除草も行います」「最近は校長先生みたいな人間を片付けることも得意かな」 この話から未桜がただ優しいだけの女性ではなく、樹木のためなら悪意ある人間とも毅然と戦う、強く、そして少し危険な一面を併せ持っていることが分かります。

開かれる禁断の扉

回想が終わり、現在。未桜がスクーターで走っていると、大家の朋代さんから「また2階から変な音が聞こえたのよ!」「もう鍵屋さん呼んじゃった」と衝撃的な電話が入ります。未桜は「ダメェェエエ!!!!」と絶叫し、病院へ猛スピードで引き返します。

彼女はかつて朋代さんに「どうか2階のドアはなにがあっても開けないでください」と懇願していました。

彼女がここまでして秘密にする理由。部屋の奥、ベッドの上には生命維持装置につながれた若い男性が眠っていました。

そして、不気味な彼岸花のイメージと共に、決定的なナレーションが響きます。

とってもキケンな植物が住んでるんだもん」と。

この部屋にいる植物状態の患者こそ、物語冒頭で未桜が遭遇し、彼女の「患者」となったあのフードの男だったのです。第1話は、未桜が抱える最大の秘密が明かされたところで、幕を閉じます。これから彼女と、この「危険な植物」との間に、一体どのような物語が紡がれていくのでしょうか。

【花は甘い罠】1話を読んだ感想(ネタバレあり)

いや、もう、何から話せばいいのか分からないくらい衝撃的な第1話でした!最初は、樹木を愛する心優しい女性が、不運にも殺人事件に巻き込まれてしまうホラーサスペンスなのかな?と思っていたんです。未桜がチェーンソーで反撃した時は「強い主人公、最高!」と拳を握りましたが、その後の展開は全くの予想外でした。

まさか、殺されたはずの人が反撃して、殺人鬼だと思っていたフードの男が倒されるなんて!頭が真っ白になりました。そして、そのフードの男こそが、未桜が2年間も匿っている「患者」であるという事実。このどんでん返しには、鳥肌が立ちました。

回想シーンで描かれた未桜のキャラクターも最高です。ただの優しいお姉さんじゃなくて、木の代弁者として悪に立ち向かう、芯の通ったかっこいい女性。でも「人間を片付けることも得意かな」なんて物騒なことをサラッと考えちゃう危うさもあって、一気に彼女の魅力に引き込まれました。

最後のシーン、朋代さんが部屋を開けそうになる禁断の2階の部屋。そこに眠る「危険な植物」こと、あのフードの男。彼がなぜ植物状態になったのか、未桜はなぜ彼を匿っているのか、そしてあの「血まみれの男」は一体何者なのか…。謎が謎を呼ぶ展開に、もう続きが気になって仕方がありません!平穏を願う彼女が抱えてしまった、あまりにも危険な秘密。この物語の行く末を、固唾をのんで見守りたいと思います。

【花は甘い罠】1話のネタバレまとめ

  • 樹木医の藤宮未桜は、夜の森で殺人現場を目撃してしまう。
  • 殺人鬼(フードの男)に命を狙われるが、チェーンソーで反撃する。
  • 殺されたはずの被害者男性が起き上がり、フードの男を返り討ちにするという衝撃の展開が起こる。
  • フードの男は未桜の「患者」となり、2年間植物状態で彼女の病院の2階に匿われていることが判明する。
  • 未桜が樹木を守るためなら不正を許さない、強く正義感あふれる人物であることが描かれる。
  • 大家が2階の部屋の鍵を開けそうになってしまい、未桜が隠してきた秘密が露見しそうな危機で物語は終わる。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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