【関係の終末】42話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【関係の終末】42話をネタバレありで解説する
前話、マサルの命を懸けた自己犠牲も虚しく、ユイは「悪魔」たちに捕らえられてしまいました。続く第42話では、惨劇の後のユイと、「悪魔」たちの正体、そしてこの物語の新たな恐怖の始まりが描かれます。
雨中の遭遇、最後の善意
物語は、雨の中を逃げ惑うユイが、一人の見知らぬ男と出会う場面から始まります。その男は、停電のブレーカーを確認しに来ただけの、この惨劇とは無関係の一般人でした。ユイは彼に「彼氏が…死にそうなんです」「警察に…通報してください…」と必死に助けを求めます。携帯の電波も通じない悪状況の中、男はユイのただならぬ様子を察し、「一緒に行ってみよう!」「案内してくれ!」と、危険を顧みずに手を差し伸べるのでした。
「私達はねぇ…死神なのよ」、明かされる正体
しかし、その最後の善意は、悪魔たちの手によって無惨に踏みにじられます。男の前に、マルと大家が現れ、ユイは絶望の叫びを上げました。ユイは「この人は何の関係もないでしょ!」と訴えますが、大家は「そのとおり」と頷き、こう言い放ちます。
「私達はねぇ…死神なのよ」
彼らは単なる快楽殺人鬼ではなく、自らを運命を司る「死神」だと信じている、常軌を逸したカルト集団だったのです。そして、善意の男は、彼らの手によって無慈悲に殺害されてしまいました。
壊れたヒロイン、奇妙な対話
絶望的な状況の中、ユイに奇妙な変化が訪れます。大家の「死神」という言葉に対し、彼女は恐怖するのではなく、「お…おばさん!そ…それカッコいいね!」と、どこかズレた反応を見せたのです。大家は「でしょ~?今思いついたの!」とご機嫌な様子です。
大家は、マサルが自分の「かわいい息子が頭をたたき割った」こと、そして自分たちが目覚めた時点で、ユイたちが「死ぬ運命だった」ことを楽しそうに語ります。それを聞くユイの表情からは、もはや恐怖の色は消えていました。
新たな「関係」の始まり?
物語の最後のページ。ユイは、どこか穏やかですらある表情で、目の前の惨状を見つめています。彼女は、かつてマサルがタツヤたちに「奴隷」と呼ばれたことを思い出し、静かに何かを考えているかのようでした。
彼女の心は、あまりの恐怖によって完全に壊れてしまったのでしょうか。それとも、マサルの死を経て、彼女自身の中に新たな「鬼」が芽生え、新たな「関係」が始まろうとしているのでしょうか。物語は、その答えを読者の想像に委ね、不気味な静けさの中で幕を閉じます。
まとめ【関係の終末】42話を読んだ感想
これほど後味の悪い、しかし続きが気になってしまう回があったでしょうか。物語は、読者に一切の救いを与えず、絶望の上にさらなる絶望を塗り重ねていきます。特に、名もなき善人が、ただ親切心から行動したばかりに惨殺されるシーンは、この物語を貫く理不尽さと無慈悲さを象徴しており、胸が痛みました。
大家が自らを「死神」と称する場面は、彼らの狂気が、もはや常人の理解を完全に超えた領域にあることを示しています。彼らにとって、殺人は「運命」であり、自分たちはその執行人に過ぎない。その歪んだ自己認識がある限り、彼らの殺戮は終わることがないのでしょう。
そして何よりも、ユイの最後の変貌。あれは、単に心が壊れただけではないように思えます。「カッコいいね!」という反応や、最後の穏やかな表情には、恐怖を超越した何か、あるいは、この理不-尽な世界に適応してしまったかのような、新たな人格の萌芽すら感じさせ、本作最大の恐怖を覚えました。
マサルとタツヤの「関係」は「終末」を迎えましたが、その果てに、ユイと「死神」たちの、新たな「関係」が始まってしまったのかもしれません。物語のヒロインが、最大の恐怖の対象へと変貌する可能性を匂わせる、あまりにも不気味な引きに、次話が待ちきれません。
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