【閻魔の教室】10話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【閻魔の教室】第10話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、芸能スカウトを名乗る男・岡田に騙され、絶望の淵に立たされた不登校生徒・楽羽雪(ゆき) 。そんな彼女の前に現れたのは、最も会いたくなかったはずの担任教師、怨馬典明でした 。第10話「煤煙」では、この地獄の教師による、前代未聞の進路相談と「裁き」が描かれます。

地獄の教師による人生相談

涙にくれるゆきを前に、怨馬は静かに、しかし核心を突く言葉を投げかけます。

「お前は幸せだな」不幸のどん底で告げられた幸運

怨馬は開口一番、泣いているゆきに「お前は幸せだな」と言い放ちます 。大半の人間は学校を卒業してから、汚い大人や人間関係、稼ぐことの厳しさといった「社会の洗礼」を受けるものだ、と彼は説きます 。そんな社会の闇や大人の汚さを16歳という若さで知ることができたのは、一つ目の幸運だと語るのでした 。

「担任の教師が俺だということ」第二の幸運

そして、二つ目の幸運。それは「お前の担任の教師が」「俺だということ」 。怨馬は医者の免許こそ持っていないとしながらも、「お前の抱える「心の腫瘍」を取り除いてやる…!!!」と、力強く宣言します 。それは、ただの教師ではない、地獄の住人だからこそできる、魂の外科手術の約束でした。

悪徳スカウトへの裁き

怨馬の言葉は、単なる慰めではありませんでした。彼は自らの手で、ゆきを苦しめる「腫瘍」の元凶を断ち切りに向かいます。

新人社員、怨馬典明

場面は変わり、スカウトマンの岡田が電話で部下に指示を出しています。翌日の「撮影」のため、カメラ3台に加え、念のために酒と睡眠薬まで準備させようとしていました 。その時、彼の前に一人の男が現れます。岡田は相手を知りませんでしたが、男は「最近入りたての新人です」と名乗ります 。この新人社員こそ、岡田を裁くために潜入した怨馬だったのです。

地獄のゴルフ練習場

怨馬はゴルフ好きの岡田を、「球が小さすぎる」という奇妙な理屈で24時間営業の打ちっぱなしへと誘い出します 。しかし、彼らがたどり着いたのは、寂れた空き地。そして、次の瞬間、岡田は首から下を地面に埋められていました 。怨馬はシャベルを手に、こう告げます。「「球」がこんだけ でかけりゃ」「初心者の俺でも百発百中だぜ」 。

裁きの鉄槌

恐怖に震える岡田に、怨馬は自分の用件を理解しただろうと問いかけます 。そして、「今日会った少女には二度と近づくな…!!!」と厳命 。岡田が涙ながらに承諾すると、怨馬は「最後に お別れしよう」という言葉と共に、裁きの鉄槌を振り下ろすのでした 。

煤煙に消える教科書と、新たな道

元凶を排除した怨馬は、ベンチで待つゆきのもとへ戻ります。そして、物語は誰も予想しなかった結末を迎えます。

「虫は追い払った」

怨馬は「安心しろ… 虫は追い払った」と、岡田を始末したことを伝えます 。そして、岡田の名刺と出演承諾書をくしゃくしゃに丸めて捨てました 。

「学校なんか来なくていい!!!!」

これで学校に戻るよう説得される、とゆきが思った矢先、怨馬は彼女の家から「借りてきた」という教科書を取り出します 。そして、ライターで火をつけ、教科書を燃やし始めたのです 。唖然とするゆきに、彼はこう告げました。

そのまま夢を追え 楽羽…!!!

学校なんか来なくていい!!!!

まとめ【閻魔の教室】第10話を読んだ感想(ネタバレあり)

第10話は、「煤煙」というタイトルが象徴するように、ゆきちゃんの悩みやしがらみが煙となって消え去っていくような、爽快感と衝撃に満ちた回でした。

まず、怨馬先生の「カウンセリング」が規格外すぎます。普通なら「辛かったね」と慰めるところを、「お前は幸せだ」と言い放つ。しかし、その言葉の裏には、早く社会の厳しさを知れたことは財産だという、彼なりの哲学がありました。そして、ただ言葉をかけるだけでなく、悩みの元凶である岡田を物理的に排除しに行く行動力。地獄のゴルフ練習場のシーンは、恐怖と同時に、一種のブラックユーモアさえ感じさせ、彼のキャラクターの底知れなさを改めて見せつけられました。

そして何より衝撃的だったのは、ラストシーンです。クラス全員を卒業させるという父との「契約」があるにもかかわらず、彼はゆきの教科書を燃やし、「学校に来なくていい」と宣言しました。これは、単に彼女の夢を応援するという次元を超えています。彼にとっての「教育」とは、必ずしも学校という場所に生徒を縛り付けることではないのかもしれません。

彼の真意は一体何なのでしょうか。これは、彼の優しさなのか、それとも王位継承のための、さらに大きな計画の一部なのか。この行動が、閻魔大王との契約にどう影響するのかも含め、物語は全く新しい、予測不能な領域に足を踏み入れたように感じます。この教師が、これから生徒たちをどこへ導いていくのか、ますます目が離せません。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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