【閻魔の教室】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

【閻魔の教室】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する
第2話では、生徒の清水を地獄のような恐怖体験の末に更生(?)させた新任教師・怨馬典明。その常軌を逸した「裁き」は、読者に強烈なインパクトを残しました。そして第3話のタイトルは「最悪の一日」 。今回は、生真面目で気弱な副担任・竹井桃子先生に、その災難が降りかかります。
生真面目な副担任・竹井先生の憂鬱
物語は、竹井先生が校内でいちゃつく生徒カップルを注意する場面から始まります。しかし、彼女の指導は生徒たちの心には全く響きません。
生徒からの心ない言葉
竹井先生が「こらこら 学校でイチャイチャしない!!!」 と注意すると、男子生徒は悪びれる様子もなく、ニヤニヤしながら彼女をからかい始めます。「先生 学生時代 恋愛とかしてこなかったでしょ?」 「あっ だから今 独身なんだ!!!!」 。
さらに、生徒たちは去り際に「竹井先生みたいな大人にだけはなりたくねぇなー」 という追い打ちの言葉を浴びせます。生真面目な彼女は、生徒からの心ない言葉に深く傷つき、職員室へと向かうのでした。
味方のいない職員室
生徒とのやり取りで落ち込む竹井先生でしたが、彼女の受難はまだ終わりません。安息の地であるはずの職員室で、さらなる追い打ちが彼女を待っていました。
生活指導・青柳からのパワハラ
職員室に戻った竹井先生は、生活指導担当のいかつい男性教師・青柳に呼び止められます。青柳は、第2話で怪我をした生徒の清水について、「喧嘩ですか? それとも虐めですか?」 と竹井先生を詰問します。
話は新任の怨馬先生にも及び、「ちゃんと授業をしてるんですか?」 「あの男はどーもあやしい」 と、一方的に疑いの目を向けます。そして、その矛先は竹井先生本人にも向かいました。
「あなたもいい年齢だ」「とっとと結婚でもして専業主婦でもやったらどうです?」
生徒だけでなく、同僚の教師からでさえ、このようなセクハラ・パワハラまがいの暴言を浴びせられ、竹井先生は言葉を失います。
「呼んだか老害?」
青柳の暴言に竹井先生が呆然としている、まさにその時でした。背後からぬっと現れた怨馬が、青柳の髪を無造作に鷲掴みにし、冷たく言い放ちます。
「呼んだか老害?」
怨馬は、自分の悪口を言われているのを「地獄耳でね」 と、全て聞いていたのです。あまりに突然の、そして暴力的な出来事に、その場にいた誰もが凍りつきました。
地獄の教師との危険な歓迎会
この一件の後、竹井先生は同じE組の担任として、怨馬先生と話をする機会を伺います 。しかし、彼との対話は、予想だにしない方向へと進んでいくのです。
「俺に話があるなら酒持ってきて酌ぐらいしろ」
校内にもかかわらず堂々と喫煙する怨馬 に、竹井先生がおそるおそる話しかけます。すると怨馬は、彼女に信じがたい要求をしました。
「俺に話があるなら 酒持ってきて 酌ぐらいしろ」
この無茶苦茶な要求の結果、二人はなぜか放課後、おしゃれなバー「bar Kenzō」で飲むことに 。竹井先生のささやかな歓迎会のつもりでしたが、それはやがて地獄の飲み会へと変貌します。
飲み比べと敗北
店に着くなり、怨馬は「ジャックダニエルを瓶ごと持ってこい」と注文し、ビールジョッキのようにラッパ飲みを始めました 。怨馬の経歴を知りたい竹井先生でしたが、彼は「俺に経歴を語らせるには 酒が足りねぇな」 と、まるで聞く耳を持ちません。
この挑発に対し、竹井先生は「私こう見えてお酒得意なんですよ?」 と対抗しますが、結果は惨敗。「強すぎる…!!」 「初めて飲み負けた…!!」 と、あっけなくテーブルに突っ伏してしまうのでした 。
泥酔の果ての「最悪の一日」
飲み比べに負け、完全に泥酔してしまった竹井先生。その口からは、日頃の鬱憤が堰を切ったように溢れ出します。
抑圧された感情の爆発
酔った勢いで、竹井先生はこれまで抑えつけてきた感情を爆発させます。生徒や青柳先生から浴びせられた言葉を思い出し、「女は絶対『恋愛』をしないといけないんですか!?」 「ソレをしたかしないかで仕事に何の関係があるんですか!?」 と、涙ながらに叫びました 。
突然のキス
感情的にまくしたてる竹井先生に対し、怨馬は「黙れ」 と静かに、しかし有無を言わせぬ迫力で制します。そして次の瞬間、抵抗する彼女の顎を掴むと、無理やりその唇を奪ったのです。あまりにも唐突なキスに、竹井先生の思考は完全にフリーズしてしまいました。
地獄からの警告
キスを終えた怨馬は、呆然とする竹井先生に冷たい視線を向け、こう告げます。
「酒の魔とはいえ あまり俺の機嫌を曇らすな…」
そして、地獄の住人ならではの、血も凍るような警告を付け加えました。
「生理とは別の『血の雨』が降ることになるぞ?」
強力な記憶と最悪の朝
翌朝、二日酔いで登校した竹井先生。昨夜のことはほとんど覚えていません。しかし、怨馬とのキスという衝撃的な出来事だけは、どんなお酒よりも強力に、彼女の脳裏に焼き付いていました 。
生徒から「何かいいコトありました?」 と無邪気に尋ねられた彼女は、力なく、そして心からの実感を込めてこう答えるのでした。
「いいえ… 最悪の一日でしたよ…」
まとめ【閻魔の教室】第3話を読んだ感想(ネタバレあり)
第3話は、これまで気弱な副担任として描かれてきた竹井先生にスポットが当たり、彼女の苦悩や葛藤が非常にリアルに描かれていた回でした。生徒からだけでなく、同僚の心ない言葉にも傷つく彼女の姿には、思わず感情移入してしまいます。現代社会にも通じる、無意識の偏見や決めつけといったテーマが、物語に深みを与えているように感じます。
そして、そんな彼女を(結果的に)混沌の渦に巻き込むのが、学校で一番の非常識である怨馬先生だという構図が、この作品の面白いところです。特に、パワハラ上司の髪を掴んで「呼んだか老害?」 と言うシーンは、不謹慎ながらも少しだけスカッとしました。
何よりも衝撃的だったのは、ラストのキスシーンです。暴力や暴言で相手をねじ伏せるのではなく、予想の斜め上をいく行動で相手を黙らせる。怨馬先生の行動原理は、全く予測がつきません。彼の行動には、果たしてどんな「意図」が隠されているのでしょうか 。それとも、ただの気まぐれなのか。謎が深まるばかりの「最悪の一日」を経て、この地獄の教師が次にどんな授業を見せてくれるのか、ますます目が離せなくなりました。
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