【閻魔の教室】7話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【閻魔の教室】第7話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、不登校の生徒・楽羽雪の前に突如現れ、「貴様を拐いに来た」という衝撃的な言葉を告げた怨馬典明。第7話のタイトルは「情熱は盲目」。その言葉通り、夢に向かって情熱を燃やす少女と、その情熱を冷徹に見抜く地獄の教師による、激しい言葉の応酬が繰り広げられます。

教師と生徒、歩道橋の上の舌戦

路地裏で対峙する二人。怨馬は、驚きと混乱に満ちた楽羽雪(ゆき)に、静かに語りかけます。

「行き先は決まってんだろ」地獄の教師の目的

怨馬は、自らがE組の担任教師であることを明かします 。そして、「少し歩こうか」と促し、二人は夜の歩道橋へと移動します。彼が「拐う」とまで言って彼女を連れて行きたい場所、その行き先はただ一つでした。「E組の教室にある ひとつ空いた「席」さ……」 。

「学校に行く気はない」夢を追う少女の決意

怨馬の目的が、自分を学校に連れ戻すことだと理解したゆき 。しかし、彼女はきっぱりと拒絶します。「せっかく来てくれて悪いけど 私 学校に行く気はない!!」 。彼女には、学校の授業よりも大切なことがあるのです。それは、シンガーソングライターになるという、幼い頃からの夢でした 。

彼女の情熱に火をつけたのは、去年の年末にテレビで見た現役高校生のアーティストでした 。その圧倒的なパフォーマンスと成功を目の当たりにし、強い憧れと同時に「負けたくない」という競争心を抱いたのです 。今の自分にできることは、たくさんの曲を作って、一人でも多くの人に聴いてもらうこと 。彼女にとって、学校へ行くことは「時間の無駄としか思えない…!!!」 と、熱く訴えます。

情熱を砕く、悪魔の正論

夢を語るゆきの情熱。しかし、怨馬が彼女に投げかけたのは、あまりにも冷酷で、的確な言葉でした。

「ただのオナニーだったけどな」全否定される”歌”

一通り彼女の話を聞き終えた怨馬は、ただ一言、「未熟いな」 と切り捨てます。彼は、ゆきのSNS動画も、先ほどの路上ライブも既に見ていたのです 。そして、彼女の情熱と努力の結晶である「歌」を、こう表現しました。

あれが「歌」か? 俺から見たらただのオナニーだったけどな…

あまりの暴言に、ゆきは絶句します。再生回数やコメント、路上ライブに集まった人々を見ただろうと反論しますが 、怨馬の言葉は止まりません。

「可愛いからだ」暴かれる人気の真相

怨馬は、ゆきの人気が決して彼女の「歌」によるものではないと、厳しい現実を突きつけます。「分かってねぇのはてめぇだ…!!!!」 。彼は、動画のコメントも路上ライブの客も、そのほとんどが「「男」ばっかじゃねぇか…!!!!」 と指摘します。

人々が集まる理由、それは「それをお前が可愛いからだ

つまり、人々は彼女の音楽、すなわち「耳」で楽しむものではなく、そのルックス、「眼」で人々を楽しませてるだけだ」 と、容赦なく断罪するのでした。

交渉決裂?新たな火種

地獄の教師による情け容赦ない言葉の刃。しかし、それによって少女の心には新たな炎が灯ります。

「逆に先生の授業にちょっと興味出てきたわ」

ゆきは、「私の『歌』が好きだって言ってくれた小さい子供だっている…!!」 と必死に食い下がります。しかし怨馬は、「薄っぺらい歌詞がお子様には丁度いいのさ…」 と、どこまでも冷酷です。

完全に論破され、怒りに震えるゆき。しかし、彼女はその悔しさをバネに、こう言い放ちました。「逆に先生の授業にちょっと興味出てきたわ…!!!」 。その挑戦的な言葉に、怨馬は「いつでも大歓迎だ」 と不敵な笑みを浮かべます。

「学校なんて絶対行かない!」

しかし、怨馬に背を向け歩き出したゆきの本心は、全く逆のものでした。「最低の教師じゃん」「あんな奴が担任ならなおさら…」「学校なんて絶対行かない!」 。怨馬の言葉は、彼女の反骨心に火をつけはしたものの、登校させるという目的は果たせていないように見えました。

まとめ【閻魔の教室】第7話を読んだ感想(ネタバレあり)

第7話は、タイトル「情熱は盲目」が胸に突き刺さる、非常に考えさせられる回でした。夢に向かってひたむきに努力するゆきちゃんの姿は応援したくなりますが、怨馬先生の指摘は、あまりにも的確で、残酷なまでに「正論」でした。

アーティストの作品を「オナニー」と表現するのは教師として最低の暴言です。しかし、「人気があること」と「実力があること」は必ずしもイコールではない、という現実は、クリエイティブな世界を目指す者なら誰もが一度は直面する壁ではないでしょうか。怨馬先生は、彼女の情熱を否定したのではなく、その情熱が向かう先が本当に正しいのか、一度立ち止まって自分の実力を見つめ直せ、と伝えたかったのかもしれません。

そして、打ちのめされながらも「逆に授業に興味出てきたわ」と言い返すゆきちゃんの負けん気の強さも最高でした。彼女のプライドと反骨心が、このままでは終わらないことを予感させます。

一見、今回の説得は失敗に終わったかのように見えます。しかし、怨馬先生は確実にゆきちゃんの心に「疑念」という種を植え付けました。彼女が自分の音楽と本当の意味で向き合うとき、その種はどのように芽吹くのでしょうか。地獄の教師の次なる一手が、今から楽しみでなりません。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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