【閻魔の教室】8話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

【閻魔の教室】第8話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、担任教師である怨馬から「お前の歌はオナニーだ」という痛烈な批判を浴びせられた楽羽雪(ゆき)。しかし彼女は、その言葉に反発し、より一層学校へ行かない決意を固めてしまいました。第8話のタイトルは「スカウト」。夢を追う少女の前に、ついに一筋の光が差し込むかのように見えましたが、その光には毒が隠されていました。

夢と現実の狭間で、すれ違う親子の想い

怨馬との対決を終え、深夜に帰宅したゆきを待っていたのは、心配する両親との気まずい空気でした。

「高校卒業までは」親の切実な願い

「何時だと思ってるんだ…!!!」と娘の帰宅時間を咎める父 。親子ゲンカは、すぐに不登校の問題へと発展します。ゆきは「自分のお金は自分で稼ぐから」と学費の心配は要らないと主張しますが、両親が案じているのはお金のことではありませんでした 。彼らは、学業と夢を両立させ、せめて高校だけは卒業してほしいと切に願っているのです

「私の進む道を遮ってくる」少女の孤独

しかし、ゆきの情熱は止まりません。「それじゃ遅いの!!」と、プロの世界で戦うためには、学校に通う時間すら惜しいと訴えます 。そして、「本当に私のことを思ってるなら ただ信じて見守ってて欲しい……!!!」と涙ながらに懇願しました 。この言葉に、父は「それこそただの育児放棄だろ」と激昂し、話し合いは決裂 。自室に戻ったゆきは、SNSに溢れるファンからの応援コメントを眺めながら、自分の道を阻むのは身近な大人たちだけだと、孤独感を深めるのでした 。

一筋の光?現れた芸能スカウト

両親にも、そして新しい担任にも理解されない。そんな孤立無援の彼女の前に、ついに転機が訪れます。

「あなたは必ず売れます!!」

路上ライブの後、一人の男がゆきに声をかけます。男は岡田と名乗り、芸能事務所「ドリーム」のスカウトだと名刺を差し出しました 。彼はゆきのパフォーマンスに「ビビッときましたね」と絶賛し、彼女を「まさにダイヤの原石」と称えます 。そして、力強くこう宣言するのでした。

ゆきぽんさん… あなたは必ず売れます!!!!

「やっぱり間違ってなかったんだ…!!」

待ち望んでいた芸能関係者からのスカウト 。ゆきの心は、喜びと興奮で満たされます。「ついに来た…!!!」と、これまでの苦労が報われた瞬間でした 。これでプロデビューが決まれば、親も学校も、そしてあの嫌味な教師も、自分の生き方を認めてくれるはずだ、と彼女は確信するのです

甘い言葉に隠された罠

後日、ゆきは岡田に呼び出され、喫茶店で会うことになります。夢への第一歩だと、胸をときめかせる彼女でしたが…。

「仕事の話をしてもいいかな?」

岡田は早速「仕事の話」を切り出します 。彼は、自分たちの事務所が毎月出しているという雑誌をゆきに見せました 。そして、「ゆきぽんさんのビジュアルなら ばっちりだよ!!!!!」と、彼女のルックスを褒め称えます 。

差し出された雑誌、その正体は…

しかし、ゆきがその雑誌に目を通した瞬間、彼女の表情は凍りつきます。それは音楽雑誌などではなく、若い女性のグラビアが掲載された雑誌だったのです。岡田が評価していたのは、彼女の「歌」ではなく、その「ビジュアル」。まさに、怨馬が指摘した通りの現実でした。 「光に虫は寄ってくる。その虫が毒を持っていようとも。」という不穏なナレーションと共に、ゆきは甘い罠の正体に気づかされるのでした 。

まとめ【閻魔の教室】第8話を読んだ感想(ネタバレあり)

第8話は、夢を追う少女の希望と絶望が、ジェットコースターのように描かれた回でした。特に、ゆきちゃんとご両親との口論は、読んでいて胸が痛みました。娘の将来を案じる親心と、一刻も早く夢を叶えたいと焦る子供の気持ち。どちらも間違っていないからこそ、そのすれ違いが非常に切なく、リアルに感じられます。

そんな中での「スカウト」という展開は、まさに一筋の光明でした。頑張りが認められた瞬間の、ゆきちゃんの純粋な喜びには、読んでいるこちらも心から「良かったね!」と思ってしまいました。このままトントン拍子にデビューが決まるのだと、誰もが信じたはずです。

だからこそ、ラストのどんでん返しはあまりにも残酷でした。スカウトマンが評価していたのは、彼女が命を懸けている「音楽」ではなく、その「ルックス」だった。これは、前回、怨馬先生が「お前が可愛いからだ」「「眼」で人々を楽しませてるだけだ」と指摘した、彼女が最も認めたくなかった事実そのものです。あの時、ただの暴言だと思っていた怨馬先生の言葉が、実は的確な忠告だったのだと、ゆきちゃん自身も、そして私たち読者も、思い知らされることになりました。

甘い言葉に隠された毒。希望の光だと思ったものが、実は自分を食い物にするための罠だったと知った時、彼女はどうなってしまうのでしょうか。絶望の淵で、彼女は怨馬先生の言葉をどう受け止めるのか。あまりに辛い展開ですが、ここから彼女がどう立ち上がるのか、目が離せません。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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