【203号室】3話あらすじから結末までわかりやすくネタバレ解説!

ずっちー

【203号室】第3話をネタバレありで簡単に解説する

前回、主人公・蓮が想いを寄せる女性・さくらと親しげに話す様子を、隣人の高梨さんが学園祭で目撃するという不穏なラストで幕を閉じました。第3話では、その高梨さんの歪んだ執着が、ついに蓮の日常と大切な人を脅かし始めます。物語は一気に加速し、恐怖は新たな段階へと突入します。

学園祭の後に起きた不審な事件

学園祭の賑わいから一転、蓮たちの周りでは奇妙な事件が起こり始めます。学園祭の翌日から、駅前の駐輪場で

自転車のサドルが手当たり次第に切り裂かれるという、悪質なイタズラが多発していたのです 。そして、その被害はついに蓮の大切な人にも及んでしまいます。

蓮が想いを寄せる小島さくらの自転車も、無残に切り裂かれていたのです 。ショックを受けるさくらを前に、蓮は「バイトがなきゃ帰り送ってあげたいんだけど…」と心配しますが、どうすることもできません 。この陰湿な事件と、学園祭で二人を見ていた高梨さんの存在が、読者の頭の中で不気味に結びついていきます。

絡み合う疑惑、城さんの奇妙な行動

蓮が重い気持ちでアパートに帰宅すると、さらに不可解な光景を目の当たりにします。なんと、201号室の住人である強面の男・城さんが、

高梨さんの部屋である203号室のドアに何か細工をしようとしていたのです

「あの女には関わるなとか言ってたくせに」

以前、蓮にそう忠告してきた城さんの矛盾した行動に、蓮の混乱は深まるばかりです。高梨さんだけでなく、城さんもまた何かを隠しているのではないか。一体どちらがより危険な存在なのか、疑惑はますます濃くなっていくのでした。

高梨さんの暴走と蓮の恐怖

城さんの行動を不審に思った蓮は、帰ってきた高梨さんに対し、良かれと思って「201号の城さんには気をつけてください」と警告します 。しかし、この親切心が、彼女の狂気のスイッチを入れてしまう結果となりました。

蓮の言葉を「私を心配してくれてるの?」と究極にポジティブに誤解した高梨さんは、「うれしい!! ありがとう蓮くん!」と狂喜 。そして、アパート中に響き渡る大声でこう叫び始めたのです。

聞いてくださーい! あけぼの荘の皆さーん! ついに私を白馬の王子様が迎えにきましたぁ!

常軌を逸した彼女の行動に、蓮はただ恐怖で立ち尽くすしかありませんでした。この一件で、彼女の精神的な不安定さは誰の目にも明らかとなります。

ストーカーの正体とさくらの危機

高梨さんの奇行の後、蓮は自分のスマホに届いた通知を見て凍りつきます。それは、さくらからの「帰りにデイパック切られちゃった どうしよう…」というメッセージでした 。しかし、その直後、蓮のスマホには見知らぬ番号から「高梨です さっきはありがとう 大好きよ♡」というLINEが届きます

ここで、恐ろしい事実が繋がります。高梨さんは何らかの方法で蓮の連絡先を入手し、さらにさくらのカバンを切り裂いた上で、彼女のスマホを盗み見ていた可能性が浮上したのです。

蓮は学食でさくらに会い、一連の出来事から「

隣の部屋のおばさんがストーカー?」という結論に至ります 。しかし、さくらは「…でもどうして私を?」と、自分が狙われる理由が分からず戸惑うばかりです

その不安は、すぐに現実のものとなります。大学からの帰り道、さくらはバス停からずっと自分を尾行してくる高梨さんの存在に気づきます 。ついにさくらの家の前まで来た高梨さんは、彼女にこう問い詰めました。

あなた 蓮くんのなんなの?

高梨さんの真のターゲットが、蓮ではなく、彼が親しくするさくらであったことが、この瞬間、明らかになったのです。


まとめ【203号室】第3話を読んだ感想(ネタバレあり)

第3話は、物語の構図が180度ひっくり返る、衝撃的な展開の連続でした。これまで蓮自身に向けられていると思われた高梨さんの執着が、実は彼が想いを寄せるさくらに向けられた、歪んだ嫉妬心であったことが判明し、背筋が凍る思いです。

自転車のサドルやさくらのカバンを切り裂くという陰湿な犯行が、高梨さんの仕業であったことがほぼ確定し、彼女の狂気が具体的な暴力となって現れ始めたことに、新たな恐怖を感じました。そして、城さんの謎の行動も気になります。彼は高梨さんを止めようとしていたのか、それとも別の意図があるのか。彼の真意が見えないことも、物語の緊張感を高めています。

特に印象的だったのは、高梨さんが「白馬の王子様」と叫ぶシーンです。彼女の中で蓮が理想化され、その蓮と親しいさくらが「排除すべき敵」として認識されている。その単純で恐ろしい思考回路が垣間見え、彼女の精神的な危うさを強く感じさせました。

最後の「あなた 蓮くんのなんなの?」というセリフは、この物語の核心を突く一言です。さくらに直接的な危険が迫っていることを明確に示し、読者に最悪の事態を予感させる、これ以上ないほどのクリフハンガーで締めくくられています。さくらの運命は、そして蓮は彼女を守ることができるのか、次話が待ちきれません。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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