【203号室】5話あらすじから結末までわかりやすくネタバレ解説!

ずっちー
前話のおさらい
  • 蓮がさくらを家まで送ることを決意し、初めて二人きりで帰宅します。
  • その道中、201号室の住人である城さんが、二人を静かに尾行していました。
  • さくらが自宅に到着し安堵したのも束の間、リビングのソファには、彼女の母親と談笑しながら座っている高梨さんの姿がありました。
  • 高梨さんはさくらに対し、「おじゃま してます お嬢さん」と不気味な笑みで声をかけ、物語は最悪の状況で幕を閉じました。

【203号室】第5話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、ついにさくらの自宅にまで侵入するという暴挙に出た高梨さん。第5話では、最も安全なはずの家庭内で、彼女の静かな狂気がさくらをじわじわと追い詰めていきます。そして、事態を察した蓮が、ついに反撃の狼煙を上げます。

最悪の茶番とさくらの抵抗

物語は、さくらの家のリビングから始まります。高梨さんは「おサイフを届けてくれた善い人」として、さくらの両親から手厚いもてなしを受けていました 。父親は「わりと美味いんですよここの煎餅」と無邪気に勧め、母親も人の好い笑顔を向けています 。この平和な光景こそが、さくらにとっては地獄そのものでした。

さくらは恐怖に耐えながら、高梨さんに「何しに来たの?」と問いかけます 。しかし、高梨さんは聞こえないふりをし、ただ黙々と煎餅を口に運び続けるだけです 。さくらは、両親に真実を伝えられないもどかしさと、高梨さんの無言の圧力によって、完全に孤立していました。

高梨さんは「おトイレお借りしても?」と言い、席を立ちます 。さくらは「私をこの女と二人きりにするのは…」と必死に父親に目で訴えようとしますが、その必死のSOSが届くことはありませんでした

高梨さんの異常な執着と警告

トイレに向かうと見せかけた高梨さんは、まっすぐにさくらの部屋へと侵入します 。そこで彼女が見つけたのは、蓮とさくらが親しげに写っている学園祭の集合写真。写真の中の二人を憎々しげに見つめる高梨さんの瞳は、嫉妬の炎に燃えていました。

高梨さんが帰る際、何も知らないさくらの両親は「ま…またいつでもいらして下さいね」と声をかけます 。彼女が去った後、母親は「苦手だわあの方…」と本音をこぼしますが、時すでに遅し。高梨さんの目的は、すでに達成された後だったのです

アパートへの帰り道、さくらは勇気を振り絞って高梨さんを追いかけ、「いったい何が目的ですか!?」と問い詰めます 。すると高梨さんは、夜道に静かに、しかしはっきりとこう告げました。

彼にはもう近づかないでね

それは、蓮への異常な執着が生んだ、さくらに対する明確な脅迫でした。

豹変したさくらと蓮の戸惑い

高梨さんからの直接的な脅迫は、さくらの心を完全に恐怖で支配しました。翌日、大学で会った蓮に対し、さくらは「もう送らないでいいから」「本当に大丈夫だから」と、壁を作るように冷たく突き放します

あまりに突然の態度の変化に、蓮は「どうしたんだよさくらちゃん」とひたすら困惑するばかりです 。しかし、恐怖に縛られたさくらは、真実を話すことができず、ただ蓮を遠ざけることしかできませんでした。

狂気のハンバーグと蓮の決意

その頃、高梨さんはゴミだらけの自室で、鼻歌を歌いながらハンバーグを調理していました 。その傍らには、近所で探されているペットの犬「ラブちゃん」の首輪が。彼女が何を使ってハンバーグを作っているのか、想像するだにおぞましい光景が広がります。そして、「おいしいハンバーグができました」「一緒に食べましょう蓮くん♡」と、蓮に送るためのメッセージをスマートフォンに打ち込んでいました 。

一方、さくらの豹変にどうしても納得がいかない蓮は、彼女を追いかけます。

蓮はさくらに「高梨さんの写真」を見せて「この人関係ある?」と尋ねるとさくらは狂気的に発狂するのです。

高梨さんと会った後からさくらの様子がおかしくなったこと、全てが繋がった瞬間でした。事態を悟った蓮は、アパートへと猛然と引き返します。そして、高梨さんの部屋のドアを、怒りに任せて激しく叩きました。「高梨さん 居るんでしょ!?」 。そこに201号室の城さんが現れるのも構わず、蓮はこれまで溜め込んできた想いを、怒りの叫びとしてぶつけます。

さくらちゃんに何をしたんだっ

これまで受け身だった蓮が、大切な人を守るために初めて見せた、力強い反撃の意志でした。

【203号室】第5話を読んだ感想(ネタバレあり)

第5話は、息苦しいほどの心理的圧迫と、最後の最後に訪れたカタルシスが入り混じる、非常に密度の濃い回でした。最も安全な場所であるはずの「家」が、高梨さんによっていとも簡単に恐怖の舞台に変えられてしまったことには、改めて戦慄を覚えます。人の好い両親が、知らず知らずのうちに娘を追い詰める片棒を担がされてしまうという皮肉な状況は、リアリティのある恐怖として胸に突き刺さりました。

高梨さんの脅迫によって、さくらが蓮を遠ざけようとする姿は、見ていて本当に胸が痛みました。しかし、その彼女の必死の抵抗が、逆に蓮の心を奮い立たせ、事態を動かすきっかけになったという展開には、わずかながらも希望を感じさせられます。

そして、何と言ってもラストシーンです。蓮が怒りを爆発させ、高梨さんの部屋のドアを叩く場面は、この物語の大きな転換点だと感じました。これまでただ怯え、困惑するだけだった彼が、初めて見せた攻撃的な行動。彼の怒りが、この膠着した絶望的な状況を打破する一筋の光になるのか、次回の展開から目が離せません。

【203号室】第5話のネタバレまとめ

  • 高梨さんは「財布を届けた善人」を装い、さくらの家に上がり込み、彼女の両親を懐柔します。
  • さくらの部屋に侵入して蓮との関係を探り、帰り際に「彼(蓮)にはもう近づかないでね」と直接的な脅迫を行いました。
  • 恐怖に支配されたさくらは、翌日から蓮を冷たく突き放すようになります。
  • 蓮は、さくらのスマホから高梨さんとの写真を発見し、全てを察して激昂。アパートに戻り、高梨さんに怒りをぶつけました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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