今年も【このライトノベルがすごい2025】の結果が発表されました！

このライトノベルがすごいとは？

「このライトノベルがすごい！」は、ライトノベル愛好者に向けた情報ガイドブックで、宝島社が2005年から毎年発行しています。この書籍は、ライトノベル業界でのトレンドや注目作品を総合的にランキング形式で紹介するもので、多くのファンから信頼を得ています。

特徴的なのは、ただ作品を紹介するだけでなく、「文庫部門」や「単行本・ノベルズ部門」などの形式別ランキングや、「キャラクター部門」「イラストレーター部門」といった独自の視点からも評価している点です。これにより、作品自体の魅力だけでなく、個々のキャラクターやビジュアルの側面についても深掘りすることができます。

さらに、ランキングは専門家だけでなく、読者を含めたアンケート結果をもとに決定されるため、リアルで多角的な評価が反映されています。これにより、「今、本当に面白いライトノベル」を知る手助けをしてくれるでしょう。

加えて、著者インタビューやランキングの詳細な分析も掲載されており、単なるランキング本を超えた読み応えがあります。ライトノベル愛好家だけでなく、ライトノベルに興味を持ち始めた人にとっても、業界全体を知る手がかりとなる一冊です。

■出版社：宝島社
■発売日：2024年11月26日（火）
■ページ数：192ページ
■価格：880円（税込）

文庫部門1〜10位まで

「このライトノベルがすごい！2025」の文庫部門では、話題性と実力を兼ね備えた作品がランキングに名を連ねています。それぞれの魅力と特徴を詳しく解説します。

1位：負けヒロインが多すぎる！

2位：誰が勇者を殺したか

あらすじ

魔王討伐から4年後、王国に平和が訪れた。しかし、英雄の中で唯一、勇者アレス・シュミットだけが帰還しなかった。剣聖レオン・ミュラー、聖女マリア・ローレン、賢者ソロン・バークレイの3人の仲間は、アレスの死を王に報告するが、詳細については口を濁す。
彼らの証言をもとに、王女アレクシアが勇者アレスの真相を探る物語が展開されます。アレスの死の背後には何があったのか。そして、彼を「勇者」として選んだ預言者の目的とは何だったのか。物語は、予想を裏切る真実へと読者を導きます。

ジャンル・刊行情報

• ジャンル：ミステリー、ファンタジー
• 作者：駄犬
• イラスト：toi8
• 刊行状況：2023年9月刊行開始（既刊2巻、2024年11月時点で累計20万部突破）

メディ展開

• コミカライズ：石田あきらによる作画で『カドコミ』にて連載中（2024年8月開始）

受賞歴と実績

• 「次にくるライトノベル大賞2023」文庫部門4位。
• 『このライトノベルがすごい！』2025 文庫部門2位。
• 2024年11月時点でシリーズ累計部数20万部突破、新刊ライトノベルの販売記録を更新。

物語の魅力

1. 哲学的な問いかけ
   「勇者とは何か」というテーマを中心に、人が英雄になる理由や、その過程で失われるものを掘り下げています。勇者制度が個人の意思と社会の期待で成り立つものであると描く点は、従来のファンタジー作品とは一線を画します。
2. ミステリー要素の巧みさ
   物語は、仲間たちの証言をもとに進む「調査形式」で展開されます。各章で語られるエピソードは、一見すると矛盾がないように思えますが、読み進めるうちに微細な違和感が浮かび上がり、最後の真相が明かされたときに全てが繋がります。
3. ファンタジーの枠を超えた人間ドラマ
   キャラクターたちの過去や感情が丁寧に描かれており、彼らがなぜその選択をしたのかを読者が深く理解できる構成になっています。特にアレスのいとこであるザックが抱える苦悩は、多くの読者の心に残るシーンとして語られています。

おすすめポイント

1. 緻密なストーリー構成
   ミステリー好きにはたまらない、計算し尽くされた伏線と回収が魅力です。

2. 新しい視点の勇者像
   単なる強者ではなく、努力と意志の結果として勇者になる姿が新鮮です。

3. 心揺さぶる人間ドラマ
   ファンタジーとしての冒険だけでなく、人間関係の葛藤や成長も楽しめます。

どんな人におすすめか？

• 「勇者×ミステリー×ファンタジー」という新しい切り口を楽しみたい人
• 深いキャラクター心理と緻密な人間ドラマを求める人
• メディアミックス作品やライトノベル市場の最新ヒット作を追いたい人

 

4位：こちら、終末停滞委員会。

あらすじ

世界は密かに滅びつつある。異形の怪物や現象が日常の裏に潜む中、それを停滞させることを目的とした「終末停滞委員会」の少年少女たちが学園生活を送りながら戦い続ける。主人公の言万心葉（ことよろずことは）は、マフィアに利用されていた過去から「普通の青春」に憧れる少年。しかし、入学した学園で待ち受けていたのは、日常とは程遠い銃火と終末の世界だった。強烈な個性を持つ仲間たちとの共同生活を通じ、心葉は青春を模索しながら戦場へと身を投じていく。

ジャンル・刊行情報

• ジャンル：学園バトル、終末SF、青春
• 作者：逢縁奇演
• イラスト：荻pote
• 刊行状況：2024年7月10日発売（既刊1巻）

物語の魅力

1. 終末SFと青春の融合
   滅びゆく世界を舞台にした絶望感と、青春のきらめきを両立させる独特の世界観が特徴。生きる意味を問う哲学的要素も含まれる。
2. 個性的なキャラクターたち
   過去の傷や特殊な能力を持つキャラクターたちが、戦場での連帯感を育む。人間関係の機微が丁寧に描かれている。
3. アクションとコメディの絶妙なバランス
   終末の脅威に立ち向かう迫力ある戦闘シーンと、キャラクター同士の軽快な掛け合いが読者を飽きさせない。

おすすめポイント

1. アクションの爽快感
   本作では、「終末」と呼ばれるいずれ宇宙そのものを滅ぼす事象の総称たちとの戦いが壮大なスケールで描かれます。銃や爆発が飛び交う中、それでもどこかユーモラスな空気が漂う戦闘シーンは圧巻。
2. 青春と絶望のコントラスト
   終末という設定自体は重いものの、キャラクターたちはその現実に悲観せず、青春の一瞬一瞬を全力で生き抜く。この明るさと絶望の絶妙なバランスが、本作の特徴です。
3. 哲学的な要素
   「なぜ終末と戦うのか」という問いが物語の根底にあります。主人公たちが自分自身の理由を見つけるプロセスは、読者に「生きる意味」を考えさせるきっかけを与えます。

どんな人におすすめか？

• アクションと心理描写がバランスよく描かれた物語が好きな方
• SFやダークファンタジーに興味がある方
• 絶望を明るさで跳ね返す青春物語が読みたい方

 

5位：お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件

あらすじ

高校1年生の藤宮周は、公園で雨に濡れる「天使様」こと椎名真昼を見かけ、思わず自分の傘を差し出します。それがきっかけで、真昼は彼の隣人であることが判明。不摂生な生活を送る周の部屋を訪れるようになり、掃除や手料理の差し入れを始める真昼。最初は「天使様」の完璧なイメージに気後れしていた周ですが、やがて彼女の素の姿に触れ、次第に惹かれ合っていきます。二人が不器用ながら心を通わせる様子が、温かくも心に沁みるストーリーを展開します。

ジャンル・刊行情報

• ジャンル：ラブコメ、青春
• 作者：佐伯さん
• イラスト：はねこと
• 刊行状況：2019年6月から刊行中（既刊9巻＋スピンオフ）

メディア展開

• アニメ化：2023年1月～3月放送（第2期制作決定）
• コミカライズ：『マンガUP!』で連載中
• スピンオフ：『after the rain』連載中

評価と受賞歴

• 累計200万部突破
  丁寧なキャラクター造形と感動的なストーリーが口コミで広がり、ライトノベルの中でも圧倒的な売上を記録。

物語の魅力

1. 癒しのラブストーリー
   主人公とヒロインが互いに支え合いながら心を通わせる過程が、読者に温かな感情をもたらします。
2. 丁寧な日常描写
   家庭料理や掃除など、些細な日常の中でキャラクター同士が関係を深めていく描写が印象的です。
3. 人間ドラマの深み
   周の人間不信や真昼の家庭事情など、シリアスな背景を持ちながらも希望に満ちた展開が感動を呼びます。

おすすめポイント

• ラブコメ初心者からベテランまで楽しめる普遍的なテーマ性
• 心が温まる「癒し」要素に加え、シリアスな過去との向き合いも描かれた奥深い物語
• 魅力的なキャラクターが織り成す軽妙な掛け合い

どんな人におすすめか？

• 深いテーマ性が好きな人
• 緻密な世界観を楽しみたい人
• 感情豊かなキャラクターが好きな人

 

6位：白き帝国

あらすじ

異なる種族が争う「葡萄海」の世界。ガトランド王国の第二王子トト・ガトランドは、敵対する黒薔薇騎士団から人質として送られてきた少女アルテミシアと出会います。彼女との交流を通じて見えてくるのは、人間と猫耳族「ミーニャ」の間に横たわる深い溝。トトは「白き国」という理想を掲げるものの、戦争の現実は彼らに過酷な試練を与えます。

ジャンル・刊行情報

• ジャンル：ファンタジー戦記
• 作者：犬村小六
• イラスト： こたろう
• 刊行状況：2024年7月発売

物語の魅力

1. 緻密な世界設定
   葡萄海の文化、政治、戦争を通して描かれるリアルなファンタジー世界。地中海風の舞台が新鮮な感覚を与えます。
2. 種族間の対立と共存のテーマ
   猫耳族ミーニャと人間の間の差別問題がストーリーの軸となり、社会的テーマに深みを与えています。
3. 壮絶な戦闘描写
   犬村小六お得意の戦記描写が際立ちます。空中戦艦による艦隊戦、地上での大軍同士の激突、そして高空を舞う飛行艦隊など、多彩な戦闘シーンが展開されます。
4. 「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の聖珠システム
   『南総里見八犬伝』を彷彿とさせる聖珠の継承が、キャラクターの運命に深く関わります。一見すると強力な力を持つように見える聖珠も、戦争の大局を変えるには及ばない厳しい現実が描かれています。
5. 結末の予兆
   王国滅亡という未来が冒頭で明示される構成。結末が分かっているからこそ、キャラクターたちの日常や交流が読者の心を締め付けます。

おすすめポイント

• 戦争の現実感
  戦争の無慈悲さが徹底的に描かれています。一瞬の均衡の崩れがもたらす蹂躙や、戦争の結果としての差別や偏見が重くのしかかります。
• キャラクター間の感情の交錯
  トトとアルテミシアの淡い恋心、ガガの兄としての責任感、シュシュとラギーの絆など、繊細な感情描写が読者を惹きつけます。
• 読者の想像を掻き立てる構成
  結末が提示されながらも、「白き帝国」という理想がどのように形作られるのか、続きが気にならざるを得ません。

どんな人におすすめか？

• 重厚なファンタジー戦記を楽しみたい人
• 社会的テーマに興味がある人
• 切なくも力強いキャラクター関係が好きな人

 

7位：この物語を君に捧ぐ

あらすじ

「かつて天才小説家と呼ばれた高校生・柊悠人は、過去の挫折から筆を折り、無気力な日々を送っていた。しかし、ある日現れた自称“担当編集者”の後輩・夏目琴葉が彼の人生を揺さぶる。彼女の並外れた情熱と秘密に触れ、悠人は再び物語を書く決意をするが、琴葉が抱える“重大な秘密”が物語を悲劇と感動へと導く――。」
「感動」の代名詞ともいえる一冊。主人公の紡ぐ言葉とその背景にある切ない過去が読者の涙を誘います。特にラストの展開が高く評価され、SNS上でも「読後に胸が締め付けられる」と話題になりました。

ジャンルと刊行情報

• ジャンル：青春感動ストーリー
• 著者：森日向
• イラスト：雪丸ぬん
• レーベル：電撃文庫
• 刊行状況：単巻作品

物語の魅力

1. 深いテーマ性
   「創作」「生きること」「夢」をテーマに、人間関係や自己再生を描く。琴葉が命を懸けて追い求める夢と、それに応える悠人の成長が読者の心を揺さぶる。
2. 綿密な伏線
   物語全体に張り巡らされた伏線が、終盤で鮮やかに回収される。特に琴葉の「病」と「編集者への情熱」の関連性が感動を生む。
3. リアリティあるキャラクター
   主要キャラクターが持つ複雑な背景と感情が、読者に強い共感を呼び起こす。悠人の創作過程も具体的でリアリティを持つ。
4. 秀逸な文章表現
   作者・森日向の洗練された文章が、キャラクターの感情や物語の情景を丁寧に描き出し、読者を引き込む。

おすすめポイント

• 青春の感動を求める読者にぴったり
  挫折と再生、そして絆の深まりを丁寧に描いた本作は、心を動かすストーリーを求める方に最適です。
• 創作に携わるすべての人に刺さるテーマ
  創作の苦悩や喜びをリアルに描いた内容は、物語を愛するすべての人に深い共感を与えます。

どんな人におすすめか？

• 心温まる青春ストーリーを探している人
• 創作や編集に興味がある人
• 感動で涙したい人

 

8位：義妹生活

あらすじ

両親の再婚で突然家族となった浅村悠太と綾瀬沙季。過去の家庭環境から人間関係に慎重な二人は、互いに適切な距離感を保ちながらも次第に心を通わせていく。派手な外見と裏腹に大人びた沙季と、人間不信気味の悠太が、義理の家族として「家族になるとは何か」を模索しながら築く日常が、読者の心を温める。

ジャンルと刊行情報

• 著者：三河ごーすと
• イラスト：Hiten
• ジャンル：日常系ラブコメ、感動系青春ストーリー
• 刊行状況：2021年1月よりMF文庫Jから刊行中

メディア展開

• YouTube：2020年から配信開始。登録者数は現在100万人を超える。
• ノベライズ：書籍版ではYouTube版と異なり、時系列順に描かれる。
• コミカライズ：『少年エースplus』にて連載中。
• アニメ化：2024年7月から9月にテレビアニメが放送された。

評価と受賞歴

• シリーズ累計発行部数：88万部（2024年8月時点）
• 『このライトノベルがすごい！』文庫部門：2022年版7位、2023年版9位
• 次にくるライトノベル大賞2021：総合部門8位、書き下ろし新作部門2位

物語の魅力

1. 繊細な心理描写
   主人公とヒロインが義理の家族という立場を守りながらも、少しずつ心を通わせていく描写が秀逸。「家族とは何か」を丁寧に描き、共感を呼ぶ。
2. リアルで丁寧な日常感
   派手なイベントよりも、日常の些細な出来事に焦点を当てるストーリー展開。特に、食事や家事を通じた二人の交流は温かみがあり、読者に安心感を与える。
3. 個性的なキャラクターたち
   悠太と沙季の関係だけでなく、彼らを取り巻く友人や家族が物語に深みを与えている。特に友和や読売の存在が、ストーリーに軽快なテンポを生む。

おすすめポイント

1. 感動的な日常描写
   派手な恋愛ストーリーではなく、家族としての交流を通じた心の成長が見どころ。
2. リアリティあるキャラクター設定
   登場人物が持つ背景や性格に説得力があり、感情移入しやすい。
3. 多彩なメディア展開
   YouTube、ノベライズ、コミカライズ、アニメと、さまざまな形で作品を楽しめる。

どんな人におすすめか？

• 静かで感動的な青春ストーリーを求めている人。
• 日常系の温かい物語が好きな人。
• 義理の家族や微妙な人間関係に興味がある人。

 

9位：星が果てても君は鳴れ

あらすじ

「もし永遠の音があるとしたら、それは君の形をしている。」
月城一輝（主人公）は、他者の声や機械音が「ノイズ」として耳に入る特異体質を持つ少年。音楽への憧れを抱きながらも、不幸な事故で母親を失い、音楽家の夢も絶たれ、自ら命を絶とうと決意する。
そんな彼の前に現れたのは、未来を視る力を持つ元国民的女優、星宮未幸。彼女の提案で奇妙な同居生活が始まり、二人は「ノイズ」を解消する手段を探す。だが、未幸自身も病気に侵され、余命が限られていることが明らかになる。
未幸のため、一輝と周囲の人々が立ち上げたのは、彼女の歌声を電子の「歌姫」として永遠に遺すプロジェクトだった。別れを前提にしながらも希望を紡ぐその物語は、音楽と愛の力を信じる全ての人に響く。

ジャンルと刊行情報

• 著者: 長山久竜
• イラスト: 咲の字。
• ジャンル: 青春ファンタジー、感動ドラマ

メディア展開

• コミカライズの企画が進行中

評価と受賞歴

• 第30回電撃小説大賞《銀賞》

物語の魅力

1. 音楽と「ノイズ」
   ノイズが比喩するのは現代社会の「生きづらさ」。人工物や他者の影響で疲弊する現代人の心を象徴している。音楽はそれを癒す存在として描かれる。ボーカロイド的存在が重要な役割を果たし、テクノロジーと感情が融合する物語。
2. 死と再生
   未幸の病気や一輝の自殺未遂が物語の核。登場人物たちは「終わり」を前提に生きるが、それを受け入れつつ希望を見出す姿が感動的。
3. 青春と愛
   若者らしい葛藤、友情、恋愛が織り込まれている。特に未幸と一輝の関係は、深い愛情に支えられている。

おすすめポイント

1. 音楽と青春の融合
   音楽を通じて描かれる「音」と「生きる力」の物語が新鮮。
2. 未来を変えたいと願う情熱
   未幸と一輝が、自らの運命を超えようとする姿に心を打たれる。
3. 現代的なテーマ
   ノイズやテクノロジーが象徴する現代社会の苦悩に共感しやすい。

どんな人におすすめか？

• 切ない青春ドラマが好きな人
• 音楽をテーマにした感動的な物語を求めている人
• 「生きる」ことの意味を考えさせられる作品に触れたい人

 

10位：【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう〜けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホほどバズって伝説になってますわ！？〜

あらすじ

高校生でお嬢様系配信者の山田カリン。派手なドレスと紅茶を片手に優雅なスタイルでダンジョン配信を続けているが、視聴者はゼロ。ある日、危険物を使おうとする迷惑系配信者を成敗してしまい、その一部始終が配信に映ることでバズる。
そこから一転、「チンピラお嬢様」としての人気が急上昇。彼女の無自覚な最強ぶりと破天荒な行動が、多くの視聴者を引きつける。ダンジョン攻略と配信文化が交錯する中、カリンは次々と注目を集める冒険を繰り広げる。

ジャンルと刊行情報

• 著者: 赤城大空
• イラスト: 福きつね
• ジャンル: コメディ、現代ファンタジー、配信エンタメ
• 発売日: 2023年10月刊行

物語の魅力

1.  新感覚の「現代ダンジョン配信」設定
   配信文化との融合: ダンジョン探索とYouTube風の動画配信という斬新な組み合わせ。視聴者のコメントが物語に躍動感を加える。
   SNS時代を反映：登録者数や再生回数がリアルな感覚で描かれ、読者の共感を呼ぶ。
2. カリンのキャラクター
   お嬢様×脳筋: 紅茶片手に魔物を豪快に殴り倒すギャップが最高。ドレス姿で物理攻撃が得意という設定がユニーク。
   成長ストーリー: 底辺配信者から人気配信者への成り上がり物語が痛快。
3.  笑いと爽快感
   コメディ要素: お嬢様キャラの皮をかぶったチンピラ行動が笑いを誘う。
   テンポの良さ: ライトでスピーディな展開が「読んでいて楽しい」と好評。

おすすめポイント

1. 現代の読者に刺さる設定
   ダンジョン×配信×SNSというテーマが、若年層やネット文化に親しむ読者にマッチ。
2. 親しみやすいストーリー
   複雑な設定を排し、テンポよく進む物語がライトノベル初心者にも読みやすい。
3. コメディとしての完成度
   見どころは「コメント欄」と「脳筋お嬢様」のギャップ。読者に笑いと元気を届ける作品。

どんな人におすすめか？

• SNSや動画配信文化に親しんでいる人。
• 笑えるラノベが好きな人。
• 現代的な設定のライトノベルを探している人。
• 「おハーブ生える」お嬢様の冒険を、ぜひ楽しんでみてください！

単行本・ノベルズ部門1〜10位まで

1位：魔導具師ダリヤはうつむかない～今日から自由な職人ライフ～

あらすじ

異世界のオルディネ王国で魔導具師として働くダリヤ・ロセッティは、結婚前日に婚約者から一方的に婚約破棄を告げられる。失意の中、彼女は「もう、うつむかない」と決意し、独立して自分の商会を立ち上げる。過去の知識を活かしながら新たな魔導具を生み出し、仲間や友人との絆を深めていく中で、働くことの喜びを見出していく。王国騎士団の「赤鎧」ヴォルフレードとの出会いを通じ、人生を前向きに進む彼女の物語が展開される。

ジャンルと刊行情報

• ジャンル: 異世界ファンタジー、職業スローライフ、成長物語
• 連載開始: 2018年4月1日（小説家になろう）
• 書籍版: MFブックス（KADOKAWA）より2018年10月刊行
• シリーズ累計部数: 375万部（2024年7月時点）

メディア展開

• コミカライズ
  『月刊コンプエース』（2巻で打ち切り）
  『MAGCOMI』（現在『月刊コミックガーデン』に移籍）
  『魔導具師ダリヤはうつむかない〜王立高等学院編〜』（FWコミックスオルタ）
• スピンオフ:
  『服飾師ルチアはあきらめない 〜今日から始める幸服計画〜』（書籍版、コミカライズともに展開）
• アニメ 2024年7月～9月放送

評価と受賞歴

• 『このライトノベルがすごい！』
  2021年版・2022年版: 単行本・ノベルス部門 9位
  2023年版: 同部門 2位
  2025年版: 1位
• 次にくるライトノベル大賞
  スピンオフ作品で書き下ろし新作部門9位（2021年）

物語の魅力

1. 「働くことの喜び」を描く職業ものファンタジー
   異世界に現代の知識を応用し、ユニークな魔導具を次々と生み出すプロセスが新鮮。
   手に職を持ち、自立した女性像を描いた点が評価される。
2. 前向きな成長と人間関係の構築
   ダリヤが自らの弱さを克服し、仲間や友人と絆を育む姿が感動を呼ぶ。
3. リアリティのある設定と緻密な描写
   魔導具開発や商会運営が具体的に描かれており、物語に説得力を持たせている。

おすすめポイント

1. 異世界ファンタジーながら、リアルな「働く」感覚を共有できる。
2. 登場人物が多面的に描かれており、それぞれの成長や個性が物語を深めている。
3. スローライフ的な癒しと、前向きな人生観が同時に楽しめる。

どんな人におすすめか？

• 異世界ファンタジーや転生ものが好きな人。
• 「働くこと」「ものづくり」に興味がある人。
• スローライフや心温まる物語を求める読者。
• 挫折を乗り越え、自立していく主人公に共感できる人。

 

2位：転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す

3位：悪役令嬢は溺愛ルートに入りました！？

あらすじ

前世でアラサー喪女だったルチアーナは、乙女ゲームの悪役令嬢として転生。断罪イベントを避けるため目立たない生活を目指すが、美貌や貴族の地位、さらに「世界樹の魔法使い」という唯一無二の才能が次々と露わになり、多くの人物が彼女に惹かれてしまう。自身の運命に翻弄されながらも奮闘するルチアーナの成長と恋愛を描いた物語。

ジャンルと刊行情報

• ジャンル: 異世界転生、悪役令嬢、ラブコメディ
• 刊行情報: 原作は「小説家になろう」で連載され、SQEXノベルから書籍化。2024年時点で8巻まで刊行中。コミカライズ版も進行中。

メディア展開

• コミカライズ: ガンガンコミックスUP!にて連載中（2024年現在、5巻）。

物語の魅力

1. 個性豊かなキャラクター: 主人公ルチアーナの自分を変えようとする努力が共感を呼び、読者を惹きつける。
2. ファンタジー要素の新規性: 「世界樹の魔法使い」としての設定や、ゲーム世界での展開が物語に深みを与える。
3. ユーモアとロマンス: 転生者特有の現代的な感覚が、笑いと胸キュンを生み出す。

おすすめポイント

1. 乙女ゲーム好きにはたまらない「悪役令嬢」ジャンル。
2. 転生者の視点からの逆境克服と成長物語。
3. ファンタジー世界と現代的価値観の絶妙な融合。

どんな人におすすめか？

• 異世界転生や悪役令嬢ジャンルが好きな人。
• コメディとロマンスを楽しみたい人。
• 転生先で新たな人生を築く主人公に共感したい人。

 

4位：魔法使いの引っ越し屋

5位：恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。

あらすじ

元伯爵令嬢ウィステリアは、妹の命を救うために異界《未明の地》の番人となり、孤独な日々を送っていた。瘴気に満ちた地で時が止まった彼女は、23年後、かつての初恋相手に似た青年ロイドと出会う。彼は初恋の相手・ブライトの息子であり、聖剣サルティスを求めてやって来た。彼女はロイドを退けようとするが、彼の熱意にほだされ弟子として受け入れる。傲慢ながらも天才的な才能を持つロイドとの師弟関係が始まり、孤独だった彼女の時間が再び動き出す。これは孤独な元令嬢と天才貴公子が紡ぐ、師弟恋愛ファンタジー。

ジャンルと刊行情報

• ジャンル: 恋愛ファンタジー、師弟関係、異世界
• 刊行情報
  • 小説投稿サイト「小説家になろう」で連載（2020年～2022年）。
  • 書籍版はTOブックスより刊行中（2021年～）。

メディア展開

• コミカライズ: 家守まきによる作画で『コロナEX』にて連載中。英語翻訳版も展開。
• ドラマCD: 2024年8月1日に発売。ファイルーズあい、宮崎遊など豪華声優陣が参加。
• オーディオブック: Audibleで配信中。
• その他: キャラクター設定集や書き下ろし短編も収録。

評価と受賞歴

• 「次にくるライトノベル大賞2021」総合部門12位、WEB発単行本部門7位。
• 『このライトノベルがすごい！』2024年版で単行本部門1位を獲得。
• シリーズ累計部数は70万部を突破（2024年9月時点）。

物語の魅力

1. 孤独と再生
   妹の代わりに生贄となったウィステリアの孤独な日々と、ロイドとの出会いによる変化が繊細に描かれる。
2. 強いキャラクター性
   時が止まった女性と、初恋の面影を持つ青年という対照的なキャラクターが絡み合う。
3. ファンタジーと恋愛の融合:
   聖剣、異界、魔法といったファンタジー要素が、深い感情描写とともに展開。
4. 重厚な背景設定
   瘴気に満ちた異界、神話的な聖剣、複雑な人間関係が物語に深みを与えている。

おすすめポイント

1. 切ない恋愛模様
   初恋の成就とは異なる、深い情愛と成長が描かれる。
2. 独特な世界観
   異界《未明の地》や喋る聖剣サルティスといった個性的な設定が魅力。
3. 師弟関係の面白さ
   ウィステリアとロイドの掛け合いが軽妙で心温まる。

どんな人におすすめか？

• 切ない恋愛ストーリーが好きな人。
• 師弟関係や成長物語に興味がある人。
• ファンタジー要素のある情感豊かな物語を求めている人。
• 丁寧なキャラクター描写や重厚な世界観に惹かれる人。

 

6位：嘆きの亡霊は引退したい ～最弱ハンターによる最強パーティ育成術～

あらすじ

剣と魔法の世界「トレジャーハンター黄金時代」を舞台に、史上最年少のレベル8ハンターである主人公クライ・アンドリヒの物語。圧倒的な情報分析力と未来予測能力を持ちながら、彼が目指すのは平穏な引退生活。しかし、彼の奇想天外な行動が周囲を次々と巻き込む「千の試練」を引き起こし、伝説的な冒険が繰り広げられる。

ジャンルと刊行情報

• ジャンル：異世界ファンタジー、ライトノベル
• 原作：槻影
• 連載開始：2018年1月（小説家になろう）
• 書籍化：2018年8月（GCノベルズ）
• イラスト：チーコ
• 累計発行部数：150万部突破（2024年9月時点）

メディア展開

• コミカライズ：2019年4月から『カドコミ』で連載中。
• アニメ化：2024年に放送予定。

評価と受賞歴

• 累計150万部突破と高い売上。
• 読者からは個性的なキャラクターと予測不可能な展開が評価される。

物語の魅力

1. 個性的なキャラクターたち
   主人公クライを中心に、天才的能力を持つリィズ、シトリー、アンセムら多彩な仲間たち。
2. ユニークな主人公
   無能を自称しながら、他者を成長させる采配力が光る。
3. 多層的なストーリー
   剣と魔法、宝物殿攻略、仲間の絆が複雑に絡み合う。

おすすめポイント

1. コメディとシリアスの絶妙なバランス。
2. 圧倒的な伏線回収と意外な展開。
3. ファンタジー好きにも、ライトノベル初心者にも親しみやすい文体。

どんな人におすすめか？

• 異世界ファンタジーを堪能したい方。
• 個性的なキャラクターの群像劇が好きな方。
• 笑いと感動が交錯する物語を楽しみたい方。

 

7位：ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する

あらすじ

7回の人生を繰り返す悪役令嬢リーシェは、婚約破棄から始まる運命を何度も経験していた。7回目の人生では、死因となる戦争の元凶である元敵国の皇太子アルノルトに出会い、彼の求婚を受け入れる。彼の真意を探りつつ、リーシェは平穏な生活を目指して新たな人生に挑む。培った多彩なスキルを駆使して、運命を切り開く物語。

ジャンルと刊行情報

• ジャンル：異世界ファンタジー、恋愛、ループもの
• 刊行：オーバーラップノベルスfより2020年10月刊行開始（既刊6巻、2023年12月現在）

メディア展開

• アニメ化：2024年1月～3月に放送。制作はスタジオKAI×HORNETS。
• コミカライズ：木乃ひのき作画、コミックガルドにて2020年12月より連載中（既刊7巻、2024年10月現在）
• シリーズ累計部数：2024年10月時点で電子版を含む累計180万部を突破。

評価と受賞歴

• 次にくるライトノベル大賞2021：総合部門1位、WEB発単行本部門1位
• このライトノベルがすごい！2024
  単行本・ノベルス部門5位
  女性キャラクター部門7位（リーシェ）

物語の魅力

1. ループ設定の奥深さ
   7回の人生を繰り返し、多様なスキルと経験を活かすストーリーが新鮮。
2. ユニークなヒロイン像
   苦境でも明るく前向きなリーシェの姿が読者を魅了。
3. 多彩なキャラクター
   皇太子アルノルトをはじめ、個性豊かな登場人物との掛け合いが楽しい。
4. 恋愛と政治の融合
   恋愛模様だけでなく、戦争や政治の駆け引きも描かれる深いストーリー。

おすすめポイント

1. ループ経験を活かした異色のストーリー展開
2. 自由を追い求めるヒロインの痛快さ
3. シリアスとコメディの絶妙なバランス
4. 圧倒的なスキルと知識で困難を乗り越えるカタルシス

どんな人におすすめか？

• 異世界ファンタジーやループものが好きな人
• 強く明るい女性主人公の物語に惹かれる人
• コメディ要素とシリアスなストーリーの両方を楽しみたい人
• 登場人物同士の駆け引きや恋愛模様を味わいたい人

 

8位：引きこもりVTuberは伝えたい

あらすじ

引きこもりで対人恐怖症の少女が、VTuberとして新たな一歩を踏み出す再起の物語。彼女が配信を通じて見せるのは、過去のトラウマを抱えながらもリスナーを笑わせ、楽しませる全力の劇場型エンターテイメント。自身の再生とリスナーとの交流を描いた感動と笑いのストーリー。

ジャンルと刊行情報

• ジャンル: 現代ドラマ、エンターテイメント、小説
• 刊行情報: 電撃の新文芸から刊行、現在2巻まで発行中（2024年7月時点）。
• 著者: めぐすり
• イラスト: popman3580

物語の魅力

1. テーマの新しさ:
   現代的なVTuber文化を取り入れ、引きこもりという社会問題を深掘り。
2. キャラクターの奥深さ:
   主人公の過去やトラウマが丁寧に描かれ、共感を呼ぶストーリー。
3. エンターテイメント性:
   シリアスなテーマを扱いつつも、コメディや笑いの要素を織り交ぜた軽快な描写。
4. 感動と笑いの融合
   真宵アリスの成長や葛藤に心を打たれつつ、配信エピソードに爆笑。

おすすめポイント

1. 過去を乗り越えようとする主人公のひたむきさと勇気に感動。
2. VTuberの配信描写が、リアルかつユーモアたっぷりで楽しめる。
3. キャラクター同士の軽快なやり取りがテンポ良く、読者を飽きさせない。
4. シリアスなテーマを扱いながらも、全体としてポジティブなメッセージ性が強い。

どんな人におすすめか？

• VTuber文化に興味がある人:
  現代的な要素を取り入れたストーリーに共感できる。
• 笑いと感動を求める読者:
  シリアスな物語とコメディのバランスが絶妙。
• キャラクターの成長を楽しみたい人
  引きこもりから再起する主人公の姿に感情移入できる。
• エンターテイメント性を重視する人
  配信という設定が活かされ、テンポよく進む物語を楽しみたい方にぴったり。

 

9位：転生したらスライムだった件

あらすじ

現代日本で通り魔に刺されて死んだサラリーマン・三上悟は、異世界でスライムとして転生。スライムでありながらも、暴風竜ヴェルドラや多くの魔物たちと絆を結び、リムル＝テンペストと名乗る。仲間とともに魔国連邦（テンペスト）という理想郷を築き、次々と迫り来る敵や謀略を乗り越えながら国を発展させ、最終的には魔王へと覚醒していく。

ジャンルと刊行情報

• ジャンル: 異世界転生・国家運営・ファンタジー
• 初出: 2013年「小説家になろう」
• 商業展開: 2014年よりGCノベルズ（マイクロマガジン社）から刊行中
• 累計発行部数: 2024年時点で4500万部突破
• メインシリーズの他にスピンオフ作品も多数

メディア展開

1. 漫画
    本編漫画は川上泰樹作画で『月刊少年シリウス』にて連載。
   スピンオフ：『魔物の国の歩き方』、『美食伝』など。
2. アニメ
   第1期（2018-2019年）、第2期（2021年）、第3期（2024年）、第4期制作決定
   スピンオフ『転スラ日記』（2021年）
   劇場版アニメ『紅蓮の絆編』（2022年）ほか。
3. ゲーム
   スマホアプリ「まおりゅう」
   家庭用ゲーム『テンペストストーリーズ』など。
4. 舞台化
   2023年「魔王来襲編」上演。2024年には第2弾も予定。
5. その他コラボ
   リアル脱出ゲーム、謎解きイベント、ひらかたパークなど。

評価と受賞歴

• 「このライトノベルがすごい！」単行本・ノベルズ部門
  2017年版 8位、2018年版 6位、2019年版 5位など
• 第46回講談社漫画賞 少年部門受賞
• 「次にくるマンガ大賞」コミックス部門 5位
• 「AnimaniA Award 2019」Bester Manga International受賞
• 「ピッコマAWARD 2021」TERRA賞受賞

物語の魅力

1. 異世界転生の王道と革新:
   弱小スライムから魔王へと成長する物語が斬新でありながら王道。
2. 国家運営・外交要素:
   魔国連邦という国を作り上げるプロセスがリアルで戦略的。
3. キャラクターの多様性:
   リムルを中心に魅力的な仲間たちが多数登場。友情や絆が物語の核。
4. バランスの良いストーリー:
   シリアスな場面とユーモラスな日常描写が織り交ぜられた展開。

おすすめポイント

1. 成長物語
   弱小スライムから魔王へと成長する主人公リムルの姿が爽快。
2. 国づくり要素
   建国、外交、戦争など幅広いテーマが楽しめる。
3. 多彩なメディア展開
   原作だけでなく、アニメや漫画、ゲームでも世界観を楽しめる。
4. 豊富なキャラクター描写
   一人ひとりのキャラクターに物語があり、多面的に楽しめる。

どんな人におすすめか？

• 異世界転生ものが好きな人
  転生ものとしては王道ながら新しい魅力が詰まっている。
• 建国・国家運営に興味がある人
  国家運営や外交戦略が好きな人にはたまらない展開。
• 多彩なキャラクターを楽しみたい人
  魅力的な仲間たちとの関係性に注目したい人にぴったり。
• 幅広いメディアで楽しみたい人
  漫画やアニメなど、複数の形式で物語を楽しめる。

 

10位：陰の実力者になりたくて！

あらすじ

主人公のシド・カゲノー（影野実）は、幼少期から「陰の実力者」に憧れる中二病的な夢を持つ少年。異世界に転生し、陰で活躍する実力者を演じる「妄想」を基に組織「シャドウガーデン」を設立。しかし、自身の妄想が現実の陰謀と一致してしまい、知らずに世界を揺るがす存在となる。独自の美学と最強の実力で仲間たちと共に暗躍するコメディとシリアスが絡み合う物語。

ジャンルと刊行情報

• ジャンル: ダークファンタジー、コメディ、異世界転生
• 刊行情報: 小説家になろうで2018年1月に連載開始。書籍版はKADOKAWAより同年11月から刊行中。累計600万部以上（2024年5月時点）。
• イラスト: 東西

メディア展開

• コミカライズ
  『月刊コンプエース』（2019年2月～連載中）
  スピンオフ『しゃどーがいでん』（2019年～2023年）
• アニメ
  第1期（2022年10月～2023年2月）
  第2期（2023年10月～12月）
• 劇場版『残響編』制作決定
• スマホゲーム『マスターオブガーデン』

評価と受賞歴

• ラノベ好き書店員大賞2019文庫部門：3位
• このライトノベルがすごい！2020年単行本部門：3位、2024年：7位

物語の魅力

1. 主人公の独特なキャラクター性
   自らをモブと偽りながらも最強の陰の実力者を演じるシドのユーモラスで痛快な行動。
2. 陰と陽のコントラスト
   表の学園生活と裏の暗躍劇が同時進行し、ギャップが楽しめる。
3. コメディとシリアスの絶妙な融合
   過剰演出の自己満足ムーブが現実の陰謀にリンクすることで起きるドタバタ劇。
4. 魅力的な仲間たち
   主人公を慕う個性豊かな部下たち「七陰」やシャドウガーデンの絆。

おすすめポイント

1. 世界観とキャラクターがしっかり描かれた壮大な異世界ファンタジー。
2. 主人公の視点で展開されるギャグと周囲のシリアスな反応の対比が新鮮。
3. アクションシーンの迫力と独自性。

どんな人におすすめか？

• 笑いと緊張感を同時に味わいたい人:
  シドの中二的発言と、それを真剣に受け止める周囲のリアクションが楽しい。
• 異世界転生モノ好きな人:
  独特の切り口で飽きない展開が魅力。
• 個性的な主人公が好きな人:
  強さと狂気を兼ね備えたシドのキャラクター性に引き込まれる。
• アクションや戦闘シーンが好きな人:
  魔力や武術の描写が魅力的。
• 仲間との絆を重視する物語を求める人:
  シャドウガーデンの仲間たちの忠誠心や物語の関係性も楽しめる。

このライトノベルがすごい 殿堂入り作品

2024年現在、以下の7作品が殿堂入り（ランキング対象外）となっている。

1. やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。（渡航）

累計発行部数1,200万部を突破し、2017年までに3年連続で文庫部門1位を獲得した名作。通称「俺ガイル」として親しまれ、主人公比企谷八幡の独自の視点と高校生活の人間関係を描いた物語は、青春小説の新たなスタンダードを確立しました。アニメ化も成功を収め、全3シーズンが制作されるなど、メディアミックス展開の象徴ともいえる作品です。

2. ソードアート・オンライン（川原礫）

「VRMMORPG」を舞台にした革新的な設定で、全世界累計発行部数3,000万部を超える超人気シリーズ。異世界転移とゲーム要素を融合させたストーリーは、ライトノベルの可能性を広げました。アニメシリーズも複数展開され、映画版『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ-』はシリーズを新たな視点で描き直し、高い評価を得ています。

3. とある魔術の禁書目録シリーズ（鎌池和馬）

2004年に第1巻が刊行され、2023年現在もシリーズが続くロングセラー。科学と魔術が交錯する壮大な世界観で、スピンオフ作品『とある科学の超電磁砲』や『とある科学の一方通行』も大きな人気を博しています。シリーズ累計発行部数は3,100万部を突破し、今なお根強い支持を受けています。

4. りゅうおうのおしごと！（白鳥士郎）

将棋をテーマにした作品として異例の成功を収めたシリーズ。主人公九頭竜八一と天才少女・雛鶴あいの師弟関係を描き、将棋という専門性の高い題材とキャラクターの感情描写が絶妙にマッチしています。アニメ化も実現し、将棋ファン以外にも広く支持を獲得しました。

5. 千歳くんはラムネ瓶のなか（裕夢）

いわゆる「リア充系主人公」の視点から描かれる青春群像劇で、多くのライトノベルに見られるステレオタイプを刷新しました。新たな読者層を取り込むことに成功し、2021年に殿堂入り。テーマ性の深さと文学性の高さが、同作の特徴として挙げられます。

6. ようこそ実力至上主義の教室へ（衣笠彰梧）

「高度育成高等学校」を舞台に、人間関係や戦略的な駆け引きを中心に描いた異色の学園もの。主人公綾小路清隆の冷静沈着な性格や意外性のあるストーリー展開が魅力です。シリーズ累計発行部数は850万部を突破し、国内外で高い人気を誇ります。

7. 本好きの下剋上（香月美夜）

異世界転生ものの新たな代表作であり、紙が貴重な世界に転生した本好きの少女が、図書を求めて奮闘する物語。原作は小説投稿サイト「小説家になろう」から書籍化され、シリーズ累計発行部数は700万部を突破。アニメ化も成功を収め、ライトノベルファンのみならず幅広い層に支持されています。

殿堂入り作品の意義

殿堂入りは、その作品が一定の期間にわたって不動の人気を維持してきた証です。この制度は新しい作品が注目されるきっかけを作る一方、読者にとっては殿堂入り作品が「失敗しない選択肢」として位置付けられています。それぞれの作品が持つ独自性と圧倒的な支持は、ライトノベルが文学としてもエンターテインメントとしても成長を遂げてきた象徴と言えるでしょう。

このライトノベルがすごい2025 キャラクター部門

男性キャラクター部門

1位：温水和彦（『負けヒロインが多すぎる！』）

今年の文庫部門1位にも輝いた『負けヒロインが多すぎる！』の主人公、温水和彦が堂々の1位を獲得しました。和彦は「負けヒロイン」を応援し続ける熱血で心優しいキャラクターでありながら、その行動にはどこか滑稽さとリアリティがあります。この作品では、彼の献身的な態度やユーモアあふれる言動がストーリーを動かし、読者に「こんな主人公は初めて」と言わしめるほどの新鮮な印象を与えました。特にヒロインたちとのやり取りが魅力的で、和彦自身の成長物語としても秀逸です。

2位：久世政近（『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』）

2位にランクインしたのは、『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』の久世政近。政近は冷静沈着でありながら、適度なユーモアを持つバランスの取れたキャラクターです。特に、ヒロインであるアーリャとの繊細な掛け合いが際立ち、物語に温かみを加えています。彼が見せる控えめな優しさや、何気ない一言に滲む思いやりは多くの読者を惹きつけました。また、アーリャのロシア語のデレを理解しないふりをしながら、心の中で感情を隠している場面が印象的で、「気づかない系男子」の新たな形を示しています。

3位：藤宮周（『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』）

3位に入った藤宮周は、『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』の主人公で、読者に共感を与える等身大のキャラクターとして支持されています。周は一見すると平凡な高校生ですが、彼の優しさと内向的な性格がヒロインである真昼との関係をゆっくりと育み、読者を引き込む要因となっています。特に、真昼に対するさりげない気配りや、彼女との距離感を慎重に保とうとする姿がリアルで感動的です。また、物語が進むにつれて成長する彼の姿は、多くの読者に勇気を与えるものでした。

女性キャラクター部門

1位：椎名真昼（『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』）

椎名真昼が女性キャラクター部門1位を獲得したのは、彼女が象徴する「完璧な天使像」にあります。真昼はその容姿端麗さだけでなく、家事能力の高さや献身的な性格によって、藤宮周だけでなく多くの読者に癒しを与える存在です。彼女の人気の要因のひとつは、物語の中で見せるささやかな弱さ。完璧に見える彼女が抱える孤独感や、周との交流を通じて人間味を増していく描写が、多くの共感を集めました。

2位：八奈見杏菜（『負けヒロインが多すぎる！』）

八奈見杏菜は、「負けヒロイン」という役割から脱却しようと奮闘する姿が印象的です。彼女のキャラクターは、ライトノベル業界でしばしば脇役に甘んじる存在に光を当てています。杏菜の直向きさや、主人公・温水和彦に向ける真っ直ぐな想いは、読者に感情移入を促します。彼女の葛藤や成長は、単なる恋愛要素に留まらず、自己肯定感をテーマにした深い物語としても評価されています。

3位：アーリャ（『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』）

アーリャは、その異国情緒あふれるキャラクター設定が最大の魅力です。ロシア語でデレるというユニークなギミックが物語を彩り、彼女の可愛らしさと奥深さを際立たせています。久世政近との関係性は、シンプルなラブストーリーを超えた文化的な背景を感じさせ、彼女の内面の複雑さが読者に強い印象を残しました。特に、ロシア語が分かる読者にとっては、彼女の台詞が特別な意味を持つ点が魅力です。

4位：ダリヤ（『魔導具師ダリヤはうつむかない～今日から自由な職人ライフ～』）

4位にランクインしたダリヤは、職人としての自立心と人間的な温かみが特徴です。彼女は、魔導具師という専門職のリアルな描写を通じて、物語をより深いものにしています。読者は、彼女が困難に直面しながらも諦めず、少しずつキャリアを築いていく姿に共感と感動を覚えます。また、恋愛や友情を描いたエピソードも彼女の魅力を引き立てています。

5位：周防有希（『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』）

周防有希は、物語においてアーリャの対比としての役割を果たしています。彼女の快活で親しみやすい性格は、作品の中で明るい雰囲気を作り出し、読者に親近感を抱かせます。有希のエピソードでは、友情や日常の温かさが強調されており、彼女の存在が作品全体にバランスを与えている点が特筆されます。

イラストレーター部門

1位：いみぎむる（『負けヒロインが多すぎる！』）

堂々の1位に輝いたいみぎむる氏は、繊細なキャラクターデザインと鮮やかな色彩表現で高い評価を受けています。『負けヒロインが多すぎる！』では、多くの登場キャラクターの感情や関係性をイラストで的確に伝え、読者にその世界観を深く印象づけました。キャラクターの魅力を最大限に引き出す氏の手腕は、ライトノベルファンの間で絶賛されています。

2位：はねこと（『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』）

はねこと氏の描くキャラクターは、どこか柔らかさと温かみがあり、見る人を癒やします。『お隣の天使様』シリーズでは、ヒロインの椎名真昼の美しさや清楚さを見事に表現し、そのビジュアルはファンの間で多くの話題を呼びました。特に、柔らかなタッチで描かれる背景が物語の雰囲気を一層引き立てています。

3位：ももこ（『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』）

ももこ氏のイラストは、キャラクターの表情に命を吹き込みます。『アーリャさん』では、ヒロインのアーリャのクールさとデレたときのギャップを絶妙に描き分け、読者の心を掴みました。特にロシア語を取り入れたビジュアル演出が話題となり、作品の個性を一層際立たせています。

4位：Hiten（『義妹生活』）

Hiten氏のスタイルは、洗練されたデザインと透明感が特徴です。『義妹生活』では、ヒロインの可憐さと生活感あふれる雰囲気を巧みに描き、物語にリアリティを与えています。特に細部にわたる衣装や小物の描写がリアリティを高め、作品の人気を支えています。

5位：うみぼうず（『探偵はもう、死んでいる。』）

5位のうみぼうず氏は、ダイナミックな構図と大胆な色使いが特徴です。『探偵はもう、死んでいる。』では、ミステリアスな雰囲気と緊張感をイラストで見事に表現し、物語の推理要素をビジュアル面でもサポートしています。特に、主要キャラクターのビジュアルが作品のトーンを象徴する存在となっています。

このライトノベルがすごい 2025 総括と注目ポイント

• ライトノベルランキングとして長年の信頼と支持を得ている
• 文庫部門と単行本・ノベルズ部門に分かれてランキングを発表
• キャラクター部門やイラストレーター部門も独自の評価視点で実施
• 読者アンケートを基にしたリアルな評価を反映している
• 殿堂入り作品の制度が新作の注目を集める機会を提供している
• メディアミックス展開の充実がランクイン作品の特徴
• 現代社会のテーマを取り入れた作品が多い
• 転生や異世界ファンタジーが依然として人気ジャンルである
• キャラクターの成長や人間ドラマを重視した作品が評価される
• 繊細な心理描写や哲学的テーマが特徴の作品が目立つ
• ラブコメディや青春ストーリーがランキングを賑わせる
• メディア展開による知名度向上が受賞理由の一因となる
• イラストの美しさが作品の魅力を増幅させる要因となっている
• シリアスとコメディのバランスが評価基準として重視される
• 読者層の多様化に対応したジャンルの幅広さが注目される