2025.09.05

漫画【セコケチ義妹がすべてを失った話】9話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

前話のおさらい

病院からの帰り道、車中で令美は賢一の煮え切らない態度に激怒し、これまでの不満をすべてぶちまけました。
令美は、加恵から離婚を勧められたこと、そして家を乗っ取るという恐るべき計画があることを賢一に暴露しました。
賢一は、過去に加恵に「恩」を感じていたため強く出られなかったことを告白しました。
令美から「今の家族は誰！？」と鋭く問われた賢一は、ついに過去との決別を決意。「俺の大切な家族は令美たちだけだ」と力強く宣言します。
しかし令美は、その言葉を信じるならば「行動と態度で示せ」と、賢一の今後の具体的な覚悟を問うのでした。

Contents

【セコケチ義妹がすべてを失った話】第9話をネタバレありでわかりやすく解説する
【セコケチ義妹がすべてを失った話】9話を読んだ感想（ネタバレあり）
- 【セコケチ義妹がすべてを失った話】9話のネタバレまとめ

【セコケチ義妹がすべてを失った話】第9話をネタバレありでわかりやすく解説する

夫・賢一に「行動と態度で示しなさいよ！」と覚悟を問うた令美。第9話は、夫婦の絆が試されるこの緊迫した状況から一転、二人の関係の原点を静かに見つめ直し、未来へ向かう決意を固める重要な回となります。

夫を信じること―令美の葛藤と決意

賢一に厳しい言葉を投げかけたものの、令美は心の底では夫を信じたいと願っていました。しかし、加恵という存在が夫の目を曇らせ、自分たちが犠牲になるべき存在だと思わせてしまうのではないかという不安が、彼女の心をよぎります。

もし賢一が自分たち家族を守れないというのなら「離婚…するしかないのかな？」と最悪の事態も覚悟する令美。しかし、同時に彼女の心には強い意志の炎が燃え上がります。「あんなセコくてケチな義妹に絶対負けるもんか…！」。離婚は最終手段であり、まずは家族を守るために、夫と共に戦うことを決意するのでした。

賢一からの問い「どうして俺と結婚しようと？」

その夜、娘が寝静まった後、賢一は少し気まずそうに、しかし真剣な面持ちで令美に不意の質問を投げかけます。

「令美はどうして俺と結婚しようと思ったの？」

加恵から「金目当て」と侮辱されたことが、彼の心に重くのしかかっていたのかもしれません。出会った頃の自分は極度のコミュニケーション障害で、無職に近く、金銭的にも魅力的ではなかったはずだ、と彼は自嘲気味に語ります。

令美が賢一に本当に惹かれた理由

その問いに、令美は二人が出会った当初を穏やかに思い返します。確かに、賢一は最初は全く喋らず、目も合わせてくれないような青年でした。

しかし、一度自分の専門分野である研究の話になると、彼はまるで別人のように目をキラキラさせ、情熱的に、そして分かりやすく語り始めたのです。その姿を見た時、令美はこう感じました。

「この人は『好き』を仕事にできた人なんだ」。

彼女が選んだのは、目先の経済力や社交性ではありませんでした。一つのことに情熱を注ぎ、努力できる賢一の人間性、その「本当の姿」に強く惹かれたのでした。

夫婦の絆の再確認

令美は「私は専業主婦願望がなかったから、私も働けば生活していけると思ってた」と続けます。目標に向かって努力できる尊敬できる部分があったからこそ、彼女は賢一を人生のパートナーとして選んだのです。

この静かな夜の会話を通じて、二人は互いへの変わらぬ愛情と尊敬の念を再確認します。それは、加恵によって深く傷つけられた賢一の心を、令美自身の言葉が優しく癒していく時間でもありました。

「自分の手で守る！」―令美、反撃へ

夫との絆を再確認し、心が満たされた令美は、もう彼にすべてを任せるだけではないと決意を新たにします。

「賢一に任せるだけじゃなくて私にもできることはあるはず」「自分の家族は自分の手で守る！」

そう心に誓った令美は、自らのスマートフォンを手に取ると、ブロックしていた加恵の連絡先の「ブロック解除」ボタンを、迷うことなくタップするのでした。

【セコケチ義妹がすべてを失った話】9話を読んだ感想（ネタバレあり）

第9話は、これまでの怒涛の展開から一転、令美と賢一の夫婦関係に深く焦点を当てた、静かながらも非常に感動的な回でした。嵐の前の静けさ、というよりは、嵐を乗り越えるための覚悟を固める、力強い夜明け前のような印象を受けました。

賢一の「どうして俺と？」という問いは、加恵に言われた「金目当て」という心無い言葉に、彼自身がどれだけ傷ついていたかを示すものであり、非常に切なかったです。それに対する令美の答えが、彼の経済力や社会的地位ではなく、彼の人間性の根幹にある「情熱」を肯定するものだったことに、二人の絆の深さを感じて胸が熱くなりました。

特に「『好き』を仕事にできた人なんだ」という令美の言葉は、この物語の核心の一つだと感じます。彼女は人の本質的な輝きを見抜く力があり、だからこそ賢一という逸材を見つけ出すことができた。この夫婦は、お互いにとって最高のパートナーなのだと改めて確信しました。

そして最後のシーン、令美が自らの手で戦うことを決意し、加恵のブロックを解除する姿には鳥肌が立ちました。これまでは夫を立て、耐える場面が多かった彼女が、ついに能動的に「家族を守る」ために動き出す。これは物語の新たなフェーズの始まりを告げる狼煙です。彼女が一体どんな反撃のカードを切るのか、次回の展開が今から待ちきれません。