漫画【棲ミタイ街】12話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

11話では、公園のベンチに残された塗料から、容疑者として神保正道が浮上しました。深見と青木が神保のアパートへ急行するも、タッチの差で逃走され、二人はアパートから走り去る神保を発見し、追跡を開始したところで物語は終わりました。

【棲ミタイ街】第12話をネタバレありでわかりやすく解説する

人混みへの逃走劇!青木の決死の追跡

アパートのベランダから神保の姿を捉えた深見が「いました!」 と叫ぶと、青木は即座に「追うぞ!」 と応じ、なんと2階のベランダからためらうことなく飛び降ります。

その常人離れした行動に深見が一瞬「すごっ…」 と圧倒される中、青木は「おまえは 車でこい」 と的確に指示を出し、神保の後を追って走り出しました。

青木は必死に「止まれ!」 と叫びながら追跡しますが、神保が逃げ込んだ先は「おおわし中央公園」でした 。あいにく公園は『IVAL OOWASHI』 というフェスティバルが開催中 で、多くの人々で賑わっています。神保は、その人混みの中へと巧みに紛れ込んでしまいました

判明した容疑者の素顔「元ヤクザ・神保正道」

車で追いついた深見と合流した 青木は、フェスの内容が「ポリネシアンフェス」 であることを確認し、この人出では追跡が困難だと判断します。

青木が「それより あいつの 情報は!」 と促すと、深見はアパートへ向かう途中で調べていた情報を共有しました。

容疑者の名前は『神保正道』、56歳 。彼は元々「海道会系西砂組」 に所属していた、いわゆる元ヤクザでした 。10年以上前に破門 されてからは住所不定無職だった ようですが、数ヶ月前におおわしの公営住宅に入居していた ことが判明します。二人は、ひとまず公園の管理事務所へ向かい、監視カメラの映像を確認することにしました

監視カメラの死角と「もう一人の協力者」

おおわし中央公園は広大な敷地を持ち 、園内には12台のカメラが設置されています 。深見は12分割されたモニター映像 に集中し、その驚異的な観察眼で、公園に入ったと思われる5分前の映像から神保の姿を探し始めました

「こんなの わかるのか?」と青木が訝しむそばから、深見は「いました これです!」 と、映像の中の神保を即座に見つけ出します。

しかし、神保の動きには奇妙な点がありました。彼は東側へ向かい 、電話をしながら 移動していますが、他のカメラには一切映り込んでいないのです 。深見は(カメラの 映る場所を 避けて通ってる としか思えない…) 、しかし(なんで 彼が カメラの場所を 把握できんだ…) と強い違和感を覚えます。

その時、深見の目が、あるカメラに一瞬だけ見切れている「白のバン」 を捉えました。神保が逃げてから「30秒後に 逆方向に 走り去っています」

これを見た青木は、神保が「誰かから 指示を受けていた」 のではないか、そしてカメラに映らないよう誘導され、このバンに乗って逃走した のだと推測しました。

戻ってきた神保と美優の安堵

一方、カオトリのアジトでは、監禁されていた女将の美優が、なんとか出口のドアにたどり着いていました 。しかし、そのドアが外から開かれ 、彼女の前に現れたのは、あの神保でした

「よう美優 ひさしぶりだな」

美優は「え… もしかして 神保さん?」 と驚きを隠せません。神保は、アジトで縛られていた用心棒の源治(第5話参照)に触れ、「手荒な真似して 悪かったな」 と美優に謝罪します。「あいつが 殴りかかって きたから 仕方なかったんだ」 と、あれは正当防衛だったと弁明しました。

美優が「私は 殺されない?」 と怯えながら尋ねると、神保は「ああまかせろ 俺がなんとか してやるよ」 と優しく答えます。その言葉に、美優は(あの人は 悪い人じゃないよ) と、ひとまず安堵するのでした。

快楽の罠と、アジトに現れた「もう一人のカオトリ」

神保は「それより いいもんがある」 と言って、何かを取り出しました。「今までの どんなクスリより 気持ちいいぞ」 、「ひさしぶりに やらねえか?」 と、美優を薬物と性行為に誘います。美優はそれを受け入れ、二人は束の間の快楽に溺れていきました

その頃、公園事務所では、青木と深見が捜査の状況を整理しています。青木が渋谷ですれ違った男(第6話、第11話参照)も神保の仲間 であり、深見は「店に放火したのと 藤田さんを拉致したのは 別の人物…」 、つまり「複数犯とみて 間違いないです」 と断言します。

深見が「少なくとも カオトリは もう一人います」 と結論づけた、まさにその時。

アジトでは、神保と美優が薬物の影響で意識を失っている傍らで、美優が部屋の隅にある仮面を「なにこれ オニ…」 と認識します。そして、アジトの入り口には、あの不気味な笑顔の仮面を手にした、神保とは明らかに別人である「もう一人のカオトリ」が立っていました 。彼は静かに「そろそろ 次の儀式を始めましょう」 と呟くのでした。

【棲ミタイ街】12話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、物語の構図が大きく変わる、非常に衝撃的な回でした。

まず、容疑者として追っていた神保が、カオトリ本人ではなく、少なくとも「協力者」の一人であったことが判明しました 。それも、美優に対しては保護者のように振る舞い 、一見すると悪人には思えない一面を見せた ことに驚きです。しかし、その直後に薬物と性行為にふける という堕落した姿は、彼の複雑な人間性を示しているようでした。

そして何より、ラストシーンの絶望感はすさまじいです。美優が神保に安堵したのも束の間、本物(あるいは、もう一人)のカオトリが登場する 場面は、背筋が凍る思いでした。神保自身も、このもう一人のカオトリに利用されているだけなのかもしれません。

深見の「複数犯とみて 間違いないです」 という推理と、アジトの恐怖シーンが同時に描かれる演出は、読者の不安を最高潮に高めてくれます。「儀式」 が再び始まろうとしている今、美優と、そして神保の運命がどうなるのか、全く予想がつきません。

【棲ミタイ街】12話のネタバレまとめ

  • 青木は2階から飛び降りて神保を追跡しますが 、公園のフェスティバルの人混みに紛れられ、取り逃がしてしまいます 。
  • 神保正道(56歳)は元ヤクザで 、10年以上前に破門されていたことが判明します 。
  • 神保は監視カメラの死角を正確に移動し 、仲間の「白いバン」 に乗って逃走した可能性が浮上します 。
  • アジトに戻った神保は、怯える美優を「俺がなんとか してやるよ」 と安心させます。
  • 神保と美優は薬物を使用し、意識を失ってしまいます 。
  • 深見と青木は、犯人が「複数犯」であると結論付けます 。
  • 二人が意識を失っているアジトに、「もう一人のカオトリ」が現れ、「次の儀式」 の準備を始めます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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