漫画【棲ミタイ街】2話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • ショッピングモール「イーグルモール」で、子供向けの汽車に人間の顔のパーツが貼り付けられるという猟奇的な事件が発生しました。
  • この事件の捜査担当として、超エリートながら変わり者として知られる女性刑事・深見琴乃が着任します。
  • 犯人の異常な犯行は「リチュアル(儀式)」である可能性が浮上し、犯人は「穢れを拭う」という目的で次の儀式を始めていました。
  • 深見の息子・利一が、事件現場で犯人らしき「顔がばってんのおじさん」を目撃していたことが判明しています。

漫画【棲ミタイ街】第2話をネタバレありでわかりやすく解説する

遅れてきたエリート刑事と進まない捜査会議

物語は「この町は…まだまだ穢れてる」という、犯人のものと思われる不気味な呟きから始まります

一方、その頃の深見家では、息子の利一を保育園へ送る準備で慌ただしい朝を迎えていました。元刑事である祖父は、孫が第一発見者となったイーグルモールの事件をニュースで見つめています

場面は変わり、警察署に設置された合同捜査本部。深見は「すみません!遅れました!」と元気に現れますが、その手にはコーヒーカップが握られていました 。遅刻の理由を「スタバが混んでて…」と悪びれもなく語る彼女に、先輩刑事の青木は呆れ顔です

捜査会議が始まっても、深見は上の空でパソコン作業に没頭しています 。青木に一喝されてようやく、彼女は被害者が発見された際の状況を説明し始めました。

「私が発見した時 すでにロケットの窓に腰をかけた状態でした…」

「ロケットの窓のボルトが外されていました」

深見は、犯人が意図的にボルトを外し、被害者が少しでも体重をかければ転落するように仕組んでいたと冷静に分析します 。そのあまりに回りくどい手口に、青木は「なんでこんな回りくどい殺し方するんだ?」と、犯人の異常な心理に首をひねるのでした

天才的なひらめき!防犯カメラの死角と警備員の存在

捜査会議の後、深見たちは場所をカフェに移して打ち合わせを続けます。 ここでも深見はマイペースにパソコンと向き合い、事件の情報を整理していました。彼女が導き出した犯人の行動は以下の通りです。

  • 人間の顔面を鋭利な刃物で切り取る
  • その人間を3階まで運ぶ
  • これら全てを営業時間外の深夜に行い、防犯カメラには一切映らない

「どうやってもカメラに写らず3階のロケット広場まで行くのは無理じゃねえか」という青木の疑問に対し、深見は驚くべき仮説を提示します

彼女はモールの3Dデータを画面に表示し、防犯カメラの死角だけをジグザグに進めば、誰にも見られずに現場へ到達できるルートが存在することを示しました 。そして、その完璧なルートを実行するためには、リアルタイムでカメラ映像を確認する必要がある、と指摘します。

「この防犯カメラスマホで画像を見ることができるんです」

警備員用のログインパスワードさえあれば

この言葉で、捜査線上に内部協力者の可能性が急浮上しました。

浮かび上がった協力者と「遊び」の代償

深見の推理通り、イーグルモールの警備員・杉田道夫が重要参考人として取り調べを受けることになります

杉田は涙ながらに犯行への協力を認めました。

「突然知らないアドレスからメールが来て…報酬は10万円分の仮想通貨です」

「僕はただメールの指示通りに男をロケットまで案内しろって言われただけで…」

彼は、金に目がくらみ、顔をフードで隠した被害者をカメラの死角を通って案内したのです 。しかし、殺意まではなかったと主張します。「まさか死ぬとは思わなかったんです」「ただの『遊び』だからって言われて…」と泣きじゃくる杉田の姿は、軽い気持ちで犯罪に加担した人間の哀れな末路を物語っていました

新たな手がかり「ナガミヒナゲシ」と深見の特殊能力

警備員・杉田の協力はあったものの、彼もまた実行犯に利用された駒に過ぎません。捜査が行き詰まる中、深見は一つの証拠品を取り出します。それは、事件現場の床に落ちていたという植物の種でした

「調べてみたんですがナガミヒナゲシって植物の種らしいです」

ケシ科の一年草ですが、特に幻覚作用などはないごく普通の外来種です 。しかし、深見は「事件のあったあの日だけ落ちていたんです」と、この些細な遺留品にこだわります

なぜそんな細かいことに気づくのかと問う青木に対し、深見は自身の特異な能力について明かしました。

「見てるんじゃなくて見えちゃうんです

彼女は、いわゆるカメラアイ(瞬間記憶能力)を持ち、一度見た光景を写真のように記憶できるのでした 。この謎の植物は、犯人へと繋がる新たな鍵となるのでしょうか。

「住みたい街」の闇と次なる犠牲者

場面は大きく変わり、一人の不動産関係者と思われる男が登場します。彼はタクシーの車内で、「住みたい街」として人気のおおわしの丘が、官民一体で作り上げられた街であることを語ります

男は「バカは高いところに住みたがる」とタワーマンションの住民を見下し、自分は低層のハイグレードマンションに住んでいると自慢げです 。彼はこの街を「なによりも治安がいい!」「安心して暮らせる街」と信じて疑いません

しかし、夜道でスマホのニュースに目を落とした彼の顔が曇ります。イーグルモールで転落死した被害者が、自身の会社「ベターライフ建設」の同僚、石田真であったことを知ったのです

その直後、男の背後にあの不気味な笑みを浮かべた犯人が音もなく現れます。

「この町は まだまだ穢れている」

きれいにしないと

男は抵抗する間もなく襲われ、テープでぐるぐる巻きにされて暗闇へと引きずられていきました。犯人の狂気の儀式は、まだ終わっていなかったのです。

漫画【棲ミタイ街】2話を読んだ感想(ネタバレあり)

第2話は、捜査が進展する面白さと、新たな謎、そして背筋が凍るような恐怖が巧みに織り交ぜられた回でした。 深見刑事のキャラクターがさらに掘り下げられ、彼女がただの変人ではなく、カメラアイという特殊能力に裏打ちされた本物の天才であることが分かり、ますます魅力的になりました。彼女が防犯カメラの死角をロジカルに解き明かしていくシーンは、本格的なミステリーとしての面白さを感じさせてくれます。

一方で、10万円の報酬のために殺人幇助を犯してしまった警備員の杉田のエピソードは、現代社会の闇をえぐるようで非常に考えさせられました。「ただの遊びだと思った」という彼の言い訳は、罪の意識の希薄さを象徴しており、現実にも起こりうる恐怖を感じさせます。

そして、物語に新たに投げ込まれた「ナガミヒナゲシ」という謎のキーワード。なぜ犯人は、事件現場にこの植物の種を残したのでしょうか。深見の特殊能力が発見したこの小さな手がかりが、今後の展開を大きく左右しそうでワクワクします。

ラストでは、これまで安全だと思われていた「住みたい街」そのものに潜む悪意が牙をむき、新たな犠牲者が生まれてしまいました。「ベターライフ建設」という会社名も意味深で、犯人の言う「穢れ」と、この街の開発に何か関係があるのかもしれません。平和な日常のすぐ隣にある狂気というテーマがより色濃くなり、次々と犠牲者が増えていくのではないかという恐怖に煽られます。物語の核心に一歩近づいたようで、早く続きが読みたくなる、見事な引きだったと思います。

【棲ミタイ街】2話のネタバレまとめ

  • 捜査会議にて、被害者の転落死が巧妙に仕組まれたものであることが判明しました 。
  • 深見は、防犯カメラの死角と警備員用のログインパスワードを使えば、内部協力者による犯行は可能だと推理します 。
  • 警備員の杉田が、10万円の仮想通貨を報酬に、犯人に協力していたことが自白によって明らかになります 。
  • 深見は、彼女が持つカメラアイ(瞬間記憶能力)によって、事件現場にだけ落ちていた「ナガミヒナゲシ」の種を発見し、これを新たな手がかりとします 。
  • 物語のラストで、被害者の同僚である不動産関係者の男が犯人に襲われ、新たな犠牲者となってしまいました 。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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