漫画【棲ミタイ街】3話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 深見は防犯カメラの死角を突いた犯行手口を解明し、警備員の杉田が報酬目当てで犯行に協力していたことを突き止めました 。
- 彼女はカメラアイとも言える特殊な記憶能力で、事件現場にだけ落ちていた謎の植物「ナガミヒナゲシ」の種を発見し、事件との関連を疑っています 。
- 犯人の儀式は止まらず、被害者の同僚である不動産関係者の男が次のターゲットとして襲われ、物語は幕を閉じました。
漫画【棲ミタイ街】第3話をネタバレありでわかりやすく解説する
廃墟に響く悲鳴…第二の儀式の始まり
物語は、前話のラストで拉致された不動産関係者の男が、犯人によって引きずられていく衝撃的なシーンから始まります 。連れてこられた場所は「マンション建設予定地」の看板が立つ、不気味な廃墟でした 。
男は作業台のようなものに縛り付けられ、意識を取り戻します。目の前には、あの不気味な笑顔を浮かべた犯人。「助けてください」と懇願する男の悲痛な叫びも虚しく、犯人は何の躊躇もなく、鋭利な刃物をその目に突き立てます 。
「あぎぃがあああ!!!!」と廃墟に響き渡るのは、正気の沙汰とは思えないおぞましい絶叫。犯人は生きたままの人間から、淡々と眼球をえぐり出していくのです 。このシーンは、犯人の残虐性と、その行為が「儀式」の名の下に行われる異常性を、読者に強烈に印象付けます。
ナガミヒナゲシの謎と深見のこだわり
場面は変わり、深見と青木はナガミヒナゲシの生息地である雑木林の捜査にあたっていました。ここは地主が開発に反対しているため、新興住宅地の中に手付かずで残っている場所のようです 。
深見は、この雑木林に生えているナガミヒナゲシのつぼみと、事件のあったモールで拾ったつぼみとを比較し、ある一点に気づきます。
「つぼみは全く同じなんですが中の種の色と大きさが若干違くないですか?」
彼女の指摘に対し、青木は「わからん 俺には同じに見える」と、単なる個体差ではないかと懐疑的です 。この些細な違いにこだわる深見の姿は、彼女の捜査スタイルそのものを象徴していました。
「連続殺人事件だ!」第三の事件発生
「おまえは今 その小さなつぼみのことで頭がいっぱいだ 全体が見えなくなってんだよ」
青木は、細部に囚われすぎる深見の視野の狭さを指摘します 。それは、かつて元刑事であった彼女の父親にも言われていたことでした 。
その真摯な忠告に深見が我に返った瞬間、彼女の携帯が鳴ります。電話の相手は、研修中だった同僚の三宅からでした。
「また切り取られた顔面が見つかった!」
「これ 連続殺人事件だ!」
事態は新たな局面を迎えます。第三の事件現場は、なんと市民プール。プールサイドのスタート台には、最初の事件と同じように、被害者の顔から切り取られた鼻、耳、舌、唇が並べられていました 。そして、監視台には被害者のものと思われる靴が置かれています 。
しかし、今回の事件には奇妙な点がありました。それは、切り取られたパーツの中に「目」だけが見つかっていないことです 。
水中の遺体と驚愕の現場検証
犯人の気まぐれか、それとも何らかの意図があるのか。捜査員たちが頭を悩ませる中、深見はまたしても常人には理解しがたい行動に出ます。
「最近ジムに通い始めたんで ちょうど水着持っててよかったです!」
彼女はそう言うと、あっという間に水着に着替え、ためらうことなくプールへと飛び込んだのです 。呆れる青木を尻目に、水中に潜った深見の鋭い目が、ある違和感を捉えました。
「排水溝のネジが一度外された形跡がある…」
そして、その排水溝の暗い奥で、彼女は胎児のように体を丸めた、第二の被害者、つまり冒頭で惨殺された不動産業者の遺体を発見するのでした。常識外れの行動が、またしても事件を大きく進展させた瞬間でした。
祖父と孫の日常と街に潜む不穏な影
捜査の緊張感とは対照的に、物語の最後は深見の祖父と息子・利一の平和な日常が描かれます。 祖父が保育園へ利一を迎えに行くと、ママ(深見)が今日も仕事で遅くなることを知り、少し寂しそうです 。
二人は公園で遊ぼうとしますが、あいにく整備工事中でした 。作業員の青年は、申し訳なさそうにこう説明します。「最近あまりに長くベンチに座る方が増えたので」と 。そして、利一に向かってにこやかに微笑みかけました。
「ごめんねこの町をキレイなママにするためなんだ」
「町をキレイにする」という、犯人の思想とどこか重なる不気味な言葉。この青年は一体何者なのでしょうか。平和な日常風景の中に、事件の根源に繋がるかもしれない不穏な影が差し、物語は幕を閉じます。
漫画【棲ミタイ街】3話を読んだ感想(ネタバレあり)
第3話は、冒頭の凄惨な拷問シーンから始まり、一気に物語の闇の深さを見せつけられました。生きたまま目を抉るという犯人の行為は、単なる快楽殺人ではなく、やはり「儀式」としての強い意志を感じさせ、その目的が何なのか、ますます気になってしまいます。
中盤の捜査パートでは、深見刑事のキャラクターがさらに際立ちました。ナガミヒナゲシの種のわずかな違いに気づく超人的な観察眼と、それを証明するために突拍子もない行動(プールに飛び込む)も厭わない実行力。青木刑事の言う通り、視野が狭くなるという欠点はあるかもしれませんが、その一点突破の能力がなければ、排水溝の遺体は見つからなかったでしょう。この危ういバランスを持った主人公から目が離せません。
そして、最も印象的だったのはラストシーンです。孫を迎えに来た祖父と利一くんの心温まるやり取りに癒されていたところに、公園の作業員の「この町をキレイなママにするためなんだ」というセリフが突き刺さりました。「キレイなママ」とは、子供にとっては母親(深見)のことですが、文脈によっては「美しい母体=街」とも解釈できます。犯人の言う「穢れを祓い、街をきれいにする」という思想と見事にリンクしており、この作業員が事件の協力者、あるいは思想を共有する人物なのではないかと、背筋が凍る思いでした。日常に溶け込む狂気という、この作品のテーマが色濃く表れた素晴らしい締め方だったと思います。
漫画【棲ミタイ街】3話のネタバレまとめ
- 前話で拉致された不動産関係者の男は、廃墟で生きたまま眼球を抉り取られ、殺害されました 。
- 深見は、事件現場の「ナガミヒナゲシ」の種が、自生しているものと微妙に違うことを発見し、犯人が意図的に持ち込んだ可能性を疑います 。
- 市民プールで第三の事件が発生し、顔のパーツが展示されましたが、今回は「目」だけが見つかりませんでした 。
- 深見はプールに飛び込み、排水溝の中から第二の被害者の遺体を発見します 。
- 深見の息子と祖父が出会った公園の作業員が、犯人の思想と重なる「この町をキレイなママにするためなんだ」という不気味な言葉を口にしました 。
◁前の記事はこちらから

▷次の記事はこちらから



