漫画【棲ミタイ街】9話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 青木は犯人の車が盗難車であることを突き止め、Nシステムでの追跡を指示しました 。
- 深見は火災現場の隠し部屋から、文字化けしたSOSメッセージを青木に送ることに成功します 。
- メッセージを受け取った青木は現場に駆けつけ、自らの手で深見を炎の中から救出しました 。
- 深見は意識を失う直前、青木に隠し部屋で見つけた「大事なもの」を託し、謎の人物「健吉君」の名前を口にしています 。
漫画【棲ミタイ街】第9話をネタバレありでわかりやすく解説する
囚われの二人とカオトリの異常な尋問
物語は、カオトリに拉致された小料理屋の女将・美優と用心棒・源治の絶望的なシーンから始まります。源治は十字架のようなものに縛り付けられ、なすすべもありません 。
「あんたが村本と石田を殺したの?」という美優の問いに、カオトリは答えず、彼女のスマホに表示されたプロフィールを読み上げます 。
「わっしょい!わっしょい!横綱ファックでわっしょい!」
カオトリは源治に意味不明な言葉を叫ばせ、その異様な光景を美優に見せつけて精神的に追い詰めます。そして、ついには拷問器具のようなものを手に取り、美優に襲いかかるのでした 。
明かされる「住みたい街」の裏側
場面は一転し、おおわし市役所の市長室が映し出されます。そこでは、六車市長と大手デベロッパー「KNグループ」のCEOである加納マリコが、イーグルモールの再生事業について会談していました。 この会談の中で、街の権力構造が明らかになります。
- 六車市長の父は、代議士の六車英松である 。
- その父とKNグループは昔から懇意の仲だった 。
- この繋がりにより、今回の再生事業はKNグループの一社単独入札となっていた 。
「つまり親同士がとっても仲がいいって事」と語られるように、クリーンな「住みたい街」のイメージの裏には、古くからの利権と癒着の構造が隠されていたのです 。
加納CEOは「ショッピングモールの再開発は弊社の得意分野です」と自信を見せ、六車市長も「私と一緒にこの街をまた『住みたい街』にしてもらえませんか!」と応じ、二人は固い握手を交わします 。
奇跡の生還とサヴァン症候群の可能性
一方、火事で重傷を負った深見は、明帝大学付属病院で治療を受けていました 。幸いにも回復は順調で、主治医の松態(まつばえ)医師から退院の許可がおります 。
見舞いに来た息子・利一と父の顔を見て、深見は安堵の表情を浮かべます。「ごめんね 心配かけて」と息子を優しく抱きしめる姿は、敏腕刑事ではなく、一人の母親の顔でした 。
病院の中庭で、利一が次々と四つ葉のクローバーを見つけるのを見て、松態医師は深見の類まれなる能力について分析します。 「おそらく『眼がいい』というより…」「大量の視覚情報を記号化して認識し 微細な差異を見つけている…」
それは、サヴァン症候群に似た特性ではないか、と彼は指摘します 。彼女の驚異的な観察眼には、医学的な裏付けがあったのです。
その時、深見の携帯に一本の電話がかかってきます。
元夫からの警告「おおわしの丘から離れてほしい」
電話の相手は、彼女が火事の直後に名を呼んだ「健吉君」でした 。彼はやはり深見の元夫で、事件のことを聞き、心配して連絡してきたのです 。
「そりゃあ元夫だから…心配くらいさせてよ」と優しく語る健吉 。しかし、彼の口から続いたのは、単なる見舞いの言葉ではありませんでした。
「それに伝えないといけないことがあって…」
「みんなでおおわしの丘から離れてほしい」
事件の核心を知ると思われる元夫からの、突然の警告。一体、この街に何が起ころうとしているのでしょうか。
漫画【棲ミタイ街】9話を読んだ感想(ネタバレあり)
第9話は、これまで以上に物語の深層に迫る、情報量の多い回でした。冒頭のカオトリによる拷問シーンは、目を背けたくなるほど残虐で、犯人の異常性を改めて痛感させられます。その直後に、市長と大手デベロッパーの癒着という、社会派なテーマが描かれる対比が非常に鮮やかでした。この街の「光」と「闇」が同時に描かれることで、物語に一層の奥行きが生まれています。
また、個人的に興味深かったのは、深見の能力に「サヴァン症候群」という具体的な可能性が示された点です。これまで超人的に描かれてきた彼女の「眼の良さ」に、確かな説得力が加わりました。彼女がなぜ刑事になったのか、その過去にも繋がっていきそうで楽しみです。
そして、なんといってもラストの元夫・健吉からの警告。「おおわしの丘から離れてほしい」という言葉は、これまでの事件が、街全体を巻き込むさらに大きな災厄の序章に過ぎないことを予感させます。彼が何を知っているのか、なぜそれを知っているのか。最大の謎が提示され、次回の展開が待ちきれません。
漫画【棲ミタイ街】9話のネタバレまとめ
- 拉致された小料理屋の女将・美優と用心棒の源治は、カオトリによる残虐な拷問を受けます 。
- 六車市長とその父である代議士、そして大手デベロッパー「KNグループ」の間には、古くからの癒着関係があることが示唆されました 。
- 火事で負傷した深見は無事に退院し、彼女の特殊な観察眼は、サヴァン症候群に似た特性によるものである可能性が浮上します 。
- 深見の元夫・健吉から電話があり、「みんなでおおわしの丘から離れてほしい」という不穏な警告を受けました 。
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