タイムリープ

漫画【私の夫と結婚して】1話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!

ずっちー

【私の夫と結婚して】第1話をネタバレありで簡単に解説する

物語は、主人公である平野美紗が末期がんに侵され、病院のベッドで孤独に死を待つ場面から始まります。彼女の人生は、まさに絶望の淵に立たされていました。

余命宣告と夫への裏切り

最期の願い

「ただいま電話に出ることが…」という無機質な音声が、美紗の最後の望みを打ち砕きます。余命わずかな彼女が必死に連絡を取ろうとしている相手は、夫の友也でした。しかし、彼は電話に出ません。そればかりか、スマートフォンの画面には、親友の麗奈へ助けを求める無数のメッセージを送った形跡が見て取れます。入院費の支払いや、かつて貸したお金の返済を懇願する悲痛な叫び。そして、「あと少しなんだから 一緒にいてよ…」という最期の願いも、彼らには届いていないようでした。

「最後の最後まで最低ね」

美紗は、自分を見捨てた夫に対して、「あいつ 最後の最後まで最低ね」と静かな怒りを覚えます。彼女の孤独は、看護師たちの噂話によってさらに浮き彫りになります。看護師たちは、美紗の病状が思わしくなく、長くて数ヶ月の命であること、そして夫が入院の日以来一度も顔を見せていないことをひそひそと話しているのでした。若くして不治の病に苦しみ、最もそばにいてほしいはずの夫にまで見放された彼女の境遇は、あまりにも過酷です。

偶然の帰宅、そして地獄の光景

希望をくれたタクシー運転手との出会い

やり場のない思いを抱えた美紗は、衝動的に病院を抜け出します。春の訪れを感じさせる桜並木を抜け、彼女は一台のタクシーに乗り込み、自宅のマンションへと向かいます。その道中、タクシーの運転手は、憔悴しきった美紗を気遣い、温かい言葉をかけてくれました。「じきにようなるよ」という優しい方言や、「きっと何もかも上手くいくよ」という励ましは、美紗の凍てついた心に一筋の光を灯します。運転手は、代金を受け取らないばかりか、「父親に小遣いもらったとでも思い」と、お釣りと共にアメを握らせてくれたのです。この予期せぬ優しさは、美紗にとって地獄のような人生における、最後の思い出となります。

我が家で見た信じがたい裏切り

しかし、自宅の玄関を開けた瞬間、そのささやかな希望は無惨にも打ち砕かれます。数ヶ月ぶりに帰った我が家には、見慣れない赤いハイヒールが脱ぎ捨ててありました。美紗の脳裏に衝撃が走ります。なぜなら、そのハイヒールは、彼女自身が親友の麗奈にプレゼントしたものだったからです。最悪の想像が、現実のものとして目の前に突きつけられた瞬間でした。

明かされる残酷な真実と絶望の淵

「保険金が入ったら」- 聞こえてきた非道な会話

恐る恐る寝室に近づくと、中から聞こえてきたのは、夫・友也と親友・麗奈の卑劣な会話でした。彼らは美紗の死後に入る5千万の保険金をあてにし、新しい生活の計画を立てていたのです。友也は、「あいつの父親はガンで死んだんだ ガンは遺伝するっていうだろ?」と、美紗が病気になることを見越して保険をかけていたことを得意げに語ります。麗奈は、その金でブランドバッグを買ってほしいとねだり、友也は「あいつが死んだら買ってやるから」と約束していました。

「勝手なこと言ってんじゃないわよ」

全ての真実を知った美紗は、怒りと絶望に震えながら、2人の前に姿を現します。「勝手なこと言ってんじゃないわよ」。その言葉は、裏切られた妻として、そして友として、魂から絞り出した叫びでした。突然の美紗の登場に、友也と麗奈は言葉を失い、顔面蒼白になります。

復讐の誓いと悲劇的な結末

親友の裏切りと言い訳

麗奈は「落ち着いてよ わたしたち親友でしょ?」と見苦しい言い訳をしますが、美紗はもはや容赦しません。彼女は、「この世のどこに人が死にかけてる時にその夫と不倫するような親友がいるのよ?」と、痛烈な言葉で麗奈を断罪します。慰謝料を請求し、会社や親にもすべてを暴露して、社会的に抹殺してやると、美紗は復讐を誓うのでした。

暴力、そして死の瞬間

しかし、逆上した友也が美紗に襲いかかります。彼は「死ぬときくらい大人しく死ねってんだ」と叫び、非情にも美紗を突き飛ばしました。美紗は激しく頭を打ちつけ、床に倒れ込みます。薄れゆく意識の中、彼女は自分の人生が、夫と親友のせいで台無しにされたことを悟ります。そして、「私が死ぬとき みんな巻き添えにしてやるわ」という最後の呪詛を胸に、36歳の若さでその命を終えるのです。これは、あまりにもむごい裏切りの末に訪れた、悲劇的な結末でした。しかし、この絶望的な死が、壮大な復讐劇の本当の始まりとなることを、この時の誰も知る由もありません。

まとめ【私の夫と結婚して】第1話を読んだ感想(ネタバレあり)

第1話を読んで、まず胸に突き刺さったのは、主人公・美紗のあまりの不憫さと、夫と親友の底知れない悪意に対する強烈な怒りでした。物語の冒頭から末期がんという絶望的な状況に置かれ、信じていた人々に裏切られる展開は、読んでいて本当に胸が苦しくなります。

特に印象的だったのは、病院を抜け出した美紗が出会ったタクシー運転手の優しさです。地獄のような日々の中で、ほんの一瞬差し込んだ温かい光のような存在でした。この親切があったからこそ、その直後に目の当たりにする裏切りの光景が、より一層、残酷で許しがたいものとして際立って感じられます。彼の「きっと何もかも上手くいくよ」という言葉が、あまりにも皮肉に響いてなりませんでした。

夫と親友の会話は、人間の醜さを凝縮したかのようで、吐き気を覚えるほどです。人の命を金勘定し、その死を心待ちにする姿は、まさに鬼畜の所業と言えるでしょう。美紗が最後に振り絞った「勝手なこと言ってんじゃないわよ」という言葉は、彼女の無念さ、悔しさ、そして怒りのすべてが込められた魂の叫びであり、深く心を揺さぶられました。

最後は暴力によって命を奪われるという、救いのない結末を迎えますが、これは決して物語の終わりではないはずです。むしろ、ここから始まる壮大な復讐劇への序章なのだと強く感じました。「もし、この絶望の淵からもう一度やり直せるのなら…」そんな読者の願いを乗せて、美紗がどのようにしてこの最低な2人へ鉄槌を下すのか、次回の展開が気になって仕方がありません。

▷次の記事はこちらから

あわせて読みたい
【私の夫と結婚して】2話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!
【私の夫と結婚して】2話をあらすじから結末まで簡単にネタバレ解説!
ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
記事URLをコピーしました