【前世から君だけを愛すると誓うよ】28話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 詩乃の「距離を置きたい」という提案を、真司は篠原にそそのかされたものだと決めつけ、激しく拒絶しました。
  • 彼は「お仕置き」と称して詩乃に薬を飲ませ、意識を失わせるという暴挙に出ます。
  • 詩乃と自身の両方の籍を会社から抜き、社会的に完全に孤立した状況を作り出しました。
  • 詩乃を心配した篠原がシェアハウスを訪ねますが、真司はそれを無視し、足枷をはめて眠らせた詩乃に「俺だけのものだ」と悦に入ります。

【前世から君だけを愛すると誓うよ】第28話をネタバレありでわかりやすく解説する

囚われの鳥籠と“約束の地”

小鳥のさえずりと共に、詩乃は柔らかなベッドの上で目を覚まします。 しかし、その穏やかな目覚めは、すぐに絶望的な恐怖へと変わりました。自分の足首にかけられた、冷たくて重い錠。 さらに、手首にも同じように鎖が繋がれていることに気づき、彼女は声にならない悲鳴を上げます。

「おはよう、詩乃」

そこに現れたのは、穏やかな笑みを浮かべた真司でした。 彼は、この場所を「約束の地」だと語ります。 それは、二人だけの世界を築くための、美しくも恐ろしい監獄でした。

監視下の電話と無言の命令

その時、静寂を破るように詩乃のスマートフォンが鳴り響きます。表示された名前は「篠原孝介」。 詩乃の身を案じる彼からの、唯一の希望とも言える連絡でした。

しかし、真司はその着信を冷たい目で見下ろし、「よほど詩乃が気になるみたいだな」と吐き捨てます。 そして、探られるのが面倒だという理由で、詩乃にあまりにも残酷な命令を下すのです。

電話に出て、何事もないと伝えて

それは、自らの手で希望の糸を断ち切れという、無言の圧力でした。

絶望の中のSOS―鳥の鳴き声に託したメッセージ

抵抗できない状況の中、詩乃はスピーカーフォン状態で、震える声で篠原と話し始めます。 急に会社を辞めたことを心配する篠原の優しい声に、詩乃の心は引き裂かれそうになります。 (ここから逃げなきゃ…でも、真司さんを傷つけたいわけじゃない…)

その葛藤の中、彼女は一縷の望みを託すことを決意します。窓の外から聞こえる、特徴的な鳥の鳴き声。 詩乃は、以前篠原が旅行先でこの鳥の話をしていたことを思い出します。 彼女は、「湖があって、すごくいい場所なの」と曖昧に状況を説明しながら、必死にその鳥の鳴き声を電話の向こうに届けようと試みるのでした。

声にならない悲鳴と断ち切られた希望

詩乃が必死にヒントを伝えようとしている、その時でした。背後にいた真司の手が、彼女の体にそっと触れます。彼は、詩乃がSOSを送ろうとしていることなどお構いなしに、電話の向こうの男に聞かせるように、彼女を愛撫し始めるのです。

「あっ…!」

突然の行為に、詩乃の口からは、抵抗とも快感ともつかない、喘ぎ声が漏れてしまいます。 その声は、電話の向こうの篠原にもはっきりと届いていました。 パニックになった詩乃は、「元気でね」と一方的に電話を切り、最後の命綱は断ち切られてしまいます。

そして、そんな彼女の耳元で、真司は満足げにこう囁くのでした。

よくできました

【前世から君だけを愛すると誓うよ】28話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、物語が完全にサイコホラーの領域へと足を踏み入れた、息もつけないほど緊迫した回でした。美しい監獄、冷たい鎖、そして穏やかな表情で狂気的な行動をとる真司。その対比が、恐怖をより一層引き立てています。

そんな絶望的な状況の中で、一瞬の機転でSOSを送ろうとした詩乃の強さには、胸を打たれました。ただのか弱いヒロインではなく、最後まで諦めない意志の強さを持っていることが、この物語の救いなのかもしれません。鳥の鳴き声に全てを託すシーンは、本作屈指の名場面だと思います。

しかし、その希望を打ち砕く真司の行動は、あまりにも残酷で醜悪でした。電話越しに篠原に聞かせるように詩乃を辱める行為は、彼の歪んだ独占欲とサディズムの極みです。最後の「よくできました」というセリフには、心底ゾッとしました。彼はもう、詩乃を対等な人間として見ていないのでしょう。この地獄から、詩乃は脱出することができるのでしょうか。

【前世から君だけを愛すると誓うよ】28話のネタバレまとめ

  • 詩乃は薬で眠らされた後、手足に鎖をかけられ、見知らぬ場所に監禁されていることに気づきます。
  • 真司は、心配して電話をかけてきた篠原に対し、詩乃に「何事もない」と嘘をつくよう強制します。
  • 詩乃は機転を利かせ、特徴的な鳥の鳴き声をヒントに、電話越しに篠原へ自分の居場所を伝えようと試みます。
  • 真司は通話中に詩乃を愛撫して妨害し、詩乃はパニックで電話を切ってしまいます。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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