2025.10.16

【前世から君だけを愛すると誓うよ】35話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

前話のおさらい

監禁されて数日、詩乃は真司に解放を訴え続けますが、彼は「真実の愛のため」だと聞く耳を持ちません。
真司に緊急の仕事の電話が入り、彼は3時間ほど家を空けることになりました。
真司が外出した直後、家のチャイムが鳴り、詩乃に脱出のチャンスが訪れます。
しかし、足首の鎖が届かずドアを開けることができず、詩乃は絶望しながらも、別の方法で外部と連絡を取ろうと決意します。

Contents

【前世から君だけを愛すると誓うよ】第35話をネタバレありでわかりやすく解説する
- 諦めかけた希望と届いた心の叫び
【前世から君だけを愛すると誓うよ】35話を読んだ感想（ネタバレあり）
- 【前世から君だけを愛すると誓うよ】35話のネタバレまとめ

【前世から君だけを愛すると誓うよ】第35話をネタバレありでわかりやすく解説する

諦めかけた希望と届いた心の叫び

インターホンを鳴らしても、中からの反応はない。篠原は（ここも外れか…）と、諦めかけていました。しかし、彼は詩乃との電話で聞いた「湖」の存在を思い出し、簡単には引き下がれません。

（人を閉じ込めるなら、人気のない場所のはずだ）。彼は地道に調査を続け、一軒ずつ可能性のある物件を回っていました。その執念が、奇跡を呼び込みます。彼がその場を去ろうとした、まさにその時、家の中から「ガシャン！」という、何かが倒れるような物音が聞こえたのです。

それは、詩乃が外部に自分の存在を知らせるために、必死の思いで立てた音でした。

救出、そして涙の再会

「春川さん！」

篠原はドアを力ずくでこじ開け、中へと飛び込みます。そこにいたのは、足に鎖をつけられ、怯えた表情で立ち尽くす詩乃の姿でした。彼は安堵と衝動のままに、詩乃を強く、強く抱きしめます。

「無事で、よかった……」

遅くなってごめんと謝る篠原の腕の中で、詩乃はただ呆然と「篠原くん…」と呟くことしかできません。監獄のような世界に差し込んだ、あまりにも眩しい希望の光。それが、彼でした。

監獄からの脱出と車内で揺れる心

「話は車の中でしよう」。篠原は詩乃を促し、二人は急いでその場を後にします。鎖が繋がれたままの足で、詩乃は必死に彼の後を追いました。

車に乗り込み、別荘から離れていく中で、篠原は「今まで何があったの？」と静かに問いかけます。しかし、詩乃の心は複雑に揺れ動いていました。

（何も言わずに、出てきちゃったけど…良かったのかな…）

監禁という異常な状況から救い出されたにもかかわらず、彼女の心の中には、真司を一人残してきたことへの罪悪感が渦巻いていたのです。「真司さんを、悲しませてしまったんじゃ…」と。

蝕まれた心と断ち切れない想い

そんな詩乃の様子を見て、篠原の胸は痛みます。（あんな目に遭っても、君はまだ社長のことを…）。彼の歪んだ愛情は、詩乃の心を深く、そして静かに蝕んでいたのです。

「あんなに、幸せだったのにな…」。

どうしてこんなことになってしまったのだろうと涙を浮かべる詩乃の姿に、篠原はかける言葉を見つけられません。ただひたすらに車を走らせることしかできないのでした。

【前世から君だけを愛すると誓うよ】35話を読んだ感想（ネタバレあり）

今回は、篠原くんのヒーローっぷりに、思わず「よくやった！」と叫びたくなりました。地道な調査と、最後の最後で諦めなかった執念が、詩乃を救う唯一の鍵となったのです。彼女を抱きしめたシーンは、本作屈指の感動的な場面だと思います。

しかし、その一方で、救出された詩乃の心理描写が、あまりにもリアルで切なかったです。監禁されていた相手に対して、「悲しませてしまったかも」という罪悪感を抱いてしまう。これは、いわゆるストックホルム症候群に近い、非常に危険な精神状態です。真司の歪んだ愛情が、いかに彼女の心を深く支配し、蝕んでいたのかが、痛いほど伝わってきました。

物理的には解放されましたが、彼女の心が本当に解放されるまでには、まだ長い時間がかかるのかもしれません。篠原のまっすぐな優しさが、彼女の心を癒す光となることを、心から願わずにはいられません。