【娘の命を奪ったやつを殺すのは罪ですか】6話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 全身整形を終え、全くの別人へと生まれ変わった玲子は、亡き娘・優奈が非業の死を遂げたマンションの「事故物件」にあえて入居し、そこをこれから始まる壮絶な復讐のための拠点としました 。
- 復讐計画の重要な駒として、ターゲットたちが集う幼稚園に母親として自然に潜入するため、玲子は育児放棄されていた少年・陸の母親に金銭を渡し、彼を自らの「息子」として引き取るという、非情かつ大胆な手段を実行しました 。
- 玲子は、引き取った陸に対して、亡き娘に注ぐことができなかった母親としての愛情を惜しみなく注ぎながらも、その温かい日常の裏側で、水面下で復讐計画の準備を着々と、そして冷徹に進めていきました 。
- 「篠原玲子」という全く新しい名前と、誰もが目を奪われるほどの完璧なルックスを手に入れた玲子は、復讐の主犯格である沙織を中心とするママ友たちのグループに、夫と離別したミステリアスで美しいシングルマザーとして、何の疑いも持たれることなく、いとも容易く溶け込むことに成功します 。
- 玲子は、そのママ友たちの輪の中で、彼女たちが亡くなった優奈の死について「家に男を連れ込んで浮気していた」「夜は水商売をしていた」など、事実無根の悪意に満ちたデマを流して嘲笑しているのを目の当たりにし、彼女たちへの復讐の決意をさらに固く、そして氷のように冷たく燃え上がらせるのでした 。
【娘の命を奪ったやつを殺すのは罪ですか】第6話をネタバレありでわかりやすく解説する
前話において、復讐の女神として生まれ変わり、最初の関門である敵陣、すなわち沙織たちが支配する幼稚園への潜入を完璧に果たした玲子。第5話でその存在が示唆されていた、娘を苦しめた新たなるターゲット、葛西夫妻への具体的な復讐計画が、ついに静かに、しかし冷酷に実行に移されます。玲子の周到かつ恐るべき計画が、一つの家庭をいかにして完膚なきまでに崩壊させていくのか。その悪魔的とも言える卓越した手腕が、今、白日の下に晒されます。
復讐の協力者 – ターゲットの妻、恵美
巧妙な同情と復讐への誘導
物語は、幼稚園の送迎バスが走り去るのを見送る、玲子の穏やかで優雅な姿から始まります 。しかし、その背後には、まるで魂が抜けたかのように憔悴しきった表情で立ち尽くす一人の女性、葛西恵美の姿がありました 。玲子が、計算された優しさで「どうかされたんですか?」と声をかけると、恵美は堰を切ったように「…夫がまた浮気してるみたいなの」と、か細い声でその悩みを打ち明けます 。
玲子の心の中で、計画の第一段階が成功したことを告げるゴングが鳴り響きました。彼女は内心の冷徹さを完璧に隠し、驚きと戸惑いの仮面をつけながら、恵美の心に巧みに寄り添っていきます。そして、自らがシングルマザーであるという設定を最大限に利用し、「実は…私の夫も女子大生と浮気をしていて…それが原因で別れたんです」と、あたかも同じ痛みを共有する仲間であるかのように、共感を誘う嘘の身の上話を悲しげに語り始めました 。
恵美が、亡き娘・優奈のことを「泥棒猫よ」 、「幼稚園の行事やほかのママ友のだんなに色目使って」 と、事実無根の言葉で罵るのを、玲子はただ静かに、その心の奥底で燃え盛る地獄の業火を完璧に隠しながら、聞き役に徹します。
そして、玲子は、疑心暗鬼と嫉妬に狂う恵美が、自らの復讐計画の駒として能動的に動くよう、決定的な一言を、まるで悪魔の囁きのようにその耳元で囁くのでした。「絶対浮気って許せないですよね」 、「だんなさんと話し合われたんですか?」 、「どうせのらりくらりといい逃れするだけよ 現場を押さえるぐらいしないと…」 。
この言葉は、夫への不信感と尽きることのない怒りで我を忘れかけていた恵美の心に、まるで楔のように深く突き刺さり、彼女を玲子の描く復讐のシナリオに無自覚のまま加担させるための、強力な呪文となったのです。
計画の進展 – 在宅勤務という好機
ターゲットの弱点と新たな罠
場面は、冷え切った空気が漂う葛西家へと移ります。夫の哲夫は、妻の恵美が心を込めて作ったであろう夕食の弁当には目もくれず 、リビングのパソコン画面に映る、例の不倫女優への誹謗中傷コメントを書き込むことに夢中です 。その姿は、自らの家庭生活を顧みることなく、他人の不幸を娯楽として消費する、あまりにも無責任で自己中心的な人間の姿そのものでした。
後日、玲子は夜の世界の住人、源氏名「ユウナ」として、ガールズバー「Cherry」でターゲットの哲夫と再会します 。上機嫌の哲夫は、自身の会社で在宅勤務が導入されたことを自慢げに語りますが 、同時に「グループウェアで分単位まで業務を管理されて」 、「パソコンのカメラもつけっぱなしにしないといけないんだぜ」 と、その厳格な監視体制への窮屈さに対する不満も漏らしました。
この、何気ない愚痴の一言を、玲子の地獄耳は聞き逃しませんでした。彼女は、この皮肉にも厳格な監視システムそのものを、哲夫を社会的、そして経済的に完膚なきまでに抹殺するための、最高の武器として利用することを瞬時に思いつきます。「じゃあ平日に家で会えたりしますか?」 。玲子が仕掛けた、あまりにも大胆な悪魔のような提案に、哲夫は当初こそ「無理無理」 と躊躇しますが、目の前の美女からの巧みな誘惑の前に、その愚かで浅はかな欲望を抑えることはできませんでした。
罠の実行 – 白昼の密会
完璧に仕組まれたアリバイ
玲子は、今や復讐の駒と化した協力者、恵美に、計画の実行日を告げます。「わざと家を空けたらいいんです」 、「妻も子供もいないチャンスなんてめったにないから絶対にその女を呼びますよ!!」 。恵美は、玲子の言葉を完全に信じ込み、「私今からママ友のお呼ばれにいってくるわ」 と、何も知らない娘を連れて家を出ていきます。これは全て、ターゲットである哲夫が、白昼堂々、なんの罪悪感もなく自宅に不倫相手を招き入れるための、玲子が緻密に描き上げた脚本通りでした。
妻と娘が家から出て行ったのを部屋の窓から確認した哲夫は、すぐさまスマートフォンを取り出し、逸る心を抑えきれない様子で「ユウナ」にメッセージを送ります。「きてもいいよ」 。それに対し、玲子はすぐ近くの場所でその連絡を待ち構えながら、「10分後くらいにいくね♡」と返信 。破滅へと向かう、運命のカウントダウンが、静かに、そして冷酷に始まりました。
破滅へのカウントダウン – ライブ中継される情事
カメラの前での倒錯的な遊び
哲夫の自宅マンションに招き入れられた玲子は、彼がこの家を「転勤した同僚から借りてるんだ」 などと見え透いた嘘をついていることなど、全てお見通しです。彼女は、リビングのデスクに置かれた、会社の監視システムに接続され、カメラが起動したままになっているノートパソコンに鋭い視線を送ると、哲夫に向かって悪戯っぽく、そして妖艶に微笑みかけました。
「今日は私がやりたいことしていい?」
玲子が提案したのは、目隠しと、両手両足を拘束するという、倒錯的なボンデージプレイでした 。哲夫は、その普段の清楚なイメージからは想像もつかない意外な提案に、興奮を隠しきれません。彼が自らの意思で喜んで目隠しをされ、自由を奪われている間、その背後にあるノートパソコンの無機質なカメラは、これから繰り広げられるであろう、あまりにも醜悪な情事の一部始終を、会社のサーバーへとリアルタイムで、鮮明に配信し続けていたのです。
地獄のオンライン会議
その頃、哲夫が所属する会社のオフィスでは、複数の支社の社員たちが参加する、日常的なオンライン会議が行われていました。しかし、そのモニター画面の一つに、誰もが目を疑う信じがたい光景が映し出されます。在宅勤務中であるはずの葛西が、見知らぬ下着姿の若い女性に縛られ、白昼堂々、猥褻な行為に及んでいるのです 。モニターを凝視していた上司の「葛西はいったい何やってんだ!!!」という怒号が静かなオフィスに響き渡り、会議は中断、その場は騒然となります 。
まさにその瞬間、玲子からの「さっきご自宅に若い女が入っていきました!」という合図のメッセージを受け取った妻の恵美が、怒りで顔を歪ませ、鬼の形相で自宅に乗り込んできました 。目隠しをされたままの哲夫は、何が起こったのか全く理解できず、突然の妻の出現にただパニックに陥るばかりです 。
玲子は、そんな修羅場の中で、何も知らないかのように「奥さんいるよね」「本当は奥さんから出てく1時間くらい前」「私はただの遊びだったのね」と、悲劇のヒロインを完璧に演じきるのでした 。妻に罵倒され、激しく平手打ちを食らう哲夫の、あまりにも情けないその姿は、会社の全ての上司、同僚たちが見守る前で、決して消すことのできない、永遠のデジタルタトゥーとして深く刻み込まれたのです。
社会的抹殺の完了 – ターゲットの完全な崩壊
全てを失った男と、自業自自得の妻
玲子の描いた復讐計画は、寸分の狂いもなく、完璧に成功しました。哲夫は、昼休みに演じた醜態が全社に知れ渡り、即刻、自宅謹慎を言い渡され 、最終的には会社を懲戒解雇されることになります。さらに、そのあまりにも衝撃的な猥褻な動画は、会社の誰かの手によって、面白半分でインターネット上に流出され、瞬く間に日本中に拡散 。「××産業社員 葛西哲夫 在宅勤務中に不倫SEX」という扇情的な見出しで、彼は社会的な信用も、築き上げてきたキャリアも、そして男としての名誉も、その全てを一瞬にして失いました 。
一方、玲子の復讐計画に、知らず知らずのうちに協力してしまった妻の恵美もまた、自らが招いた破滅の道を辿ることになります。彼女が、日課のように行っていた、不倫スキャンダルを起こした女優・木下絵里への、インターネット掲示板上での執拗な誹謗中傷が警察の捜査によって特定され、名誉毀損の容疑で逮捕されてしまったのです 。皮肉にも、他人の不倫を異常なまでに攻撃し、正義を振りかざしていた彼女自身が、夫の不倫によって家庭を失い、そして自らが過去に犯した犯罪によって、法的に厳しく裁かれるという、まさに自業自得としか言いようのない結末を迎えました。
復讐の女神が下した「罰」
後日、いつものように幼稚園の送迎に集まったママ友たちの間では、葛西家の完全崩壊と、恵美が逮捕されたという衝撃的な噂話で持ちきりでした 。その輪の中に、玲子はただ静かに、感情の読めない表情で立っていました。彼女たちの会話から、葛西家が社会的に、そして経済的にも完全に崩壊したことを確認した玲子は、一人、静かにその場を離れます。そして、心の中で、今はもうこの世にはいない、最愛の娘・優奈に、静かに語りかけるのでした。
「優奈…」 「お母さん あなたをいじめたヤツに罰を与えたわよ」
その美しい横顔に浮かぶのは、もはや悲しみの色ではありません。冷徹なまでに計画を遂行し、ターゲットを確実に社会的に抹殺した、復讐の女神としての静かな、そして底知れない満足感と、次なるターゲットへと向けられた、氷のように冷たく、鋭い視線でした。
【娘の命を奪ったやつを殺すのは罪ですか】6話を読んだ感想(ネタバレあり)
第6話は、玲子の復讐劇が初めて具体的に、そして完膚なきまでに実行される回であり、その計算され尽くした巧妙さと、目的のためには手段を選ばない冷酷さには、ただただ圧倒されるばかりでした。特に、在宅勤務という、現代ならではの働き方を逆手に取り、ターゲットの社会的生命を、最も屈辱的な形で完全に断つという手口は、非常にリアリティがあり、読んでいて背筋が凍るほどの恐ろしさを感じさせます。これは、単なる暴力や脅迫といった物理的な復讐ではなく、人間の尊厳と、これまで築き上げてきた社会的地位を、最も効果的かつ残酷な形で奪い去る、高度な知能犯罪と言えるでしょう。
また、復讐のターゲットである夫の妻、恵美を「協力者」として巧みに利用し、最終的には彼女自身をも、自らが犯した罪によって破滅させるという二重構造の展開は、玲子の計画の周到さと、彼女の抱く憎しみの深さを際立たせています。恵美が、他人の不倫をインターネット上で執拗に叩いていた、まさにその行為によって自らも逮捕されるという皮肉な結末は、見事なまでの因果応報であり、この不条理な物語に、一種の歪んだカタルシスを与えていました。
しかし、私が最も印象的だったのは、この完璧な復讐を成し遂げた後の、玲子の表情です。そこに、目的を達成したことによる歓喜や、心の解放といった感情はなく、ただ静かに、次のターゲットを見据えるかのような、氷のように冷たい決意だけが浮かんでいます。愛する娘のために始めたはずの復讐が、もはや彼女自身を突き動かす、誰にも止められない「業(ごう)」と化してしまっているのではないか。そう感じさせるラストシーンは、この物語が、単純な勧善懲悪の物語では決して終わらない、より深く、そして救いのない、悲しい人間の業を描いていることを、強く示唆しているようでした。
【娘の命を奪ったやつを殺すのは罪ですか】6話のネタバレまとめ
- 玲子は、新たな復讐のターゲットである葛西恵美に、自身も夫に浮気された経験を持つシングルマザーであると偽って巧みに接近し、彼女の夫への不信感を煽ることで、自らの計画の協力者として取り込むことに成功します 。
- 玲子は、恵美の夫・哲夫が在宅勤務中も、会社のパソコンに搭載されたカメラで常に監視されているという重要な情報を利用し、彼を社会的に抹殺するための、あまりにも残酷な罠を仕掛けました 。
- 玲子の周到な計画通り、哲夫は自宅での白昼の情事を、会社の全社員が参加するオンライン会議で生中継してしまい、さらにその修羅場とも言える現場を、妻の恵美本人に踏み込まれるという、最悪の状況に陥ります 。
- 哲夫は、この事件が原因で会社を懲戒解雇され、その動画もインターネット上に流出、完全に社会的に破滅します。一方、妻の恵美もまた、過去に行っていたインターネット上での誹謗中傷が原因で警察に逮捕され、結果として葛西家は完全に崩壊しました 。
- 全ての計画を冷徹に完遂した玲子は、心の中で亡き娘・優奈に「あなたをいじめたヤツに罰を与えたわよ」と静かに報告し、次なる復讐のターゲットへと、その冷たい視線を向けるのでした 。
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