【癒やしのお隣さんには秘密がある】11話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 食事の帰り道、藤子と後輩の田辺は男性二人組に絡まれてしまいます。
  • 絶体絶命のピンチに、偶然通りかかった蒼真が颯爽と現れ、二人を助け出しました。
  • 蒼真は圧倒的な強さで男性たちを撃退し、そのヒーローのような姿に藤子は心からときめきます。
  • 事件後、蒼真は藤子を真剣に心配し、危険な道を通らないようにと注意。そこで初めて、蒼真と田辺は顔を合わせるのでした。

【癒しのお隣さんには秘密がある】第11話をネタバレありでわかりやすく解説する

危険な夜道で、圧倒的な強さを見せた仁科蒼真。彼の存在は、藤子の心の中で「癒やし」から、唯一無二の「ヒーロー」へと変わり始めていました。

完璧すぎるヒーローのエスコート

「あなたも気を付けて下さいね」 蒼真から優しい言葉をかけられた田辺は、「キャー」と悲鳴をあげ、真っ赤になった顔を両手で覆ってしまいます。その完璧なイケメンっぷりは、初対面の人間さえも一瞬で虜にしてしまう威力を持っていました。

蒼真は、近くに停めてある自分の車で二人を送ると申し出てくれます。飲み会帰りではなかったのか、という藤子の疑問に、彼は「僕は飲まなかったんですよ、ただ同僚の話を聞いていただけなので」と笑顔で答えました。 その言葉に、藤子の心は再びときめきます。 (悩める同僚の話を聞いていたのか…優しくて素敵すぎる、しかも女性のピンチを救出までして、カッコよすぎじゃないですか!) 藤子の蒼真に対する好意は、もはや隠しきれないほどになっていました。

車に乗り込み、先に田辺をマンションまで送り届けます。別れ際、田辺は藤子にこっそりと耳打ちしました。 「先輩のお隣さんってやばくないですか、なんですかこの全てにおいて、完璧なイケメンは」 その言葉に、藤子は「私も同感だ」と心の中で強く頷くのでした。

二人きりの車内で縮まる距離

田辺を送った後、車内は藤子と蒼真の二人きりに。高級車ならではの静かで快適な空間に、しっとりとしたピアノのメロディが流れます。まるで彼のイメージにぴったりなその選曲に、藤子は心地よさを感じていました。

すると、蒼真が少し恥ずかしそうに振り返り、後部座席に座っていた藤子に言います。 「藤子さん前に来ますか?」

彼の隣、助手席へ。その少しの変化が、藤子の心臓を大きく高鳴らせます。改めて助けてくれたことへの感謝を伝えると、蒼真はまっすぐ前を見つめたまま、静かに、しかし強い口調で言いました。 「それは考えたくもないですね」 先ほどのチンピラに、もし藤子が連れて行かれていたら。その想像を拒絶するかのような彼の低い声に、藤子は少しだけ怖ささえ感じてしまうのでした。

そして、彼は続けます。 「藤子さんもし今度から何か危険を感じたら一番に僕を呼んでください、警察よりも早く駆けつける自信があるので」 冗談かと思いきや、その表情は真剣そのもの。彼の言葉は、藤子の心に頼もしさと共に、深く刻み込まれました。

初めての連絡先交換

その時、藤子はある重要なことに気づきます。 「あっ、でも私たち連絡先交換してないですよね」 その一言に、蒼真はハッとしたように「僕と交換してくれますか?」と、少し慌てた様子で尋ねました。その反応がたまらなく愛おしく、藤子は「はい、是非」と笑顔で答えます。

スマホをかざし、LINEを交換する二人。新しい友達欄に追加された「仁科蒼真」の名前を見つめながら、藤子はこれまでにない幸福感に包まれていました。連絡先を知っている。ただそれだけのことが、彼との距離をぐっと縮めてくれたように感じられたのです。

「大事なお隣さん」という言葉の意味

「藤子さんは大事なお隣さんなので」 改めてお礼を言う藤子に、蒼真は少し顔を赤らめながらそう言いました。 「大事な」という言葉は嬉しい。けれど、「お隣さん」という言葉が、二人の間にある見えない線を藤子に意識させます。ただのお隣さんじゃない、もっと特別な関係になりたい。その想いが、藤子の胸を締め付けました。

そんな藤子の心の揺れを見透かすように、蒼真は不思議なことを言います。 「こういう時のためにジムに行ったり、武道習ったりしていますから」 護身術のようなものか、と藤子が笑うと、彼は意味深にこう続けたのです。 「そうですか、でも僕が護りたいのは1人だけですけどね」 「1人だけ?」その言葉の意味を、藤子はまだ理解することができませんでした。

アパートに到着し、その日は別れます。季節はもう11月。ベランダで話すには肌寒い季節になっても、二人の習慣は続いていました。藤子にとって、それはもはや「中毒」のようなもの。この癒やしの時間を失ってしまったら、きっと自分はダメになってしまう。そう確信するほどに、彼の存在は藤子の中で大きくなっていたのです。

【癒しのお隣さんには秘密がある】11話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、事件後の後日譚でありながら、二人の関係性を大きく進展させる、非常に中身の濃い回でした。ヒーローショーの後の、二人きりのドライブデート。こんなご褒美が待っているなんて、最高すぎます!

助手席への移動、そして連絡先の交換。一つ一つのイベントが、少女漫画の王道でありながら、丁寧に描かれることで、読んでいるこちらのドキドキも最高潮に達しました。「警察よりも早く駆けつける」なんて、殺し文句がすぎます、蒼真さん!

しかし、ただ甘いだけでは終わらないのがこの作品の魅力。「大事なお隣さん」という言葉に、喜びと同時に寂しさを感じてしまう藤子の心境は、とてもリアルでした。そして、蒼真くんの「僕が護りたいのは1人だけですけどね」という謎の爆弾発言。その「1人」とは一体誰なのか。もちろん藤子であってほしいと願いつつも、彼の過去を知らない以上、素直に喜べないもどかしさがあります。

ベランダでの会話を「中毒」と表現した藤子のモノローグも印象的でした。それはもう恋という名の病ですね。この心地よい関係を壊したくない、でも、もっと先に進みたい。そんな恋する乙女の繊細な心の動きが、見事に描かれていたと思います。彼の秘密に、そして二人の関係に、いつか答えが出る日は来るのでしょうか。

【癒しのお隣さんには秘密がある】11話のネタバレまとめ

  • 蒼真は、助けた藤子と田辺を自分の車で家まで送り届けることを申し出る。
  • 二人きりになった車内で、蒼真は藤子を助手席に誘い、「危険な時は警察より早く駆けつける」と約束する。
  • 藤子と蒼真は、この日初めて連絡先を交換し、二人の物理的、心理的な距離が縮まる。
  • 蒼真は藤子を「大事なお隣さん」と呼びつつも、「僕が護りたいのは1人だけ」という意味深な言葉を残す。
  • 季節が変わり寒くなってもベランダでの会話は続き、藤子はその習慣を「中毒」だと感じるほど、蒼真の存在に依存していた。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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