【癒やしのお隣さんには秘密がある】32話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 藤子の提案により、被害者、加害者、立会人という奇妙なメンバーで盗撮写真の選別会が始まりました。
- 「護衛日記」と名付けられたストーカー日記も発見されましたが、藤子はそれも自分で引き取ることを決めます。
- 最終的に、盗聴器や合鍵などは回収されたものの、大量の写真と日記は藤子が保管することになりました。
- 坂本は蒼真に「藤子に二度と近づかないこと」を約束させ、藤子も警察への通報を盾にそれを誓わせました。
【癒しのお隣さんには秘密がある】第32話をネタバレありでわかりやすく解説する
仁科蒼真にストーカー行為をやめることを誓わせ、平穏が戻るかと思われた藤子の日常。しかし、彼が残した爪痕は、目に見えない騒音となって彼女の心を蝕み始めます。そして、思わぬところから、新たな問題が持ち上がるのでした。
ストーカーがいなくなっても、やまない騒音
あの一件から一週間。坂本は毎日、藤子の身を案じていました。 「仁科さんとは 問題なさそう?」 その問いに、藤子は「あれ以来 顔を合わせていないので…大丈夫です」と答えます。 実際に蒼真は大人しくしており、再犯の兆候は見られません。
しかし、藤子の心は晴れませんでした。「引っ越せば?」という坂本の提案にも、「引っ越しません」と頑なに拒否します。 その理由は、彼女自身もよく分かっている「家賃が安いから」という現実的な問題でした。
そんなある日の仕事帰り、藤子はアパートの別の住人である鈴木さんに呼び止められます。 「あのさ 蓬田さんの お隣さんにさ 騒音のこと 注意してくれない?」 ストーカーをやめると宣言したあの日から、蒼真の部屋からは夜な夜な、爆音の音楽や読経など、様々な騒音が聞こえるようになっていたのです。
板挟みになる藤子
鈴木さんは、以前一度、直接文句を言いに行ったことがありました。 しかし、ドアから出てきたのが「すんげぇ綺麗な顔した 兄ちゃん」だったため、驚いて何も言えずに帰ってきたというのです。 「お隣同士だから 俺より注意 しやすいかなって…」 そう頼む鈴木さんですが、藤子にとっては無理な相談でした。 「私は仁科さんと 顔を合わせてはいけない 理由があるんだから」
しかし、困り果てている鈴木さんの姿を見て、「やっぱり…」と、お人好しな性格が顔を出してしまいます。 藤子は思わず「わかりました」「言ってみます」と、その頼みを引き受けてしまうのでした。
心の葛藤と、開かれた過去の記録
どうしよう。約束を破って彼に会うべきか。藤子の心は激しく揺れ動きます。 あの日以来、蒼真は変わらず毎日ベランダの窓を開けていました。 以前の藤子なら、その音を聞けば癒やしを求めてベランダへ向かったはず。しかし今は、その音を聞くだけで体が動かなくなってしまうのです。
部屋に戻った藤子は、蒼真の部屋から持ち帰った「証拠品」の段ボール箱に目をやります。そして、意を決したように、一冊の日記帳を手に取りました。
『藤子さん護衛日記』 気持ち悪い命名だと鳥肌を立てながらも、彼女はそのページをめくり始めます。
そこに記されていたのは、五年前の記憶。派遣社員として働き始めたばかりの頃、付き合っていた彼氏と音信不通になった、辛い時期の記録でした。 今では顔も思い出せない元カレ。 しかし、この日記には、その頃の自分が、鮮明に記録されているのです。盗撮という、許されざる行為によって。
【癒しのお隣さんには秘密がある】32話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、ストーカー事件が解決したかのように見えて、全く終わっていなかったという、後味の悪い現実を突きつけられる回でした。蒼真の起こす騒音問題。これは、藤子に会いたいがための、彼の新たな「SOS」なのでしょうか。それとも、単なる嫌がらせなのか。彼の真意が読めない不気味さが、物語に新たな緊張感をもたらしています。
そして、板挟みになってしまう藤子の姿が、あまりにも痛々しかったです。お人好しな性格が、またしても彼女を苦しめる。分かっているのに断れない彼女の優しさが、読んでいて本当にもどかしいです。
しかし、今回の最大のポイントは、藤子が自らの意思で「護衛日記」を開いたことでしょう。それは、単なる好奇心からではないはずです。辛い過去であっても、盗撮された記録であっても、そこに写る「自分」と向き合おうとする、彼女の強さの表れのように感じました。この行為が、彼女にとって吉と出るのか、凶と出るのか。
失われた時間を取り戻すことはできません。しかし、過去の記録と向き合うことで、藤子は何か新しい一歩を踏み出そうとしているのかもしれません。彼女の心の旅が、ここからまた始まります。
【癒しのお隣さんには秘密がある】32話のネタバレまとめ
- ストーカー事件から一週間、蒼真は藤子の前に姿を現さず、平穏な日々が続いていたかのように見えた。
- しかし、蒼真の部屋からは夜な夜な爆音が鳴り響き、アパートの他の住人から藤子に苦情が寄せられる。
- 蒼真と顔を合わせたくない藤子だったが、住人に頼まれ、注意しに行くことを約束してしまう。
- どうすべきか葛藤する中、藤子は蒼真から回収した「護衛日記」を自らの意思で開き、そこに記された5年前の自分の過去と向き合い始める。
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