【癒やしのお隣さんには秘密がある】31話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 藤子は警察に通報せず、蒼真を信じることを選択。坂本立ち会いのもと、蒼真の部屋でストーカーの証拠品を回収することになりました。
  • 部屋からは大量の盗撮写真アルバムが見つかり、坂本が処分しようとしますが、蒼真は「天使のような写真なのに」と抵抗します。
  • 自分の写真が少ない藤子は、盗撮された自身の日常の写真を見て、「勿体ない」という奇妙な感情を抱き始めます。
  • ついに藤子は「捨てるのをやめましょう」と提案。気に入らない写真だけを選別して捨てると言い出し、坂本を呆れさせるのでした。

【癒しのお隣さんには秘密がある】第31話をネタバレありでわかりやすく解説する

盗撮された自らの写真を選別するという、前代未聞の状況に身を置くことになった藤子。恐怖と、かつての恋心、そして奇妙な愛着が入り混じる中、ストーカー・仁科蒼真とのいびつな共同作業が始まります。

異常すぎる写真選別会

「捨てるのをやめる」という藤子のまさかの提案。それに、最も喜んだのはもちろん蒼真でした。

「そ 僕もその 写真選別…… 参加しても いいですか?」 いつ、どこで、どんな表情で撮ったのか、全て覚えているから役に立つと、彼は悪びれもなく申し出ます

「どの写真も 藤子さんの可愛さが そのまま撮れているので 選ぶのに時間がかかりますが」 そう言って微笑む蒼真の言葉に、藤子は「こんなイケメンに 言われたら 嫌でも照れちゃう」と、ストーカー相手に顔を赤らめてしまうのでした 。その異常な光景に、坂本は「お前何照れてんの」と呆れるしかありません

蒼真は「これ僕の最近の おすすめ写真です」と、ファミレスで勉強する藤子の写真を嬉々として紹介します 。藤子もまた、「わ・・・ 悪くないですね」と、まんざらでもない様子を見せるのでした

明らかになる「護衛日記」の存在

この奇妙な写真選別会の最中、坂本が新たな証拠物件を発見します 。「ああ それは 藤子さん 護衛日記です」と、蒼真はあっさりとその存在を認めました 。 「気持ち悪いな 捨てる」と坂本は即断しますが、藤子は「いや・・・」「一応中身の確認を・・・」と、またしてもそれを制止します 。自分の行動が、いかに詳細に、そして執拗に記録されていたかを目の当たりにし、彼女は改めて戦慄するのでした

下された最終判断

最終的に、藤子はそのおびただしい量の「護衛日記」も、「これも私が 全冊引き取ります」と宣言します 。蒼真は「むしろそうして もらった方が 藤子さんも 安心するでしょう」と、どこか嬉しそうにそれを受け入れました

結果として、その場で捨てられたのは盗聴器などの機械類と、ジップロックに保管されていた収集物の一部だけ 。そして、最も重要な物証である合鍵も無事に回収されたのでした 。 深夜23時41分 。長く、そして奇妙な夜は、ようやく終わりを告げようとしていました。

最後の約束と、消えない不安

全ての作業を終え、坂本は蒼真に最後の通告をします。 「もう蓬田に怖い思いさせないでくれよ?」 「蓬田が許可するまで 近づかない 話しかけない 姿を現さない」「これを 徹底すること」 藤子もまた、「それが できないなら ・・・今度こそ 警察に言います」と、強い口調で釘を刺します 。蒼真は、絶望の色を浮かべながらも、「・・・わかりました」と、その条件を受け入れました

坂本に送ってもらい、一人アパートの前に立つ藤子。「お陰でなんとか 収拾がついたというか」と感謝する彼女に、坂本は厳しい現実を突きつけます 。 「日常がこんな風に 変わっちまったんだから 一件落着でもねーだろ」 彼は、藤子の「思ってた以上に お人好し」な性格を最後まで心配するのでした

一人になった部屋で、藤子は思います。まさか、あんな形で楽しかった日々が終わってしまうなんて 。もし、彼がストーカーだと知らなければ、これからも何も知らずに癒やされていたのだろうか… 。 いや、そんなはずはない。失われた時間は、もう二度と戻らないのです

【癒しのお隣さんには秘密がある】31話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、もはやホラーを通り越して、一種のブラックコメディを見ているかのような、異様な空気に満ちた回でした。被害者と加害者が、和気あいあい(?)と盗撮写真を選別する。文字にすると完全に狂気の沙汰ですが、藤子の「自分の写真が少ない」という背景が、この異常な行動に奇妙な説得力を持たせていて、作者の人間心理の描き方の巧みさに唸らされました。

蒼真の悪びれない態度も、ここにきて一周回って清々しささえ感じます。「おすすめ写真」をプレゼンしたり、自分の知識をひけらかしたり、彼はもはや自分がストーカーであることなど忘れて、ただただ藤子と過ごせるこの瞬間を楽しんでいるように見えました。その純粋さが、彼の狂気の根深さを物語っています。

そして、この異常な状況における唯一の良心、坂本先輩。彼の的確なツッコミと、最後まで藤子を案じる優しさには、本当に救われます。「一件落着でもねーだろ」というセリフは、読者の気持ちを代弁してくれる名言でした。

藤子は、ストーカー行為をやめさせ、合鍵も回収し、一応の「解決」を見たかのように思えます。しかし、坂本の言う通り、これは決して終わりではありません。ストーカーが残した心の傷跡と、失われた日常。藤子はこれから、この現実とどう向き合っていくのでしょうか。そして、蒼真は本当に、このまま引き下がるのでしょうか。一抹の不安を残す、見事な幕引きでした。

【癒しのお隣さんには秘密がある】31話のネタバレまとめ

  • 藤子の提案により、被害者である藤子と加害者である蒼真、そして立会人の坂本という奇妙なメンバーで盗撮写真の選別会が始まった。
  • 蒼真は撮影時の状況を詳細に語り、おすすめの写真を提示するなど、積極的に選別に参加した。
  • 「護衛日記」と名付けられたストーカー日記も発見されたが、藤子はそれも処分せずに自分で引き取ることを決めた。
  • 最終的に、盗聴器や合鍵などは回収されたが、大量の写真と日記は藤子が保管することになった。
  • 坂本は蒼真に「藤子に二度と近づかないこと」を約束させ、藤子も警察への通報を盾にそれを誓わせた。

◁前の記事はこちらから

あわせて読みたい
【癒やしのお隣さんには秘密がある】30話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説
【癒やしのお隣さんには秘密がある】30話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

▷次の記事はこちらから

あわせて読みたい
【癒やしのお隣さんには秘密がある】32話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説
【癒やしのお隣さんには秘密がある】32話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
記事URLをコピーしました