【癒やしのお隣さんには秘密がある】44話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 会社の歓迎会で、新入社員の高山が藤子に積極的にアプローチし、「ライバルがいても気にしない」と恋の宣戦布告をしました。
  • その夜、嫉妬した蒼真は藤子を強引に自室へ連れ込み質問攻めにしますが、藤子が本気で怒るとすぐに謝罪します。
  • 部屋に戻った藤子は、蒼真との関係がもはや「癒やし」ではなく、「疲れ」を感じるものに変わってしまったと苦しんでいました。

【癒しのお隣さんには秘密がある】第44話をネタバレありでわかりやすく解説する

嫉妬に狂う蒼真の行動に、癒やされるどころか疲れを感じてしまった藤子。二人の歪な関係は、クリスマスという特別な季節の中で、新たな局面を迎えます。

奇妙なプレゼントと、隠された本音

クリスマスが過ぎたオフィスで、藤子は後輩の田辺にささやかなプレゼントを渡します。大喜びする田辺は、早速「クリスマスイヴはどうでしたか?」と、蒼真との関係を尋ねてきました。 もちろん、高山に嫉妬した蒼真に部屋へ連れ込まれた、などという事実は話せるはずもなく、藤子は「なにもなかった」と笑顔で誤魔化すのでした。

しかし、蒼真からクリスマスプレゼントをもらったことは正直に話します。そのプレゼントとは、なんと**「防犯ブザー」**。 普通、好きな相手に贈るプレゼントとしてはあまりに異質なそのチョイスに、田辺も「なにそれ?」と不思議そうな顔。蒼真なりに、何かあった時のために、という心配りなのでしょうが、その思考回路はやはりどこかズレているようです。 それでも、なんだかんだ言いながら、その防犯ブザーを鞄につけてしまう藤子。彼女のその行動が、蒼真への複雑な想いを物語っていました。

許してはいない、けれど…

仕事の帰り道、藤子は仁科へのお礼を兼ねて、クリスマスプレゼントを選んでいました。弟の利宗もお世話になった手前、何もしないわけにはいかないと考えたのです。

その夜、いつものようにベランダで顔を合わせた二人。藤子がプレゼントを渡すと、蒼真は「初めてのプレゼントだから大事にします!」と、子供のようにはしゃいで喜びます。その純粋な反応に、藤子の心も少しだけ温かくなりました。

そんな中、蒼真はふと真剣な表情で、藤子に尋ねます。 「ナゼまだ話をしてくれるのか?」 ストーカーだと知ってもなお、自分とこうして話してくれる理由が、彼には分からなかったのです。 藤子は、少し考えた後、静かに、しかしはっきりと答えました。 「まだ仁科さんのしたのことは許してないけど、私のことを誰よりも知ってくれてるから」 その言葉は、拒絶でも、完全な肯定でもない、藤子の正直な気持ちでした。

肯定されたストーカーと、抗えない「キュン」

藤子の答えを聞いた蒼真は、嬉しそうに、そしてどこか誇らしげに言います。 「陰ながら5年も見守っていたので」 まるで自分のストーカー行為が正当化されたかのように自信満々に語るその姿に、藤子は思わず呆れてツッコミを入れてしまいました。 「ただ陰ながら見ていただけですよね?」

鋭い指摘に、先ほどまでの勢いはどこへやら、シュン…と子犬のように落ち込んでしまう蒼真。そのあまりにも分かりやすい反応に、藤子は「ときめいたらいけない」と自分に言い聞かせながらも、思わず「キュン」としてしまうのでした。 この人は、恐ろしいストーカー。でも、放っておけない。その抗えない魅力に、藤子の心は再びかき乱されていくのです。

【癒しのお隣さんには秘密がある】44話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、恐怖と恋愛感情の境界線がますます曖昧になっていく、藤子の複雑な心理描写が非常に巧みな回でした。クリスマスプレゼントに「防犯ブザー」を贈る蒼真くんのセンス、相変わらず斜め上を行っていて最高ですね!心配しているのは伝わるのですが、その発想がストーカーのそれなのよ、とツッコミを入れたくなりました。

そして、そんな異常なプレゼントを、結局は身につけてしまう藤子の行動。ここに、この物語の根深いテーマが隠されているように感じます。怖い、許せない、でも、どこかで彼の存在を求めてしまっている。このアンビバレントな感情こそが、ストーカー被害者のリアルな心理なのかもしれません。

蒼真くんが自分のストーカー行為を「5年も見守っていた」と正当化したシーンには、思わず笑ってしまいました。彼のこの悪びれない純粋さが、彼の最大の武器であり、そして最も恐ろしい部分ですよね。そんな彼に、藤子が的確にツッコミを入れ、シュンとさせてしまう。この二人のやり取りは、もはや熟練の夫婦漫才のようです。

「キュン」としてしまう藤子の気持ち、女性なら少し分かってしまうのではないでしょうか。ダメだと分かっていても、可愛いと思ってしまう。この抗えない感情こそが「恋」なのでしょう。二人のこの奇妙な関係は、果たして純粋な恋愛へと昇華される日が来るのでしょうか。

【癒しのお隣さんには秘密がある】44話のネタバレまとめ

  • 藤子は、蒼真からもらったクリスマスプレゼントの「防犯ブザー」を鞄につけていた。
  • お礼として、藤子は蒼真にクリスマスプレゼントを渡すと、彼は「初めてのプレゼントだ」と大喜びする。
  • なぜまだ話をしてくれるのか、という蒼真の問いに、藤子は「許してはいないが、誰よりも自分のことを知ってくれているから」と答える。
  • 自分のストーカー行為を正当化する蒼真に藤子がツッコミを入れると、彼は子犬のように落ち込み、その姿に藤子は思わずときめいてしまう。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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