復讐モノ

【未来は私の言う通り 復讐の占い師】12話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 物語は再び現在へ。美都の元に、友梨佳から「母親を殺すことはできない」と呪いをキャンセルするメッセージが届く
  • 美都は、友梨佳が復讐の道を選ばなかったことに安堵している様子を見せる
  • しかし、美都は街中で、友梨佳がビルから飛び降りて亡くなったという衝撃的な現場に遭遇してしまう
  • 友梨佳の死は「自殺」として扱われているが、真相は不明
  • 深いショックを受けた美都は、帰宅後も心ここにあらずの状態で、妹の亜子に心配される
  • 美都は亜子に真実を話せず、「客に文句を言われた」と嘘をついてごまかした

【未来は私の言う通り復讐の占い師】第12話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、呪いをキャンセルしたはずの友梨佳が、謎の死を遂げるという衝撃的な展開で幕を閉じました。第12話では、友梨佳の死に深い後悔と怒りを抱く美都が、彼女のために復讐の代行者となることを決意します。物語は、よりダークで、より切ない領域へと踏み込んでいきます。

友梨佳の死、残された後悔

友梨佳の死から一夜明け、美都は深い喪失感の中にいました。「昨日は本当に知らぬ間に家にいた……仕事した記憶もない……」。ショックのあまり、昨日の記憶さえ曖昧になっています。

彼女の脳裏に浮かぶのは、友梨佳の最後の姿と、彼女が下した「正しい」決断でした。

(友梨佳ちゃんはキレイなままで死んでいった…) (でも本当にこれで…)

友梨佳が手を汚さずに済んだことを肯定しながらも、その結末が「死」であったことに対し、美都はやり場のない疑問と後悔を抱えていました。自分が呪っていれば、彼女は死なずに済んだのではないか。そんな考えが、美都の心を重く支配していました。

葬儀場で見つけた”鬼”の姿

街をさまようように歩いていた美都は、偶然**「玉井友梨佳 葬儀式場」**という看板を目にします

「最後のお別れを言わないとね 友梨佳ちゃん……」

彼女は、友梨佳に最後の別れを告げるため、式場へと向かいます。しかし、そこで美都が目の当たりにしたのは、人の心を持たない、まさに”鬼”と呼ぶべき母親の姿でした。

式場の隅で、友梨佳の母親は、娘の遺影に向かって罵詈雑言を浴びせていたのです。

「このクソ娘!勝手に死にやがって!」 「お前にいくらかけたと思ってるんだ!金喰い虫め!」

亡くなった娘を悼むどころか、金のことしか考えない。そのあまりにも非道な姿に、美都の表情から感情が消えていきます。

美都の決意、代理の復讐者

母親の醜い姿を見た瞬間、美都の心は決まります。彼女の脳裏に、友梨佳が残した「やっぱり私は母を死なせることはできません」という、優しすぎるメッセージが蘇ります 。そして、あの時友梨佳のために用意した呪いの力が、まだ自分の中に残っていることを確信します

友梨佳は、最後まで「人」であろうとしました。しかし、その優しさが彼女の命を奪った。ならば。

「キレイなままで死んだアナタの代わりを務めてあげるわ」 「真っ黒な私が」

美都は、友梨佳に代わって、自らが復讐の代行者となることを固く誓ったのです。

偽りの弔問客、始まる復讐

美都は、何食わぬ顔で友梨佳の母親に近づきます。「えーと……」と訝しむ母親に対し、彼女は澱みなく嘘をつきました。

「友梨佳さんが小学生の頃に副担任をしておりました 俵と申します」

元教師という身分を信じ込ませると、母親はさらに娘への不満を漏らし始めます。「あれだけ教育費をかけたのに親不孝な娘ですよ」「ほんと大損だわ」

美都はそんな母親の言葉を静かに聞き流し、「最後にお顔を見てもよろしいでしょうか?」と棺のそばへ向かう許可を得ます

安らかに眠る友梨佳の顔を見つめ、美都は心の中で、しかし力強く語りかけます。

「友梨佳ちゃん 後は私に任せて」

そして、振り返った彼女の瞳は、もはや人間のそれではありませんでした。母親の前に立った美都は、静かに、そして恐ろしい圧を込めて、復讐の始まりを告げるのです。

「あの世であの子に謝りなさい」

その言葉に、母親が「何な…?」と反応した瞬間、美都の呪いが発動しようとしていました。

【未来は私の言う通り復讐の占い師】12話を読んだ感想(ネタバレあり)

第12話は、美都の怒りと悲しみが頂点に達し、彼女が単なる「復讐代行屋」から、一人の少女の無念を晴らすための「代理人」へと変貌を遂げる、非常に重要な回でした。友梨佳の死に対する後悔の念が、母親の非道な言動によって、燃え盛る復讐心へと昇華していく様は、読んでいて鳥肌が立ちました。

特に、葬儀場で娘を罵る母親のシーンは、人間の醜悪さの極みを見せつけられたようで、強烈な不快感と怒りを覚えました。自分の娘が亡くなったというのに、悲しむどころか「金喰い虫」「大損」と言い放つ。もはや言葉もありません。こんな母親の元で、友梨佳がどれほどの地獄を生きてきたのかを思うと、涙が出そうになります。

そんな中、美都の「キレイなままで死んだアナタの代わりを務めてあげるわ」という決意は、この救いのない物語における一筋の光のように感じられました。友梨佳は、最後まで人を殺めるという罪を犯さなかった。その尊い選択を守るために、美都が自ら「真っ黒」になることを選ぶ。これは、美都なりの友梨佳への最大限の弔いであり、彼女が持つ歪んだ、しかし純粋な正義の発露なのだと思います。

最後の「あの世であの子に謝りなさい」というセリフは、まさに決め台詞。ここから一体どんな地獄が母親を待ち受けているのか。友梨佳の無念が晴らされる瞬間を、固唾をのんで見守りたいと思います。

【未来は私の言う通り復讐の占い師】12話のネタバレまとめ

  • 友梨佳の死に対し、美都は「自分が呪っていれば…」という後悔の念に苛まれる
  • 美都は偶然見つけた友梨佳の葬儀場へ向かい、そこで娘の死を罵る母親の姿を目撃する
  • 母親の非道な姿に激しい怒りを覚えた美都は、友梨佳のために自分が復讐することを決意する
  • 美都は、友梨佳の元教師と身分を偽り、母親に近づく
  • 友梨佳の亡骸に別れを告げた後、美都は母親に向かって呪いの発動を予感させる言葉を告げた

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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