2025.10.19

【未来は私の言う通り復讐の占い師】16話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー

前話のおさらい

ホームレスの男性は、ガラの悪い若者たちに追い詰められ、助けを求めるも誰にも助けてもらえない
若者たちは男性に集団で暴行を加え、その様子を「泥棒を成敗した」という虚偽の内容でSNSに投稿した
暴行動画は450万回以上再生され、若者たちは多額の広告収入を得る
美都は、ニュースで事件を知り、自分が占った時に暴行の未来を予知し損ねたことに気づき、後悔する
そこへ、事件の主犯格である若者のリーダーが、何も知らずに金運を占ってほしいと来店した

Contents

【未来は私の言う通り復讐の占い師】第16話をネタバレありでわかりやすく解説する
【未来は私の言う通り復讐の占い師】16話を読んだ感想（ネタバレあり）
- 【未来は私の言う通り復讐の占い師】16話のネタバレまとめ

【未来は私の言う通り復讐の占い師】第16話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、自らが不幸の引き金を引いてしまったかもしれないという後悔に苛まれる美都の元に、最悪の客が訪れたところで幕を閉じました。第16話では、その胸糞悪い若者と美都が対峙します。そして、物語は悲劇の被害者が遺した、あまりにも切ない愛の形を描き出します。

最悪の来訪者、再び

「次の方どうぞ〜」

美都の店にやってきたのは、ホームレス殺傷事件の主犯格である若者、神田晴彦（かんだはるひこ）とその彼女でした。何も知らない彼は、ヘラヘラした態度で席に着きます。

まず占ったのは彼女の金運。「お金は入るけどすぐなくなっちゃう感じですね〜」という美都の占いに、「嘘〜もう最悪！！」と彼女は不満を漏らします。

その様子を見ていた晴彦は、美都を試すように挑発的な態度を取ります。

「じゃあ俺がどんな大物になるか見てくれよ」

水晶に映る「逮捕」の未来

美都は、表情を変えずに彼の名前と生年月日を聞き出します。そして水晶玉を覗き込んだ彼女の口から告げられたのは、晴彦が望んでいた未来とは似ても似つかない、衝撃的な予言でした。

「逮捕される未来が見えますね〜」

一瞬、時が止まります。美都は、冷たい目で晴彦をじっと見つめ、静かに、しかし鋭く問いかけました。

「何かしたんですか？」

その言葉は、彼の罪を全て見透かしているかのようでした。

傲慢な態度と捨てられた代金

図星を突かれたのか、晴彦は逆上します。「所詮は占いだろ」「調子乗んな」。彼は占いを信じる気など毛頭なく、ただの遊びとしか思っていなかったのです。

代金も払わずに店を出ていこうとする二人。美都が「お客さんお代忘れてますよ」と呼び止めると、晴彦は振り返り、くしゃくしゃに丸めた千円札を床に投げ捨てました。

「ほらよ」

そのあまりに傲慢で無礼な態度に、他の客たちも「あんな彼氏持っている彼女がかわいそうだわ」と呆れ返るのでした。

事件現場への手向けと、悲しき再会

その日の仕事終わり、美都の足は自然と花屋へと向かっていました。「あの人に…花くらい…」。彼女は、亡くなったホームレスの男性のために、ささやかな花束を買い求めます。

そして、彼が命を落とした、冷たい裏路地へと向かいました。そこには、誰かが供えたであろうお酒が置かれています。美都が花を供えようとしたその時、路地の奥で、一人の女性が泣き崩れていることに気づきます。

彼女は、亡くなった男性に語りかけるように、悲痛な声を上げていました。

「なんで…死んでしまったの…？」 「私はアナタが隣にいないのにどうやって生きればいいの？」

その姿を見て、美都は悟ります。（この人…まさか……）。

そう、彼女こそが、あのホームレスの男性が5000万円を当てて「恩返しがしたい」と語っていた、最愛の妻だったのです。

【未来は私の言う通り復讐の占い師】16話を読んだ感想（ネタバレあり）

第16話は、怒りと悲しみが交互に押し寄せる、感情のジェットコースターのような回でした。前半の、晴彦の胸糞悪い態度は、本当に許しがたい。人を殺めておきながら、何の罪悪感もなく、自分の将来を「大物になる」と信じて疑わない。その傲慢さと想像力の欠如に、人間の醜悪さの底を見せられた気がします。

だからこそ、美都の「逮捕される未来が見えますね〜」という予言には、心の底から「よく言った！」と快哉を叫びました。これは単なる占いではなく、美都による「お前は必ず裁かれる」という、力強い宣戦布告だったのだと思います。彼女の冷徹な瞳の奥に、燃え盛る怒りの炎が見えた気がしました。

そして、後半の展開。美都が花を手向けに行くシーンは、彼女の後悔と、亡くなった男性へのせめてもの弔いの気持ちが伝わってきて、胸が締め付けられました。彼女は決して、ただの冷酷な復讐代行者ではないのです。

最後の、奥さんとの再会のシーンは、涙なしには読めませんでした。夫が人生をかけて手に入れようとした幸せの、すぐそばまで来ていたのに、その全てを理不尽な暴力によって奪われてしまった。彼女の「どうやって生きればいいの？」という悲痛な叫びは、読者の心にも深く突き刺さります。この悲劇を目の当たりにした美都が、次なる復讐にどう動くのか。もはや、これはただの仕事ではない。彼女自身の正義をかけた戦いの始まりを、強く予感させる終わり方でした。