復讐モノ

【未来は私の言う通り 復讐の占い師】22話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 水晶に映った虐待の光景が消え、美都は朝陽に両親の名前を尋ねる
  • 朝陽の両親は「俵洋平」と「俵みちる」であり、美都と亜子を捨てた両親と同一人物であることが判明する
  • これにより、朝陽が美都の実の弟であることが明らかになった
  • 朝陽は、虐待を「教育」だと信じ込まされており、「いい子」になれば両親に愛してもらえると信じていた
  • 美都は、朝陽に「お守り」と偽って追跡装置(SpotTag)を渡し、両親の居場所を突き止める準備を始める
  • 過去の忌まわしい記憶が蘇り、美都は強烈な吐き気に襲われる

【未来は私の言う通り復讐の占い師】第22話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、目の前に現れた少年・朝陽が、自分たち姉妹を捨てた両親の息子であり、実の弟であるという衝撃の事実に直面した美都。第22話では、彼女の過去の回想が続き、妹・亜子がなぜ車椅子での生活を送ることになったのか、そのあまりにも悲劇的な真実と、美都が復讐の道へ足を踏み入れることになった決定的な出来事が描かれます。

飛び降りた姉妹、しかし…

物語は、7年前のあの雪の夜に戻ります。全てに絶望し、手を取り合ってベランダから飛び降りた美都と亜子。「これで楽になれるんだ…」という美都のモノローグが、当時の彼女の絶望の深さを物語っています。

しかし、彼女たちの願いは叶いませんでした。

「おい 人が飛び降りたぞ!」「救急車を呼べ!」

二人が身を投げたところを通行人に目撃され、彼女たちは皮肉にも、その命を救われてしまったのです。

目覚めた病院、突きつけられた残酷な現実

妹の安否

次に美都が意識を取り戻したのは、冷たい病院のベッドの上でした。「ここは…病院…?」状況が理解できず混乱する美都の脳裏に浮かんだのは、ただ一つ、最愛の妹の安否でした。

「なんで私生きてるの…?」という絶望よりも先に、彼女は看護師に必死に問いかけます。

「私の妹は!?」

その必死の形相から、彼女がいかに妹を大切に思っているかが痛いほど伝わってきます。看護師に導かれ、美都は亜子が入院している病室へと向かいました。

一生消えない傷

病室のベッドで眠る亜子の姿。医師から告げられた現実は、あまりにも残酷なものでした。

「俵亜子さん だけど一命は取り留めた…」 「でも足に障害が残ってね…」「今後は一生 車いすで……」

その言葉は、美都の心を粉々に打ち砕きました。自分が一緒に死ぬことを選んだせいで、妹に一生消えることのない傷を負わせてしまった。

「亜子…ごめん…」 「私のせいで……」

自責の念に駆られ、泣き崩れる美都。彼女の悲痛な叫びが、静かな病室に響き渡りました。

鬼畜の両親、最後の裏切り

姉妹の悲劇は、それだけでは終わりませんでした。そこへ、連絡を受けた両親が見舞いにやってきます。しかし、彼らの口から発せられたのは、娘を心配する言葉ではなく、人の心を持たない、悪魔のような罵声でした。

「姉妹2人して迷惑かけて!」「いくらかかると思ってんのよ!」 「死ねばよかったのによお」

我が子に向かって、平然と「死ねばよかった」と言い放つ父親。さらに、彼は決定的な一言で、姉妹を完全に見捨てます。

「治療費なんてもんウチにはねーぞ」

この非道すぎる言葉に、美都の心は完全に壊れてしまいました。「わああああああ」と絶叫し、錯乱状態に陥った彼女は、看護師たちに取り押さえられるのでした。

復讐の誓い

その後、両親は「金がかかるし面倒だという判断をしたのだろう」と、美都と亜子を病院に置き去りにして、姿を消してしまいました。実の親に、二度も捨てられたのです。

全てを失い、心も体もボロボロになった美都。病室のベッドで一人、虚空を見つめる彼女の瞳からは、血の涙が流れていました。そして、その瞳の奥に、静かですが、決して消えることのない、真っ黒な炎が燃え上がります。

(アイツらが壊した…亜子も私も…) 「復讐してやる…」 (どんな思いをしても)

この瞬間、ただの心優しい少女だった美都は死に、復讐の鬼が生まれたのです。これが、現在の占い師・美都の全ての原点でした。

【未来は私の言う通り復讐の占い師】22話を読んだ感想(ネタバレあり)

第22話は、これまで断片的に描かれてきた美都の過去の、最も核心に触れる部分が描かれ、読んでいて何度も息が止まりそうになりました。亜子が車椅子になった直接の原因が、やはりあの時の飛び降りだったという事実に、胸が締め付けられます。そして、その引き金を引いたのが、紛れもなくあの鬼畜のような両親であることに、心の底からの怒りが湧き上がってきます。

特に、病院での両親の言動は、人間の醜悪さを凝縮したかのようで、もはや反吐が出そうでした。「死ねばよかった」「治療費はない」。自分の子供が死にかけているというのに、出てくる言葉がこれです。彼らは、親である以前に、人間として完全に終わっています。こんな親に育てられた美都と亜子の絶望は、どれほど深かったことでしょう。

だからこそ、最後の美都の復讐の誓いのシーンは、あまりにも壮絶で、そして悲しくも美しいと感じました。全てを奪われ、壊された少女が、生きるための唯一の目的として「復讐」を見出した。彼女が血の涙を流しながら復讐を誓う姿は、ダークヒロイン誕生の瞬間として、脳裏に焼き付いて離れません。

弟・朝陽の存在が、この地獄のような過去とどう結びついていくのか。美都の長年にわたる復讐計画が、ついに実行に移される時が来たのかもしれません。物語は、もう後戻りできない、最大のクライマックスへと向かっていることを確信させる回でした。

【未来は私の言う通り復讐の占い師】22話のネタバレまとめ

  • 7年前、飛び降りた美都と亜子は一命を取り留めるが、助かってしまう
  • 美都は無事だったものの、亜子は足に重い障害を負い、一生車椅子での生活を余儀なくされる
  • 病院に見舞いに来た両親は、姉妹を「迷惑だ」「死ねばよかった」と罵倒し、治療費の支払いを拒否する
  • その後、両親は「金がかかるし面倒」という理由で、病院に姉妹を置き去りにして失踪した
  • 全てを奪われ、絶望の淵に立たされた美都は、両親への復讐を固く誓うのだった

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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