【みいちゃんと山田さん】22話あらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 恋人であるマオの暴力から逃れるため、みいちゃんは山田さんに助けを求めました。
  • マオはみいちゃんのペット「ハムカツ」を人質にとり、翌日一緒にラオスへ高飛びする計画を立てていました。
  • しかし、山田さんの隣で安心して眠ってしまったみいちゃんは寝過ごしてしまいます。
  • 空港で待ちぼうけを食らったマオは、人身売買の約束を破った罰として、自分が代わりに連れ去られてしまいました。

【みいちゃんと山田さん】第22話をネタバレありでわかりやすく解説する

悪夢からの目覚めとフライトの遅刻

物語は、山田さんの家で目覚めたみいちゃんの絶望的な表情から始まります。時刻は午前9時45分。マオと一緒にラオスへ発つはずだった飛行機は、「今からじゃもう間に合わないよー!!!」 という状況です。

みいちゃんは慌ててマオに連絡を取ろうとしますが、メッセージに既読はつかず、返信もありません。 彼女は山田さんに、マオにスマホを取り上げられ、山田さんと連絡を取ることを禁じられていたのだと涙ながらに打ち明けます。 これまで山田さんからの連絡を無視していたように見えたのは、みいちゃん自身の意思ではなかったのです。

ペットの命と旅行の天秤

マオに嫌われたかもしれないと泣きじゃくるみいちゃん。 そんな彼女に山田さんは、「・・・そんな奴には嫌われたっていいじゃん」と冷静に告げ、自分はみいちゃんを嫌いになっていないと優しく伝えます。

しかし、山田さんは続けて厳しい問いを投げかけます。「ハムカツはどうするつもりだったの?」 。旅行の間、ペットであるハムカツの世話をどうするつもりだったのか、と。まだ暑い時期の空調、小屋の掃除、そして餌やり。 どれか一つでも欠ければ、ハムカツは病気になったり、最悪の場合飢え死にしてしまいます。

山田さんの「それができないなら ママになる資格ないよ?」という言葉に、みいちゃんはハッとします。 自分の考えが及んでいなかったことに気づき、「ごめんねハムカツ!」と心から謝るのでした。 生まれてから一度も旅行をしたことがなく、ただ行きたかった、という純粋な願いが、大切な存在への配慮を忘れさせてしまっていたのです。

山田さんと行く、初めての「キチィランド」

みいちゃんの悲痛な思いを汲み取った山田さんは、「・・・じゃあ 私とどっか行く?」と提案します。 それは、ハムカツの世話もできる日帰り旅行でした。

この提案に、みいちゃんの表情は一瞬で輝きます。 行き先は、テーマパークの「キチィランド」。 一度家に帰って着替えまで済ませたみいちゃんは、パークの雰囲気に大興奮です。

彼女はキャラクターの耳をつけ、恥ずかしがる山田さんにも「一緒につけないとヤダヤダヤダ!!!!!」と駄々をこねてお揃いでつけることに成功します。 その無邪気な姿は、これまでの過酷な日常を忘れさせるほど楽しそうでした。

満たされなかった過去の自分との対話

一方、みいちゃんに押し切られる形でキャラクターの耳をつけた山田さん。彼女の脳裏には、過去の記憶が蘇っていました。

学生時代、友達をキチィランドに誘ったものの、「受験戦争はすでに始まってるのよ」と断られてしまった経験があったのです。 周りでキチィランドに行ったことがないのは自分だけだったという、ほろ苦い思い出。

しかし、今こうしてキチィランドにいることで、「夢見ていたのに叶わなかった体験ができて あの頃の私が成仏していくのを感じる・・・・・・!!!」 と、過去の満たされなかった思いが昇華されていくのを感じるのでした。

「理由」を教えるということ

楽しい時間は続きますが、みいちゃんの自由奔放な行動は、社会のルールと衝突します。人混みでのダッシュ、展示物に触る、列への割り込み、ポイ捨て、乗り物から身を乗り出すこと。 そのたびに山田さんは「だめ」と注意します。

みいちゃんは、「楽しいって思うこと やりたいだけなのに みんなにとってそれが迷惑みたい」と感じ、怒られるのが嫌だとしょげてしまいます。

その様子を見た山田さんは、あることに気づきます。みいちゃんには、今まで社会のルールを「なぜそれがいけないのか」という理由まで含めて根気強く教えてくれる人がいなかったのではないか、と。

そこで山田さんは、「それなら私が教えてあげよう」と決意します。 「並ばないと不公平でしょ」、「ケガするよ まわりの人にも迷惑だよ」と、一つひとつ丁寧に理由を説明しました。 するとみいちゃんは、「ちゃんと並ぶとみんなに睨まれないんだね!」と素直に理解し、嬉しそうな笑顔を見せるのでした。

本当の「楽しい」と予期せぬ来訪者

山田さんのおかげで、ルールを守る大切さを学んだみいちゃん。二人は心からキチィランドを楽しみます。

その時、山田さんはみいちゃんの腕にある傷に気づきます。 それは、お店で仲良くなった友達に「これやると気持ちいいって教えてもらった」もの、つまり自傷行為の痕でした。 山田さんは「ロクな友達じゃないな」と一蹴し、「そんな友達やマオよりさ・・・ 私と遊ぼうよ」「今日みたいにそっちの方が楽しいよ」 と、まっすぐに伝えます。

みいちゃんは満面の笑みで「うん マオくんといるのより山田さんといるのが楽しい!!!!」と答え、二人の絆はさらに深まるのでした。

楽しい一日が終わり、帰路につく二人。 名残惜しいみいちゃんは「今日もうちに泊まる?」という山田さんの誘いに大喜びします。 しかし、アパートの共用廊下で、床に座り込んでいる人影を発見。

早速学んだルールを実践しようと「床に座るのはいけないんだあ〜!!!」と指摘するみいちゃん。 その先にいたのは、なんと山田さんの母親でした。 険しい表情の母親を前に、事態が飲み込めないみいちゃんが放った「これが友達ッ!?」という一言で、物語は幕を閉じます。

【みいちゃんと山田さん】22話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回の22話は、マオとの地獄のような関係から解放されたみいちゃんが、山田さんと過ごすことで人間らしさを取り戻していく、非常に感動的な回でした。

前半、ペットのハムカツへの配慮が全くできていなかったみいちゃんを、山田さんが厳しくも愛情をもって諭すシーンは、この物語の核心の一つだと感じます。ただ甘やかすのではなく、人として、生き物を飼う者としての責任を教える山田さんの姿に、彼女の不器用な優しさと誠実さが見えました。

そして、キチィランドでの一日は、単なる楽しい思い出作り以上の意味を持っていたように思います。社会のルールを知らなかったみいちゃんに、その「理由」を丁寧に教える山田さん。それは、これまで誰からも与えられなかった、本当の意味での「教育」であり「愛情」だったのではないでしょうか。「ちゃんと並ぶと睨まれないんだね!」と喜ぶみいちゃんの笑顔は、彼女がこれまでどれだけ他人の負の感情に晒されてきたかを物語っており、胸が締め付けられました。

また、山田さん自身も、この一日を通して過去の自分を癒やしているのが印象的です。みいちゃんを救うことが、結果的に山田さん自身の救いにも繋がっている。二人が互いにとってかけがえのない存在になっていく過程が、とても丁寧に描かれていました。

最後の最後で登場した山田さんのお母さん。その険悪な雰囲気は、山田さんが抱える問題の根深さを予感させます。みいちゃんという存在が、山田さんの凍てついた家族関係にどのような影響を与えていくのか。幸せな一日の終わりに訪れた不穏な空気に、次回の展開が気になって仕方がありません。

【みいちゃんと山田さん】22話のネタバレまとめ

  • みいちゃんはマオとのラオス行き飛行機に乗り遅れる。
  • 山田さんは旅行でペットを放置することの危険性をみいちゃんに教え、みいちゃんは深く反省する。
  • 二人は日帰りでテーマパーク「キチィランド」へ行き、楽しい一日を過ごす。
  • 山田さんは、社会のルールを知らないみいちゃんに、その理由を丁寧に説明し、みいちゃんは素直に学ぶ。
  • 山田さんは、自傷行為を教えるような友人やマオではなく、自分と遊ぶ方が楽しいとみいちゃんに伝える。
  • 二人の絆が深まった帰り道、山田さんのアパートの前で彼女の母親が待ち構えていた。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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