復讐モノ

【砕かれた7つの約束】22話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • カードを凍結された兄弟たちは、それを雲舒が自分たちの気を引くための芝居だと勘違いし、反省の色を見せませんでした。
  • 祈年は、雲舒が心から謝罪してこない限り、自分は顧家に戻らないと、傲慢な態度を崩しません。
  • 一方、雲舒はリビングで、兄弟たちに関する思い出の品々を「ただの憂さ晴らし」として、静かに全て処分し始めます。
  • 幼い頃に交わした「永遠に一緒にいる」という約束が写る写真を、雲舒は冷めた表情で見つめ、過去との完全な決別を示しました。

【砕かれた7つの約束】第22話をネタバレありでわかりやすく解説する

過去の思い出を静かに処分し、未来へと歩み始めた顧雲舒(コ・ウンス)。一方、病院では、現実を受け入れられない兄弟たちが、悪女の涙に騙され、さらなる勘違いの泥沼へと沈んでいきます。第22話は、断ち切られる最後の絆と、それに気づくことすらできない男たちの悲哀が描かれます。

最後の思い出、ゴミ箱へ

物語は、顧家のリビングから始まります。前回のラストで、思い出の写真立てを手に取った雲舒。彼女はそれを、何の感情も浮かべないまま家政婦に差し出し、静かに、しかしはっきりと告げました。

これを一緒に捨ててちょうだい。それと、今後は彼らを若様と呼ばないで。これからは彼らと私、顧家は、何の関係もないわ

それは、単に思い出の品を捨てるという行為以上の、重い意味を持つ言葉でした。「若様」という呼称を禁じることで、彼らがこの家で持っていた特別な地位、そして家族としての関係性を、公式に、そして完全に取り消したのです。20年という歳月は、この瞬間、一枚の写真と共にゴミ箱へと葬り去られました。

悪女の涙と愚者の誓い

場面は変わり、病院の廊下。自分たちのカードが使えないという現実に直面しながらも、なお傲慢な態度を崩さない兄弟たちの前に、病室から出てきたジャン・シャオシャオが、心配そうな表情で現れます。

「お姉様は、まだ怒ってるの?全部わたしのせいだ…あなたたちはやっぱり顧家へ帰って。私一人で病院にいても、大丈夫だから」

自らを犠牲にするかのような、あまりにも健気な言葉。もちろん、これは全て彼女の計算ずくの演技です。しかし、単純な兄弟たちは、その嘘にいとも簡単に騙されてしまいます。

「どうしてお前に辛い思いをさせられるか。この顧雲舒のメンツなんて、お前の健康ほど重要じゃない」

さらにシャオシャオは、「私のせいで、あなたたちのクレジットカードを止めたのよ」と、巧みに罪悪感を煽ります。その言葉に、兄弟たちの怒りの矛先は、完全に雲舒へと向けられました。 「迷惑だなんて言うな。この顧雲舒こそが諸悪の根源だ!」 「俺たちには手も足もある。カードを止められたって、平気だ」

彼らは、シャオシャオを守る正義の騎士気取りで、自分たちの無力さを強がりで隠し、雲舒への憎しみを募らせていくのでした。

断ち切られた最後の糸

「ダメだ。顧雲舒はひどすぎる。彼女に電話してはっきり聞かないと。一体どういうつもりなんだ」

業を煮やした兄弟の一人が、スマートフォンを取り出して雲舒に電話をかけようとします。しかし、別の兄弟が「顧雲舒がもし、俺たちが自ら連絡したと知ったら、きっと大喜びするぞ」と、くだらないプライドでそれを制しました。

それでも、電話をかけようとしたその時。スマートフォンのスピーカーから、無機質な自動音声が響き渡ります。

おかけになった電話は、現在お繋ぎできません。しばらく経ってからおかけ直しください

その声に、兄弟たちは一瞬、何を言われたのか理解できないかのように固まります。そして、次の瞬間、驚愕の表情を浮かべました。 「顧雲舒の電話が、居然、繋がらない」

カードの凍結は、まだ「報復」や「気を引くため」という言い訳ができました。しかし、電話が繋がらないという事実は、それらとは全く質の違う、個人的で、直接的な拒絶の証。彼らが信じていた「雲舒は俺たちから離れられない」という幻想に、初めて現実の亀裂が入った瞬間でした。

【砕かれた7つの約束】22話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、雲舒の静かな決意と、兄弟たちの騒がしい勘違いの見事な対比に、思わず唸ってしまいました。雲舒が「若様と呼ばないで」と家政婦に告げるシーン、短いセリフですが、彼女の揺るぎない決意が伝わってきて、鳥肌が立ちました。彼女はもう、過去を振り返らないのですね。

そして、病院での兄弟たちの茶番劇。シャオシャオの脚本・主演女優賞ものの演技もさることながら、それに全力で騙される兄弟たちのピュアさ(?)には、もはや感心すら覚えます。自分たちが雲舒に経済的に依存していたという現実から目をそらし、「手も足もある」と強がる姿は、見ていて本当に滑稽でした。

最後の電話のシーンは、今回のハイライトでしょう。「おかけになった電話は〜」という自動音声が、これほどまでに恐怖と絶望を感じさせるなんて。彼らのプライドが邪魔をして、自分たちから連絡することすら躊躇していたのに、いざ連絡しようとしたら、相手から完全にシャットアウトされている。これ以上の屈辱はありません。

自分たちがまだゲームの主導権を握っていると思っていたのに、実はとっくの昔にゲームの盤上から降ろされていたことに、彼らはようやく気づき始めたのかもしれません。この小さな亀裂が、彼らの凝り固まったプライドと勘違いを、どのように崩壊させていくのか。彼らの絶望が始まる、まさにその序章を見たような気がして、次回の展開が非常に楽しみです。

【砕かれた7つの約束】22話のネタバレまとめ

  • 雲舒は家政婦に、兄弟たちの最後の写真立てを捨てるよう命じ、彼らを「若様」と呼ぶことを禁じ、関係を完全に断ち切りました。
  • 病院では、シャオシャオが悲劇のヒロインを演じきり、兄弟たちは彼女に完全に同情して、雲舒への怒りをさらに募らせます。
  • 兄弟の一人が雲舒に電話をかけようとしますが、プライドが邪魔をしてためらいます。
  • しかし、いざかけようとしたところ、「おかけになった電話は現在お繋ぎできません」という自動音声が流れ、雲舒から一方的に連絡手段を断たれていたことを知り、愕然とします。

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ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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