復讐モノ

【砕かれた7つの約束】29話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 家政婦は、7人の兄弟たちが今後一切、顧家に入れないことを正式に通告します。
  • 兄弟たちは、思い出の品が捨てられる光景を、雲舒が自分たちの気を引くための芝居だと勘違いし、彼女を「金遣いの荒いお嬢様」と嘲笑します。
  • 祈年は、雲舒が毎月1000万円もの生活費を受け取っていることを知っており、家政婦の「お嬢様は金を持っていない」という言葉を一蹴します。
  • しかし、家政婦から「お嬢様は生活費を一切使わず、普段の生活は全てご自身のアルバイトで賄っている」という衝撃の事実が明かされました。
  • 20年間信じてきた雲舒の姿が、全て自分の思い込みだったと知った祈年は、衝撃のあまり言葉を失います。

【砕かれた7つの約束】第29話をネタバレありでわかりやすく解説する

自分たちの偽善によって、顧雲舒(コ・ウンス)が「運転手の娘以下の暮らし」をしていたという衝撃の事実を突きつけられた兄弟たち。第29話は、それでもなお過ちを認められない彼らの醜い言い訳と、そんな彼らに家政婦が突きつける、お金では決して測れない「心の真実」が描かれる、断罪の物語です。

心を踏みにじる言葉「金で心は買えない」

自分たちの犯した罪の重さに言葉を失う兄弟たち。しかし、その中の一人が、開き直ったかのように、家政婦に向かって言い放ちました。 「王(ワン)さん。あんたは年寄りだ。何も分かってない。金さえあれば、人の心を買収できるとでも?

それは、あまりにも身勝手で、論点のすり替えでしかありませんでした。しかし、長年この家を見守ってきた家政婦は、もう彼らの嘘に付き合う気はありません。彼女は毅然として、静かに、しかし力強く反論します。

「私は年を取りましたが、耄碌はしておりません。お金以外に、お嬢様があなたたちにどれだけ心を尽くしてきたか。でも、江笑笑(ジャン・シャオシャオ)さんが来てから、あなたたちは彼女にどう接してきましたか?

その言葉は、彼らが目を背け続けてきた、最も重要な問題の核心を突いていました。

蘇る記憶、小さな約束の連続拒絶

家政婦の言葉をきっかけに、兄弟たちの脳裏に、忘れかけていた過去の光景が次々と蘇ります。それは、シャオシャオが現れてからの、雲舒からのささやかな誘いを、彼らがいかに無下に扱ってきたかという、罪の記憶でした。

「陸蕭(ルー・シャオ)兄さん、今日時間ある?一緒に海を見に行かない?」 「暇ない」

悲しげに立ち尽くす、若き日の雲舒。

「程軒(チョン・シュエン)兄さん。今夜は北斗七星が見えるわ。私たち、一緒に行きましょうよ」 「星を見るだと?つまらない」

寂しそうに手を下ろす、若き日の雲舒。 彼女が求めていたのは、高価な贈り物でも、贅沢な時間でもありません。ただ、好きな人たちと、ささやかな時間を共有したい。その純粋な願いを、彼らは「つまらない」の一言で、何度も、何度も踏みにじり続けてきたのです。

目撃されていた決定的な裏切り

そして、最も残酷な記憶が蘇ります。それは、雲舒が、沈祈年(シェン・チーニエン)とシャオシャオが親密に手を繋ぎ、どこかへ消えていく姿を目撃してしまった、あの日の光景。声も出さず、ただぐっと拳を握りしめる彼女の姿を、物陰から、家政婦は確かに見ていたのです。彼女の訴えは、憶測ではなく、全て事実に基づいたものでした。

魂の叫び「彼女も、可哀想な子供なのですよ!」

家政婦は、もはや抑えることのできない感情を、涙ながらに兄弟たちにぶつけます。

「裕福な家庭に生まれたからといって、あなたたちに何度も無視されていいのですか?彼女は、あなたたちと同じように、母親のいない、可哀想な子供なのですよ!

その魂の叫びは、彼らがずっと見ようとしてこなかった、あまりにも単純な真実を突きつけました。お嬢様という仮面の下にある、愛に飢えた一人の少女の素顔。彼らは、自分たちと同じ痛みを抱える存在を、自分たちの手で、さらに深く傷つけ続けていたのです。その罪の重さに、彼らはもはや何の言葉も返すことができませんでした。

【砕かれた7つの約束】29話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、涙なしには読めない、非常に胸に迫る回でした。家政婦の王さん、本当にこの物語の良心ですね。彼女の言葉の一つ一つが、兄弟たちの偽善と傲慢さを、鋭く、そして的確に暴いていく様は、見ていて心が震えました。

特に、回想シーンは辛すぎます。「海を見に行かない?」「星を見に行きましょうよ」という雲舒の健気な誘い。それに対する「暇ない」「つまらない」という、あまりにも冷たい返事。この短いやり取りの中に、彼女が長年味わってきた孤独と絶望が凝縮されているようで、胸が張り裂けそうになりました。

そして、祈年とシャオシャオが手を繋いでいるのを見て、ただ拳を握りしめる雲舒の姿。泣き叫んだり、ヒステリーを起こしたりするのではなく、ただ一人で痛みに耐える彼女の強さが、逆にその悲しみの深さを物語っていて、本当に切なかったです。

最後の、家政婦さんの「彼女も、母親のいない、可哀想な子供なのですよ!」という叫び。これこそが、この物語の核心だと思います。兄弟たちは、自分たちだけが悲劇の主人公だと思い込んでいた。しかし、本当は雲舒も、同じ痛みを抱えながら、彼らに愛情を注ぎ続けていた。その事実に、彼らは一体何を思うのでしょうか。金銭的な問題よりも、この「心の罪」の方が、彼らにとってはるかに重い贖罪となるのかもしれません。

【砕かれた7つの約束】29話のネタバレまとめ

  • 兄弟たちの「金で心は買えない」という言い訳に対し、家政婦は「あなたたちがお嬢様の心をどれだけ踏みにじってきたか」と、厳しく反論します。
  • 回想シーンで、雲舒が兄弟たちを海や星を見に誘っても、「暇ない」「つまらない」と冷たくあしらわれ続けていたことが明らかになります。
  • さらに、家政婦は、雲舒が祈年とシャオシャオの親密な様子を、ただ一人で耐えている姿を目撃していたことも判明しました。
  • 家政婦は最後に、「彼女もあなたたちと同じ、母親のいない可哀想な子供だ」と涙ながらに訴え、彼らの犯した心の罪を断罪しました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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