【砕かれた7つの約束】28話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 家政婦は、7人の兄弟たちが今後一切、顧家に入れないことを正式に通告します。
- 兄弟たちは、思い出の品が捨てられる光景を、雲舒が自分たちの気を引くための芝居だと勘違いし、彼女を「金遣いの荒いお嬢様」と嘲笑します。
- 祈年は、雲舒が毎月1000万円もの生活費を受け取っていることを知っており、家政婦の「お嬢様は金を持っていない」という言葉を一蹴します。
- しかし、家政婦から「お嬢様は生活費を一切使わず、普段の生活は全てご自身のアルバイトで賄っている」という衝撃の事実が明かされました。
- 20年間信じてきた雲舒の姿が、全て自分の思い込みだったと知った祈年は、衝撃のあまり言葉を失います。
【砕かれた7つの約束】第28話をネタバレありでわかりやすく解説する
「お嬢様の生活費は、全てご自身でアルバイトをして稼いだものですよ」——家政婦から告げられた衝撃の事実に、言葉を失った沈祈年(シェン・チーニエン)。しかし、本当の地獄はここからでした。第28話では、彼らの「善意」という名の偽善が、いかに顧雲舒(コ・ウンス)を追い詰め、全てを奪っていたかという、あまりにも残酷な真実が、無慈悲に暴かれていきます。
偽善の刃「心を痛めるから」
「自分で言ってることに筋が通っているとでも思うか?顧家の令嬢が、金がないだと?」 まだ現実を受け入れられない祈年は、嘲るように家政婦に食い下がります。しかし、家政婦はまっすぐに彼を見つめ、静かに、しかしはっきりと事実を告げました。
「お嬢様はもともと生活費をもらっていました。ですが、程軒(チョン・シュエン)様が…いえ、程さんが、お嬢様の生活費は江笑笑(ジャン・シャオシャオ)さんよりずっと多いと。江さんが心を痛めるとおっしゃったので、お嬢様はそれ以来、一銭も生活費を受け取っていません」
その言葉に、程軒は顔を青ざめさせます。「俺が心配なのは、顧雲舒が金を持ちすぎて、横柄になり、笑笑がこの家で居づらくなることだ」と、かつて自分が口にした言葉が、言い訳のように脳裏をよぎります。彼らの「シャオシャオのため」という善意のつもりの言葉が、雲舒から生活の基盤を奪う、鋭い刃となっていたのです。
送金記録の謎、全ての金はシャオシャオへ
それでも祈年は諦めきれず、「旦那様の送金記録は、俺もこの目で確かに見たぞ。金は?金はどこへ行った?」と最後の抵抗を試みます。しかし、家政婦の口から語られた次の言葉は、彼の最後の希望すらも粉々に打ち砕きました。
「お嬢様の生活費は、すべて江笑笑(ジャン・シャオシャオ)さんに渡されました」
「なんだと?」と衝撃を受ける祈年に、家政婦は追い打ちをかけます。 「陸蕭(ルー・シャオ)様が、お嬢様の生活費はもらっても無駄だから、直接江さんに渡した方がいいとおっしゃったので。それでお嬢様は毎月の生活費を、一銭も残さず、全部江さんに渡していたのです」
陸蕭の脳裏にも、かつての自分の言葉が蘇ります。「俺が思うに、笑笑は居候の身で、心に不安を抱えている。苦労も知らない。だから、生活費を笑笑にあげて、世間を学ばせるのがいい」と。
家政婦の涙の訴え「運転手の娘以下の暮らし」
家政婦は、もはや怒りを隠そうともせず、彼らの独善的な理屈を一つ一つ突き崩していきます。 「ええ。『生活費がなくても、顧雲舒はお嬢様だから、贅沢な暮らしができて、何の損もない。でもこのお金は、江さんにとっては非常に重要だから、彼女にあげるべきだ』と。お嬢様は生活費を江さんに渡していたので、不安を感じていました。お嬢様ご自身でアルバイトに行き、働くことの苦労を経験されていたのです」
そして、家政婦は涙ながらに、20年間誰も気づかなかった、あまりにも残酷な真実を突きつけました。
「それなのに結局、正真正銘のお嬢様が、運転手の娘以下の暮らしをしていたのですよ。あなたたちの目には、これが何の損もないと?」
その魂の叫びは、兄弟たちの偽善の仮面を完全にはぎ取り、彼らの犯した罪の重さを、有無を言わさず白日の下に晒したのです。
崩れ落ちる祈年、言葉なき贖罪の始まり
全ての真実を知り、もはや祈年は反論することすらできませんでした。彼が信じてきた20年間。彼が「わがまま」だと断罪してきた雲舒の行動。その全てが、自分たちの無自覚な悪意によって引き起こされていた。その事実に、彼はただ、ゆっくりと俯き、打ちひしがれることしかできませんでした。20年分の罪の重さが、彼の肩にずっしりと圧し掛かった瞬間でした。
【砕かれた7つの約束】28話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、これまでのどの「ざまぁみろ」回とも違う、人間の偽善というものの恐ろしさを突きつけられる、非常に重い回でした。読んでいて、怒りを通り越して、ただただ息が詰まるような感覚に陥りました。
兄弟たちの「シャオシャオのため」という言葉が、これほどまでに醜く、そして残酷な凶器になっていたとは。彼らは自分たちが正しいことをしていると信じ込み、その善意の影で、雲舒から生活の糧を奪い、精神的に追い詰めていた。無自覚な悪意ほど、恐ろしいものはありません。自分たちの手で雲舒を貧困に突き落としておきながら、彼女を「金遣いの荒いお嬢様」と嘲笑していたのですから、救いようがありません。
家政婦の王さんの「あなたたちの目には、これが何の損もないと?」という最後の問いかけは、この物語の核心を突く名台詞だと思います。彼らは、雲舒の心の痛み、生活の苦しみを、「損」としてすら認識していなかった。それほどまでに、彼女の存在を軽んじていたのです。
最後の、俯く祈年の姿。彼が何を思っているのか、想像するだけで胸が苦しくなります。彼がこれからどうやってこの罪を償っていくのか、あるいは償うことなどできるのか。物語は、単純な復讐劇から、人間の罪と罰を問う、より深いテーマへと足を踏み入れたように感じます。彼らの本当の地獄は、ここから始まるのかもしれませんね。
【砕かれた7つの約束】28話のネタバレまとめ
- 家政婦は、雲舒が生活費を受け取らなくなったのは、兄弟たちの「シャオシャオが心を痛めるから」という偽善的な言葉が原因だと明かします。
- さらに、父から雲舒に送金されていた毎月1000万円の生活費は、兄弟たちの提案で、その全てがシャオシャオの手に渡っていたことが発覚します。
- 生活費を全て奪われた雲舒は、不安から自らアルバイトをしており、お嬢様でありながら「運転手の娘以下の生活」を送っていました。
- 家政婦から全ての真実を突きつけられた祈年は、自分たちの犯した罪のあまりの重さに言葉を失い、ただ俯くことしかできませんでした。
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