復讐モノ

【砕かれた7つの約束】34話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 兄弟たちは、シャオシャオの悲劇のヒロイン演技に完全に騙され、資金もないのに、翌日彼女の誕生日を盛大に祝うことを約束します。
  • シャオシャオは、雲舒がいなくなったことで、兄弟たちを完全に手中に収められると、心の中で勝ち誇りました。
  • 兄弟たちがシャオシャオを「お姫様」とちやほやする姿を見て、祈年は、かつて雲舒が「永遠に一緒にいたい」と願っていた、本当の「小さなお姫様」の誕生日を思い出します。
  • 祈年の心に、雲舒を祝わなくなったことへの後悔の念と、彼女が今、何を願っているのかという、断ち切れない想いが芽生え始めるのでした。

【砕かれた7つの約束】第34話をネタバレありでわかりやすく解説する

後悔の念に苛まれ始めた沈祈年(シェン・チーニエン)と、相変わらず現実が見えていない兄弟たち。第34話は、彼らの偽りの祝宴と、その裏で静かに進む祈年の疑念、そしてついに彼の口から放たれる本心という名の咆哮が描かれる、嵐の前の静けさを切り裂く物語です。

秘密の調査と偽りの祝宴

物語は、病院の病室から始まります。兄弟たちがジャン・シャオシャオを囲んで談笑する輪から一人外れた祈年は、静かに部下に電話をかけ、ある指示を出していました。 「はっきり調べてくれ。顧雲舒の誕生日パーティーで、流出したプライベートビデオは、いったいどういうことなのか」

シャオシャオの罪を自ら被った彼ですが、その心の中では、あの事件に対する疑念が静かに渦巻き始めていたのです。

場面は変わり、レストラン。カードを止められ無一文のはずの彼らですが、どう工面したのか、シャオシャオの誕生日を祝うための豪華な食事がテーブルに並んでいます。 「こんなに楽しくて幸せな誕生日は初めてよ」と喜ぶシャオシャオを前に、兄弟たちは雲舒への悪口で盛り上がります。

「以前の笑笑(シャオシャオ)の誕生日は、いつも顧雲舒が横やりを入れてきて、本当にうんざりだった」 「今回は、やっとあの邪魔者を追い払えた。空気さえも自由の味がする」 「ようやく解放されたんだ。これは、盛大に祝わないと」

彼らは、雲舒という「束縛」から解放されたと、心から信じ込んでいるのでした。

悪魔の囁き「婚約を破棄したらいいわ」

そんな中、シャオシャオは心配そうな顔を装い、最も兄弟たちの心を揺さぶる質問を投げかけます。 「もう一日経ったけど、まだお姉さんとは連絡が取れないの?」「お姉さんはきっと、もう結婚したくないんだわ」

そして、彼女は本題を切り出しました。まるで、彼らのためを思っているかのように、優しい声で。 「7人のお兄さんたちも、もうお姉さんと結婚したくないなら、いっそのこと今回は、直接婚約を破棄したらいいわ

それは、兄弟たちと雲舒の最後の繋がりを、完全に断ち切ろうとする、悪魔の囁きでした。

独占欲の咆哮「誰が婚約を破棄すると言った!」

シャオシャオの言葉に、他の兄弟たちは「それもそうか」という雰囲気を醸し出します。しかし、ただ一人、黙ってワインを飲んでいた祈年の様子が、その瞬間、一変しました。

彼は、叩きつけるようにグラスをテーブルに置くと、これまで抑えていた感情を爆発させ、声を荒らげます。

誰が婚約を破棄すると言った!

その魂の叫びは、シャオシャオへの怒りではありませんでした。それは、自分の所有物だと思っていた雲舒が、完全な他人になってしまうという、耐えがたい現実に対する拒絶の咆哮。彼女を愛しているからではない、ただ、失うことが許せない。その醜い独占欲が、初めてむき出しになった瞬間でした。

驚いて固まるシャオシャオと兄弟たち。彼らの偽りの祝宴は、祈年が放った一言によって、不穏な空気に包まれていくのでした。

【砕かれた7つの約束】34話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は、祈年の内面が深く描かれ、彼の複雑なキャラクター性が浮き彫りになる、非常に見ごたえのある回でした。冒頭で、ひそかにビデオの件を調査させているシーン、痺れましたね。彼は、他の兄弟たちのように単純ではなく、シャオシャオの嘘に気づき始めている。でも、それを表に出さず、冷静に事を進めようとする。その策略家な一面が見えたことで、彼のキャラクターに一気に深みが増しました。

兄弟たちの「自由だー!」という祝宴は、もはや哀れでしかありません。彼らが感じている自由は、雲舒という巨大な経済的・精神的支柱を失った、ただの無重力状態に過ぎないことに、彼らはまだ気づいていないのです。

そして、今回のハイライト、祈年の「誰が婚約を破棄すると言った!」という絶叫。これは最高のシーンでした。シャオシャオの思惑通りに進むかと思いきや、まさかの大どんでん返し。彼のあの叫びは、愛ではなく、純粋な独占欲と執着から来るものですよね。「俺のものを、勝手にいらないもの扱いするな」という心の声が聞こえてくるようでした。

彼が本当に雲舒を愛していたのなら、彼女の幸せを願って身を引くはずです。しかし、それができない。この期に及んでも、彼女を自分のコントロール下に置こうとする。その歪んだ感情こそが、彼が20年間、彼女を苦しめ続けてきた罪の根源なのでしょう。ビデオの真相を知った時、彼は一体どんな行動に出るのか。彼の本当の恐ろしさが、これから明らかになるのかもしれません。

【砕かれた7つの約束】34話のネタバレまとめ

  • 祈年は、表向きはシャオシャオの誕生日を祝いながらも、裏では部下に、パーティーで流出した雲舒のプライベートビデオの真相を調査させていました。
  • 兄弟たちは、雲舒という「束縛」から解放されたと勘違いし、「自由の祝杯」をあげます。
  • シャオシャオは、兄弟たちと雲舒の関係を完全に断ち切るため、「婚約を正式に破棄してはどうか」と、悪魔の提案をします。
  • しかし、その言葉に祈年が激昂。「誰が婚約を破棄すると言った!」と叫び、雲舒に対する常軌を逸した独占欲を初めてむき出しにしました。

◁前の記事はこちらから

あわせて読みたい
【砕かれた7つの約束】33話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説
【砕かれた7つの約束】33話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

▷次の記事はこちらから

あわせて読みたい
【砕かれた7つの約束】35話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説
【砕かれた7つの約束】35話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説
ABOUT ME
コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
記事URLをコピーしました