【砕かれた7つの約束】35話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 祈年は、表向きはシャオシャオの誕生日を祝いながらも、裏では部下に、パーティーで流出した雲舒のプライベートビデオの真相を調査させていました。
- 兄弟たちは、雲舒という「束縛」から解放されたと勘違いし、「自由の祝杯」をあげます。
- シャオシャオは、兄弟たちと雲舒の関係を完全に断ち切るため、「婚約を正式に破棄してはどうか」と、悪魔の提案をします。
- しかし、その言葉に祈年が激昂。「誰が婚約を破棄すると言った!」と叫び、雲舒に対する常軌を逸した独占欲を初めてむき出しにしました。
【砕かれた7つの約束】第35話をネタバレありでわかりやすく解説する
「誰が婚約を破棄すると言った!」——自らの独占欲をむき出しにしてしまった沈祈年(シェン・チーニエン)。第35話は、その本心を取り繕うとする彼の焦りと、そんな彼らの心をさらに試すかのようなジャン・シャオシャオの無邪気な悪意、そして過去の記憶が兄弟たちの胸を静かに苛む、後悔の物語です。
焦りと本心をごまかす祈年
自らの絶叫によって、レストランの楽しい雰囲気を凍りつかせてしまった祈年。彼は慌てて冷静さを取り繕うと、ワインを一口含み、こう言い訳をします。 「俺が言いたいのは、誰がお前に、彼女が結婚したくないと言ったんだ?」
しかし、シャオシャオはさらに彼らの心をかき乱すように、純粋な疑問を投げかけます。 「だって、今回はあなたたちが去ってから、一度もあなたたちを探しに来なかったわ。もしお姉様が今回、本当に吹っ切れたなら、あなたたちもこの機会に、きっぱりと彼女と別れられるじゃない」
(どうして彼らは、少しも嬉しそうじゃないの?) 自由になれるチャンスを提示しているのに、誰一人として喜ばない兄弟たちの姿に、シャオシャオは初めて計算外の戸惑いを心に浮かべるのでした。
「彼女に選ぶ相手はいない」傲慢な男たちの最後の希望
シャオシャオの言葉に、兄弟たちはいらだちを隠せません。 「彼女が本当に吹っ切れるわけないだろ。誕生日パーティーで、結婚式の日取りまで決めてたんだぞ。彼女は今回、ただ癇癪を起こしてるだけだ」
そして、彼らは自分たちの優位性を確認するかのように、傲慢な結論を口にします。 「そうだ。 婚約式まであと5日だ。俺たち7人以外に、彼女には選ぶ相手がいない。まさか、道端で適当な男を捕まえて結婚するわけにもいかないだろう」
彼らは、顧雲舒(コ・ウンス)の世界には自分たちしかいないという、凝り固まった幻想にしがみつくことしかできません。その頃、雲舒が本物の王子様と愛を育んでいることなど、知る由もなく。
無邪気な悪意「エビを剥いてくれないかしら?」
不穏な空気を変えようと、シャオシャオはわざと明るく食事を促します。そして、甘えた声で、兄弟の一人、陸蕭(ルー・シャオ)に声をかけました。 「蕭(シャオ)兄さん。私、新しいネイルをしたの。エビを剥いてくれないかしら?」
それは、自分が「お姫様」であることを再確認するための、無邪気な、しかし残酷な踏み絵でした。
蘇る記憶、本当の優しさとは
その言葉を聞いた瞬間、陸蕭の脳裏に、遠い過去の記憶が鮮やかに蘇ります。それは、まだ雲舒との関係が良好だった頃の、食卓での何気ない会話でした。
エビに手を付けない自分に、雲舒が「またエビを食べないの?エビの殻を剥くのが嫌いなの?」と尋ねます。彼が頷くと、彼女は嬉しそうに、自分の皿からエビを取り、その殻を剥き始めたのです。
「ほら。私は違うわ。エビの殻を剥くのが一番好きなの。これから陸蕭兄さんがエビを食べたい時は、私が全部剥いてあげる」
見返りを求めることなく、ただ相手の喜ぶ顔が見たい。その一心で、面倒な作業を「一番好き」だと言ってくれる、深く、そして温かい優しさ。シャオシャオの自己中心的な要求とは、あまりにも対照的な、本当の愛情の記憶でした。
「蕭兄さん?」 シャオシャオの声で我に返った陸蕭は、ただぶっきらぼうに「ああ」と答えることしかできません。彼の心には、遅すぎた後悔という名の、小さな棘が突き刺さったのでした。
【砕かれた7つの約束】35話を読んだ感想(ネタバレあり)
今回は、派手な展開はないものの、登場人物たちの心の動きが丁寧に描かれていて、非常に見ごたえのある回でした。祈年の必死の言い訳、そしてシャオシャオの「どうして嬉しそうじゃないの?」という心の声。彼らの関係に、確実に亀裂が入り始めているのが分かり、ゾクゾクしました。
そして、兄弟たちの「彼女には俺たち以外いない」という確信。これぞ、壮大な死亡フラグですね。彼らがそう信じれば信じるほど、数日後の婚約式で彼らが受ける衝撃は大きくなる。その公開処刑の瞬間を思うと、今から楽しみでなりません。
何よりも、今回のハイライトは陸蕭の回想シーンです。雲舒の優しさが、本当に胸に沁みました。「エビの殻を剥くのが一番好き」なんて、健気すぎて涙が出そうです。彼女は、自分の時間や労力を、愛する人のために使うことを、心からの喜びにしていたのですね。それに対して、シャオシャオの「ネイルしたから剥いて」という要求の、なんと浅はかで自己中心的なことか。
この対比によって、兄弟たちがどちらを失い、どちらを選んでしまったのかが、残酷なまでに浮き彫りになりました。陸蕭の最後のぶっきらぼうな返事は、彼の中に芽生えた罪悪感の表れでしょう。他の兄弟たちも、これから様々な場面で、雲舒の本当の優しさを思い出していくことになるのかもしれません。しかし、それはあまりにも遅すぎた後悔の始まりに過ぎないのです。
【砕かれた7つの約束】35話のネタバレまとめ
- 祈年は、婚約破棄を否定した本心を隠すため、「雲舒が結婚したくないと誰が言った?」と話をすり替え、その場を取り繕います。
- 兄弟たちは、雲舒には自分たち以外に結婚相手の選択肢はないと信じ込み、彼女の行動を「気を引くための癇癪」だと結論付けました。
- シャオシャオは、陸蕭に「ネイルをしたから」という理由でエビの殻を剥くよう要求します。
- その言葉をきっかけに、陸蕭はかつて雲舒が「あなたの分は私が全部剥いてあげる」と、無償の愛を捧げてくれていた過去を思い出し、罪悪感に苛まれます。
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