【大正學生愛妻家】2話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

- 6年ぶりに再会した坊ちゃん・勇吾は、エリート学生へと変貌していました。
- 勇吾は、養父から「後継者として学生のうちに結婚し、家庭を持て」と命じられていました。
- 勇吾は、養父の提示した花嫁の条件(健やかで素直、働き者など)が、ふきに完璧に当てはまると判断。
- ふきの抱える二千圓の借金全額を肩代わりすることを条件に、ふきに「契約結婚」を申し込みます。
- ふきが(半ば強引に)承諾すると、勇吾は彼女の手を引き、両親の待つ部屋の襖を開け「お話があります」と宣言したところで、第1話は終わりました。
【大正學生愛妻家】第2話をネタバレありでわかりやすく解説する
前回、勇吾坊ちゃんの衝撃的な「お話があります」で幕を閉じた『大正學生愛妻家』。第2話は、その直後、両親への結婚宣言という緊迫の場面から始まります。
あまりの急展開に、ふきの運命は一気に動き出します!
「ふきと結婚させてください」
旦那様が「話というのは…」と尋ねる中、勇吾はまっすぐに両親を見据え、宣言します。
「単刀直入に申し上げます」
「ふきと結婚させてください」
「いやちょっと待って」と心の声で慌てるふきをよそに、部屋は静まり返ります。
旦那様と奥様は、あまりに「突飛な申し出」に言葉を失い、顔を見合わせるばかり。
しかし、勇吾は冷静沈着。彼がこの結婚を急ぐ理由は、すべて彼の「計画」通りでした。
- 養父の命令は絶対であり、急な結婚にも異議はないこと。
- しかし、まだ学生の身で、家庭と学業を両立できるか懸念があること。
- 「その点 気心の知れたふきとなら 今後集中して学業に邁進できます」
理路整然と結婚のメリットを語る勇吾。
その完璧なプレゼンテーションに、ふきは(ふきも承知してくれて… もっ 申し訳ありません!!)とパニックになり、ついに土下座してしまいます。
「つい血迷って お返事しましたが あまりに分不相応で… 私にはとても」
ふきは必死にこの縁談を辞退しようとしますが、ここで事態は予想外の方向へ進みます。
両親のまさかの「快諾」
ふきの言葉を聞いた旦那様は、腕を組み、静かに考え込みます。そして、口を開きました。
「いいかも知れん…!」
なんと、旦那様と奥様も、勇吾の養父からの手紙を読み、「こっちもちょうど話し合ってたところだ」というのです。
養父の手紙には、勇吾に期待しているからこそ「後継者として早く身を固めろ」と書かれていました。そして、肝心の花嫁の条件として、「労働の苦労を知る」「謙虚」「勇吾を諌め導く女性」など、非常に具体的な人物像が記されていたのです。
その条件を読んだ旦那様と奥様は、勇吾が帰郷する前から、こう結論づけていました。
「こんな条件を満たせるのは ふきしかいない」
まさかの両親公認!
ふきは「いやいやいやいや!!」とまだ抵抗しますが、勇吾は養父の手紙の決定的な一文を読み上げます。
「尚、相手の身分は一切問はぬ 手紙に断り書きがある」
これは勇吾が追筆したあの一文でした。
そして旦那様は、ふきに優しく、しかし力強く言いました。
「ふき 私はこの家の主として 逆境にめげず 誠実に働くお前の人間性を見込んで 勇吾を頼む」
「旦那様… そんな お言葉を…」
長年仕えてきた主人からの信頼の言葉に、ふきはもう何も言えなくなってしまいます。
「今週中に」―怒涛の祝言準備
両親の承諾を得た勇吾は、間髪入れずに次のステップへ進みます。
「では 早急に 相手が決まったこと 俺から養父に報告します」
「それと 祝言ですが 今週中に済ませたい と思います」
「えっ 今週中!?」と驚くふき。
勇吾がこれほどまでに結婚を急ぐのには、もう一つ重大な理由がありました。
彼が入学する一高は「全寮制」であり、このままでは入寮しなければなりません。しかし、「妻帯者となれば通学申請し、二人で暮らせる」と言うのです。
すべては、ふきと二人で暮らすための計画。
勇吾はふきに「式は簡素でかまわないか?」と確認し(ふきは「はぁ…」としか言えません)、両親に「即刻ふきの借金を返済し 学校近くに借家探しに行きます」と告げます。
話はトントン拍子に進み、旦那様は借家の心当たりを探し、奥様は花嫁衣装の準備に大わらわ。
一人「ぽつーん…」と取り残されたふきは、まったく頭が追いつきません。
女中仲間たちは「ふきが坊ちゃんと!?」「人生逆転 玉の輿!」と大騒ぎです。
白無垢と「決意」の三三九度
そして、あっという間に祝言(結婚式)当日。
ふきは緊張と混乱で「あれから全然眠れなくて…」と、目の下にひどいクマができてしまいます。
見かねた女中頭の清(きよ)が、「血流改善マッサージです!」とふきの顔を(痛いほど)マッサージ。
清は、寝たきりだった奥様が「あの子は ふきの前では 特別いい顔で 笑うなぁって いつも思ってたの」「勇吾の決断は 驚いたけど 案外するっと 受け入れられたのよねぇ」と話していたことを、ふきに伝えます。
奥様や清に化粧を施され、ついに白無垢(しろむく)の花嫁衣装に身を包んだふき。
紋付袴(もんつきはかま)姿で待っていた勇吾は、綿帽子をかぶったふきの姿を見て、驚きに目を見開きます。
「……?」
「あまり綺麗で 言葉が出なかった…」
思わぬ褒め言葉に「美しい 夢みたいだ…」と顔を赤らめるふき。
「昔見とれた 花嫁さん 顔負けだな」とからかう勇吾に、「いつからそういう冗談 スラスラ言える子に…」とふきが返すと、勇吾はそっと彼女の手を握ります。
神社での式が始まり、三三九度(さんさんくど)の盃がふきの前に。
ふきは、隣で平気そうに見える勇吾の、着物越しに伝わる鼓動の速さに気づきます。
(平気そうに見えて 本当は不安で 緊張してるのかな)
(そうよね まだ十八なのに 突然結婚を強いられて 困って悩んで 提案してきたのに 私ったら 自分のことばっかり…)
ふきは、ついに覚悟を決めます。
「決めた。もう ぐずぐず悩まない。これからは 全力で 坊ちゃんを 支えていくんだ!」
決意を固めたふきは、なんと盃のお酒を一気飲み!
「ふき! 三々九度は 三回に分けて 飲むのよ!」「一気飲みは ダメ!!」
奥様の叫び声が響き、勇吾は思わず「ふふっ」と笑みをこぼします。
新婚初夜(?)の攻防戦
こうして波乱含みの式を終えた二人。
「自動車は 初めてか」と笑う勇吾と、その速さに驚くふきを乗せた車は、学校近くの「新居」となる借家へ到着します。
「ここが 新居だよ」
「お邪魔します… いやいや 自分の家だって」
家財道具もいくつか残されたままの、質素ながらも温かみのある家。
決意を新たにしたふきは、勇吾のうなじにそっと手を…伸ばそうとしたところで、彼に向き直り宣言します!
「私 精一杯 坊ちゃんを支えますから! 遠慮なく頼ってくださいね!」
その勢いに、勇吾は一瞬「?」と驚いた顔を見せます。
勇吾はすぐに「じゃあ早速 荷解きをしようか」と冷静さを取り戻しますが、そこへ来客が。
ふきが「お客様…」と慌てるのを「俺が出る」と制し、堂々と対応する勇吾。その姿に、ふきは「はー… 坊ちゃん… しっかりした子になったなぁ」と改めて感心します。
(私もしっかり役に立たないと!)と気合を入れたふきですが、その日はもう大変なことの連続でした。
妻の務めと「まめしき」
荷解きの最中、ふきは女中頭の清から渡された風呂敷包みを開けます。
「出がけに 清さんが…」「昔 私の母から いただいた物よ」「”妻の務め”の参考になさい!」
中から出てきたのは『まめしき』という古い本。
ふきがページをめくると、そこには…**男女が描かれたあからさまな絵(!)**が。
そう、それは花嫁に贈られる、いわゆる「枕絵(まくらえ)」や「春画」と呼ばれるもので、夫婦の営みについての手引書だったのです。
ふきが顔を真っ赤にして固まっていると、そこへ勇吾が「ねえや」と入ってきます。
「どきーん!」と慌てて本を隠すふき。
「違っ… これは その… み 見ました!?」
「何を?」
「…なんでもないです」
必死にごまかすふき。
来客は布団屋で、勇吾は「夜具二人分 届いたから 奥座敷に運んでおくよ」と告げます。
「夜具二人分」という言葉の響きに、ふきは再びオーバーヒート!
(さっきの顔 かわいいなぁ ねえやは)
そんなふきの様子を見て、勇吾が密かに微笑んでいたことを、彼女はまだ知りません。
緊張の夕食と「初夜」のプレッシャー
その夜。清が持たせてくれたお弁当を二人で食べますが、ふきは緊張で「正直 味とか 全然わかんなかった」という状態。
それもそのはず。彼女の頭には、ある重大な事実が蘇っていました。
(すっかり 抜けてたけど 式を挙げた 夜は… 初夜…)
あの『まめしき』の絵が頭をよぎり、もうパニックです。
「なんか 大人しいね 疲れた?」と勇吾に聞かれ、「いえそんな 元気いっぱいです!」と空回り。お茶を淹れようとして、なんと湯呑みをひっくり返し、自分のお茶をこぼしてしまいます。
「あ… やだもう… ごめんなさい 私ったら…!」
落ち込むふきに、勇吾はそっと近づき、彼女の顔を覗き込みます。
「ねえや」「落ち着いて 大丈夫だから」
その優しい声とまっすぐな眼差しに、ふきの心臓は高鳴るばかり。
「そーだ お風呂!」と我に返った勇吾に、ふきは「どうぞ 坊ちゃん 行ってきてください!」と、彼を風呂場へ押しやってしまいます。
一人残されたふきは、もう頭がパンク寸前。
(あ~~ だめだ どうしても 変に意識しちゃう)
(そもそもこの結婚 坊ちゃんも仕方なくしてるわけで… “そういうこと”は 求められない…?)
いやでも、と彼女は考え直します。
(いやでも! 子の二~三人も とか言ってたし! 私もう 二十四よ!? こういう 年上の余裕を 見せるところでは!?)
(いや 無理だわ! 何歳年上だろうが 私だって 初めてだし!!)
「同じ気持ちになってくれるまで」
ふきも覚悟を決めてお風呂から上がると、勇吾はすでに浴衣姿で布団に寝転び、読書をしていました。
「あの… 上がりました!」
その声に、勇吾は「ああ」と答え、ゆっくりと体を起こします。
その動きに「びくっ!」と緊張が走るふき。
(ついに… ついに…!)
しかし、次の瞬間、ふきは自ら勇吾の前に進み出て、勢いよく土下座します!
「!?」
驚く勇吾。ふきは、彼が何を言うよりも先に、謝罪の言葉を口にしました。
「ごめん」
「ねえやの意志も 固まらないのに 俺は 強引に結婚を 進めてしまった」
ふきが顔を上げられずにいると、勇吾は「あははっ」と優しく笑い、土下座したままのふきの頭をそっと撫でます。
そして、彼女を布団へと優しく導きました。
「本当の 夫婦になるのは もう少し待つよ」
「ねえやも俺と 同じ気持ちになってくれるまで」
その言葉に、ふきは全ての緊張から解放され、そのまま深い眠りに落ちていきました。
(遠くのほうで 坊ちゃんの声が 聞こえたけど 私はもう 何も考えられず…)
こうして、契約から始まった二人の新婚生活は、勇吾の深い優しさに包まれて、静かに幕を開けたのです。
【大正學生愛妻家】2話を読んだ感想(ネタバレあり)
第2話、ごちそうさまでした!!
もう、展開がジェットコースターすぎて、感情が追いつきません(笑)
第1話のラストで「お話があります」と言ってから、第2話で結婚式が終わって新居に着くまで、本当にあっという間でしたね!
ふきが土下座して断ろうとした時はヒヤッとしましたが、まさかのご両親が「ふきしかいない!」と公認だったとは! 旦那様の「お前の人間性を見込んで 勇吾を頼む」という言葉、ふきが12年間頑張ってきたことが認められた瞬間で、涙が出そうになりました。
そして新婚生活。もう、ふきが可愛すぎて…!
清さんからもらった『まめしき』(枕絵!)に真っ赤になったり、「夜具二人分」で蒸気が出そうになったり、お茶をこぼしてパニックになったり。
(年上の余裕を…)と意気込むのに(私だって初めてだし!!)と葛藤する姿は、読んでいるこっちが赤面してしまいます(笑)
でも、この第2話のMVPは、間違いなく勇吾坊ちゃんです!
ふきの宣言に一瞬驚きつつも、冷静に来客対応。ふきのパニックを「落ち着いて」と優しくなだめ、そしてクライマックスの土下座シーン。
まさか、先に謝ったのが勇吾のほうだったとは…。
「強引に進めてしまった」と謝る彼の姿に、18歳とは思えない誠実さと器の大きさを感じました。
そして、とどめの
「本当の 夫婦になるのは もう少し待つよ」
「ねえやも俺と 同じ気持ちになってくれるまで」
…待ってください。
「同じ気持ちになってくれるまで」って、それ、つまり「俺はもう、ねえやのことが(恋愛的な意味で)好きだけど?」って言ってるのと同じじゃないですか!?
彼は「契約」を盾にしながら、本当はふきが自分をちゃんと好きになってくれるのを、紳士的に待つつもりなんですね!
「契約結婚」という体裁で始まった二人の生活が、勇吾のこの一言で、ただの契約ではない、甘く切ない新婚生活に変わった瞬間でした。
ふきが彼の本心に気づくのはいつになるのか、これからが本当に楽しみです!
【大正學生愛妻家】2話のネタバレまとめ
- 勇吾は両親に「ふきと結婚させてください」と堂々と宣言。ふきは辞退しようとするが、両親も養父の「花嫁の条件」からふきを認めており、結婚に大賛成する。
- 勇吾が一高の全寮制を避け、ふきと二人で暮らす通学申請をするため、結婚は「今週中」に急遽行われることが決定した。
- 祝言(結婚式)当日、ふきは白無垢姿に。勇吾は「あまり綺麗で言葉が出なかった」と褒め、ふきは決意の三三九度で盃を一気飲みしてしまう。
- 二人は新居の借家へ移り、新婚生活がスタートする。
- 女中頭・清からもらった「妻の務め」の本(枕絵)や「夜具二人分」という言葉に、ふきは「初夜」を意識してパニックになる。
- 緊張でお茶をこぼすなど失敗するふき。ついに覚悟を決めて風呂から上がるが、勇吾の前で土下座してしまう。
- 勇吾は「強引に結婚を進めた」と逆に謝罪。そして「本当の夫婦になるのは、ねえやも俺と同じ気持ちになってくれるまで待つよ」と、ふきの心が追いつくのを待つと優しく告げた。
- ふきは安心して眠りに落ち、二人の新婚生活が始まった。
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