【大正學生愛妻家】4話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 新婚初日の朝、ふきは「夫より後に起きる」という「妻の務め」に失敗したと思い、パニックになります。
  • しかし、勇吾はすでに起きており、「ねえやを驚かそうと」台所で焼きおにぎりを作ってくれていました。
  • 二人は台所で仲良く朝ごはんを食べ、勇吾は「俺とねえや 二人きりだし」と、新婚生活の始まりを実感させます。
  • ふきは「六年間分の知らない坊ちゃんをゆっくり知っていきたい」と幸せを感じていました。
  • ふきが眠くなるのを心配すると、勇吾は「寝たら 運んであげるから」と優しく微笑みます。
  • 昨夜、眠ってしまったふきを勇吾が布団まで運んでくれていたことがわかり、二人の甘い新生活が始まりました。

【大正學生愛妻家】第4話をネタバレありでわかりやすく解説する

甘く穏やかな朝ごはんを終え、二人の新婚生活の「初日」が本格的にスタートします。第4話では、二人が初めて「夫婦」として街へ出かけますが、そこで早速「身分差」という現実の壁に直面することになります。

「自分の妻を眺めてるだけだ」

朝食後、ふきは早速、今日の献立と買い出しの計画を立て始めます。 「あとはお魚と… 大根 人参 菜物に馬鈴薯… 保存のきく野菜は多めに欲しいですねぇ」

真剣な顔で鉛筆を走らせるふき。その姿を、勇吾が「じーっ…」と、ただひたすらに見つめています。

視線に気づいたふきは、顔を上げて尋ねます。 「あの… 坊ちゃん 何見てるんです…?」 すると勇吾は、頬杖をつきながら、にっこりと微笑み、とんでもなく甘いセリフを口にしました。

別に 自分の妻を 眺めてるだけだが

「!」 不意打ちの「妻」という言葉に、ふきは顔を真っ赤にしてしまいます。 「そういう冗談… どこで覚えたんですか…」と慌ててごまかすふきに、勇吾は(冗談は 言ってないけど)と心の中で静かに思うのでした。

初めての市場と「夫婦」の証

こうして、あっという間に始まった二人の結婚生活。 その初日は、まず食料品の買い出しから始まりました。

活気あふれる市場の様子に、ふきは「わあ! 賑わってますねぇ!」「初めての市場なんです! なんだか わくわくします!」と、目を輝かせます。 勇吾はそんなふきの姿を「ねえや」と優しく呼び止めると、「ぐいっ」と、彼女の肩を強く引き寄せ、抱き寄せました。

「!?」 「隣を歩け。夫婦なんだし

堂々とした勇吾の言葉と行動に、ふきは再び顔を赤らめますが、その顔は嬉しそう。 すっかり元気を取り戻したふきは「じゃあまずは 乾物屋さんから! どんどん回ましょう!」と、勇吾の手を引くようにして市場を巡り始めます。

市場の視線と「身分」の壁

ふきは、女中として培った目利きを存分に発揮します。 「何がどう違うんだ?」と尋ねる勇吾に「厚さと色味が大事なんです!」と海苔を真剣に吟味し、味噌屋では「すみません その味噌を五合」とテキパキと注文。

そんな二人の姿は、市場では少し目立っていたようです。 お店の老婆が「ま~ 珍しいこと。どこぞの若さまが 女中と並んで買い物かい」とヒソヒソと噂します。

さらに、ふきが春菊を前に「出始めだから ちょっと高いか…」と悩んでいると、後ろから「ねぇあそこの二人 きれいな男だこと!」「こんな市場に 使用人のお供…?」という声が聞こえてきます。

しかし、ふきはそんな声に気づかないフリをして(あるいは本当に気づかず)、「わっ 大根三本五銭!? すごい お買い得!」と大喜び。 「坊ちゃん これ 重いですけど…」 「…ああ 買っていくか」 勇吾はそう言うと、ふきに代わって「お会計お願いします」と店主に声をかけます。

店主は、大きな大根の束を勇吾に手渡しながら、豪快に笑いました。 「いやー お兄さん 女中さんの荷物持ったぁ? 見た目も中身も 男前だねぇ!!

店主に悪気がないのは分かっていましたが、「女中さん」という言葉が、勇吾の心に小さく引っかかりました。

「…失敗した」―夫としての後悔

帰り道。ふきは「案の定 たくさん買い込んじゃいましたね」「大根三本は 二人暮らしに多すぎですけど お漬け物にしておけば…」と上機嫌で話しかけます。 しかし、勇吾はずっと黙り込んだまま。

「どうしました?」 ふきの問いかけに、勇吾は重い口を開きます。

…失敗した」 「せめてもっと 地味な羽織でも 被せるんだった。帽子でも被って 来るんだった」

勇吾の言葉の意味が分からず、きょとんとするふき。 彼女は、先ほどの市場での出来事を思い出します。 (ねぇ見て 美男子…)(女中さん…)

ふきは、自分と勇吾の「見た目」の差が、周りの好奇の目を集めていることに、ようやく気づいたのです。 (もしかして坊ちゃん… 嫌なのかな 私が目立っちゃうのが)

しかし、勇吾の後悔は、ふきの想像とはまったく違うものでした。 「この前 街に出た時も そうだった。一緒にいると 大量の視線を 感じるもの…

彼は、自分が目立つことで、隣にいるふきが「使用人」だと好奇の目で見られることに気づいていたのです。彼は、ふきを好奇の目から守れなかった自分を「失敗した」と責めていたのでした。

引っ越しの挨拶と「夫」の決意

ふきは、勇吾の気持ちに気づかず、「坊ちゃん! 急いで帰りましょう!」「ほら 帰ったら 引っ越しのご挨拶に行かなくちゃ」と、その場を取り繕おうとします。 「…そうだな」 勇吾は、ふきの不安を察し、静かに頷きました。

そして、家に戻った二人。 ふきが「そろそろ お隣にご挨拶に…」と立ち上がると、勇吾は「ねえや」と彼女を呼び止めます。 彼の手には、一つきの帽子が。

横に並んでみて

勇吾は、ふきの頭にそっと帽子を乗せ、鏡に映る二人の姿を確認します。 それは、「若様と女中」ではなく、「夫と、その妻」の姿でした。

勇吾は、ふきが「女中」として見られないよう、精一杯「大人」として背伸びし、新しい環境に馴染めるようにという、彼なりの深い配慮でした。

彼は、鏡に映る少し大人びた姿のふきに向かって優しく微笑み、言いました。

よし。行こうか 引っ越し挨拶

あまりに不意打ちの、そして堂々とした「夫」としての振舞いに、ふきは心臓が飛び出しそうなほど赤面するのでした。

【大正學生愛妻家】4話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回の第4話、甘さと切なさが絶妙なバランスでした! もう、冒頭の「自分の妻を眺めてるだけだ」でノックアウトです! 勇吾坊ちゃん、あなたはどこでそんなキラーフレーズを覚えてきたんですか!? 18歳、恐るべし…。

市場でのデート(ですよね?)も最高でした。 女中として培ったスキルを存分に発揮してイキイキしているふきと、そんな彼女を「夫婦なんだし」と堂々と肩を抱いてエスコートする勇吾。そして、店主の「男前だねぇ!」の言葉通り、重い荷物を(たぶん)全部持ってあげる紳士っぷり。 「契約結婚」だったはずが、勇吾がもう完全に「夫」の顔をしているのがたまりません。

しかし、そこで来るのが「身分差」の壁ですね。 「使用人のお供…?」という悪意のない(だからこそ残酷な)世間の声。 ここでふきが(嫌なのかな…)と不安になるのが切なかったです。

でも、この話のハイライトは、その後の勇吾の対応です! 彼が「失敗した」と後悔したのは、ふきと歩くことではなく、「ふきを守れなかったこと」でした。 「地味な羽織を」「帽子を」というのは、彼女を隠すためじゃなく、彼女が「女中」として好奇の目で見られないように、「妻」として守るための彼なりの配慮だったんですね。

そして、最後の「帽子」のシーン! これはもう、勇吾の「ふきは俺の妻だ」という世間に対する宣戦布告です! 「契約」なんていう言葉は、彼の頭からはもう消え去っていますね。 ふきのことを本気で「妻」として大切にし、守ろうとする勇吾の決意が見えた、本当に素晴らしいラストでした!

【大正學生愛妻家】4話のネタバレまとめ

  • 新婚初日の朝、勇吾は買い出しリストを作るふきを「自分の妻を眺めてるだけだ」と甘い言葉で見つめる。
  • 二人は初めての市場へ買い出しに。ふきは女中スキルを発揮し、勇吾は「夫婦なんだし」と堂々とふきの肩を抱く。
  • しかし、二人の見た目の違いから、市場の客に「使用人のお供?」と噂されてしまう。
  • 勇吾はその視線に気づいており、ふきを好奇の目から守れなかったことを「失敗した」と後悔する。
  • 彼は、ふきが「女中」ではなく「妻」として見られるよう、引っ越しの挨拶回りの直前に、ふきに帽子を被せる
  • 勇吾はふきを「妻」として堂々と連れ出し、「行こうか」と優しく微笑んだ。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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