【大正學生愛妻家】13話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 勇吾はふきを思い出の洋食レストランでの食事に誘いました。
  • 彼は最近の寄り道の理由が株式投資であったことを告白。「節約に励むふきを尊敬している」「たまには気兼ねなく楽しんでほしくて」自分の力でお金を用意したかったと明かします。
  • ふきの「カフェ通い」の誤解は、勇吾の「ふきという妻がいるのに そんな馬鹿な」という言葉で完全に解けました。
  • 食事中、勇吾はふきが苦手なきのこを自分のグラタンと交換してあげる優しさを見せます。
  • 帰り道に迷子の男の子を助けた際、男の子の両親から「いいご夫婦」と言われ、二人は初めて世間に夫婦として認められた喜びを分かち合いました。勇吾は改めて「俺にとって ねえや… は 永遠に すごい人だ」とふきへの深い想いを実感します。

【大正學生愛妻家】第13話をネタバレありでわかりやすく解説する

初めて「夫婦」として認められ、心からの笑顔を交わしたふきと勇吾。第13話では、勇吾の過去と、彼が抱える複雑な一面が親友・桃木の視点から語られます。そして、ふきの健気さが、勇吾の心を少しずつ解きほぐしていく様子が描かれます。

勇吾の二面性―親友・桃木の回想

学校の教室。一人の学生が「しまった! ドイツ語の課題 すっかり忘れてた…」「たのむ橘! 写させてくれ!」と勇吾に泣きつきます。 しかし、勇吾は「…構わないよ」とノートを差し出すものの、表情は冷ややか。 「こいつ こういう時 冷めた表情するんだよなぁ…」と桃木は内心で呟きます。

案の定、勇吾は笑顔で「断る」「ははっ バレたら俺まで しかられるだろ」と、あっさり拒絶。 絶望する学生に、勇吾は「まあ 一つ貸しで 手伝ってやらんこともない」「恩に着る!」と、結局は手伝ってあげるのですが、そのやり取りを見ていた桃木は、(ほら 桃木も)と呆れ顔。

桃木は、勇吾と初めて出会った中学時代を思い出していました。 北海道庁立札幌第一中學。四年生だった桃木は、編入してきた勇吾の完璧さに、最初はいけ好かない印象を抱いていました。

成績優秀、整った容姿、悪目立ちもせず、そつのない振る舞い。 しかし桃木は、勇吾が時折見せる張り付いたような笑顔に、どこか違和感を覚えていました。(嘘くさいやつだ

雪の日の出会いと、失くした写真

季節が巡り、ある雪の日の暮れ。腹を空かせた勇吾が、雪の中に何かを探して倒れ込んでいる姿を桃木は発見します。 「!」 勇吾が落としたのは、一枚の古い写真でした。それは、幼い勇吾と、女中姿のふきが二人で写っている写真

「おい 橘 これ…」 桃木が写真を拾い上げると、勇吾は「あっ」と顔を上げ、涙目で写真を受け取ります。 「よかった…!」 写真を取り戻し、心から安堵する勇吾。その子供のような純粋な表情を、桃木は初めて見たのでした。

この一件以来、二人は学校でも寮でも、なんとなくつるむようになったのです。 桃木は、勇吾の完璧さの裏にある、不器用さや人間らしい一面を知っていました。

勇吾の抱える影―「普通」への憧れ

しかし、勇吾には時折、桃木にも理解できない影が見え隠れしていました。 ある日、勇吾が誰かに絡まれて怪我をして帰ってきた時。 「お前のケガ… 俺の血じゃない」「街で くだらん連中に 絡まれたんだ くそ 汚いな」 心配する桃木に、勇吾はそう言って顔をしかめます。

さらに、別の時には、先輩たちに誘われて廓(くるわ・遊郭のこと)へ行こうと誘われる場面も。 「任せとけって! 俺らが案内してやるから!」「いい女が ゴロゴロいるぞ~」 そんな誘いにも、勇吾は冷たい表情で一切関心を示しませんでした。

桃木は、勇吾が時折見せる自暴自棄な振る舞いや、色恋沙汰への異常なまでの無関心を、ずっと気にかけていました。

そして、東京へ来る直前。桃木は勇吾に「街へ寄って行かんか?」と誘いますが、勇吾は「悪い 今日は早く帰りたいから…」と、嬉しそうな顔で断ります。 その表情の変化に、桃木は(変わりよう!! …嫁とうまくいってるんだな)と安堵するのでした。

穏やかな日常と、小さな変化

場面は現在に戻ります。 家で一人、勇吾の部屋を掃除するふき。彼の書棚には、札幌から持ってきた難しい本が並んでいます。 (勇吾さまのにおい… はっ やだ私! あの日お出かけの日から 前にも増して 意識しちゃってる…!) ふきは、勇吾への想いが日増しに強くなっていることを自覚し、赤面します。

ふと、本棚から一枚の紙がひらりと落ちます。 「なんだろ」 それは、何かのメモ書きのようでした。

その夜の食卓。「ごちそうさま 今日の焼き魚 脂がのってて美味かったな 安売りしてたですよ!」と話すふきに、勇吾は「…ふき こっち向いて」と声をかけます。

「?」 勇吾は、ふきの襟元が少しはだけていることに気づき、「襷(たすき)が捻じれてる」と、そっと直してあげました。 「なおった!」 「あっ… すみません ありがとうございます」

何気ない仕草ですが、ふきの心臓はドキドキと高鳴ります。 そして、ふきは勇吾に「お風呂 良い頃合いですよ 入っちゃってくださいね!」と笑顔で促すのでした。 (…ああ) 勇吾は、ふきの明るい笑顔に、何かを感じ取ったように静かに頷きます。

【大正學生愛妻家】13話を読んだ感想(ネタバレあり)

今回は桃木くん視点での勇吾の過去エピソード、めちゃくちゃ良かったですね! いつも完璧で冷静沈着に見える勇吾が、実は色々な顔を持っていることが分かって、ますます彼に深みが出ました。

教室での「断る」からの「手伝ってやらんこともない」のくだり、勇吾のSっ気というか、ちょっと意地悪な一面が見えて面白かったです(笑)。でも、結局助けてあげるあたり、根は優しいんですよね。

そして、中学時代の回想。 雪の中でふきとの写真を必死に探して、見つかって涙ぐむ勇吾…! どんだけ「ねえや」のこと好きなんですか!! あの写真が、彼にとってどれだけ大切な宝物だったか…。北海道での六年間、ずっとふきのことを想い続けていたんですね。もう、このエピソードだけで涙腺崩壊です。

でも、その一方で、時折見せる自暴自棄な振る舞い色恋沙汰への無関心。これは気になりますね。彼が何かしら心に傷を負っているのか、それとも「完璧」を演じることへの疲れなのか…。桃木くんが心配するのも無理ありません。 でも、東京に来る直前の「嬉しそうな顔」! あれは絶対にふきのおかげですよね! 嫁(ふき)の存在が、彼の心を確実に変えているんだな、と嬉しくなりました。

そして、現代パート。 勇吾の部屋を掃除しながら、彼の匂いにドキドキしちゃうふき、可愛すぎます! 完全に恋する乙女ですね。 本棚から落ちてきた謎のメモも気になります。あれは一体何だったんでしょうか…?

最後の、襟元を直してあげるシーン! これはもう、完全に夫の行動じゃないですか! しかも、直した後に「なおった!」って、ちょっと得意げな顔してるのが可愛い(笑)。 ふきがドキドキするのも当然です!

「契約結婚」から始まった二人ですが、お互いを意識し、少しずつ距離が縮まっているのがひしひしと伝わってきます。勇吾の過去の影と、ふきの真っ直ぐな想いが、今後どう交差していくのか、ますます目が離せません!

【大正學生愛妻家】13話のネタバレまとめ

  • 学校で、勇吾は同級生に冷たく接しつつも、結局は面倒を見る一面を見せる。
  • 親友の桃木竜蔵は、中学時代に初めて出会った頃の完璧だが嘘くさい笑顔の勇吾を回想する。
  • ある雪の日、勇吾がふきと一緒に写った古い写真を落とし、涙目で必死に探す姿を桃木は目撃。それがきっかけで二人は親しくなる。
  • 桃木は、勇吾が時折見せる自暴自棄な振る舞い色恋沙汰への無関心を心配していたが、東京へ来る直前の嬉しそうな顔を見て、嫁(ふき)の影響を感じていた。
  • 現在、ふきは勇吾の部屋を掃除中に彼の匂いにドキドキし、本棚から謎のメモを見つける。
  • 夕食後、勇吾はふきのはだけた襟元を「襷が捻じれてる」と優しく直してあげる。その自然な夫としての振る舞いに、ふきはさらにドキドキしてしまう。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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