【大正學生愛妻家】14話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 学校で、勇吾は同級生に冷たく接しつつも、結局は面倒を見る二面性を見せました。
  • 親友の桃木竜蔵は、中学時代に初めて出会った頃の完璧だが嘘くさい笑顔の勇吾を回想します。
  • 雪の日、勇吾がふきと一緒に写った古い写真を落とし、涙目で必死に探す姿を桃木は目撃。それがきっかけで二人は親しくなりましたが、勇吾が時折見せる自暴自棄な振る舞い色恋沙汰への無関心を桃木は心配していました。
  • 東京へ来る直前の嬉しそうな顔を見て、桃木は嫁(ふき)の影響を感じていました。
  • 現在、ふきは勇吾の部屋を掃除中に彼の匂いにドキドキし、本棚から**謎のメモ(手紙の下書きのようなもの)**を見つけます。
  • 夕食後、勇吾はふきのはだけた襟元を「襷が捻じれてる」と優しく直してあげる。その自然な夫としての振る舞いに、ふきはさらにドキドキしてしまいました。

【大正學生愛妻家】第14話をネタバレありでわかりやすく解説する

勇吾の部屋で見つけた謎のメモ。第14話は、そのメモの内容が明らかになり、二人の間に生じていた「すれ違い」の核心に迫る、雨の中の感動的なエピソードです。

勇吾からふきへの「読まれるはずのない手紙」

ふきは、勇吾の部屋で見つけた一枚の紙を改めて見つめていました。それは、彼が東京へ来る前に書いた、ふきへの手紙の下書きでした。 (こうして 読まれるはずもない手紙を書かねば 心が落ち着きません)

そこには、勇吾の切実な想いが綴られていました。 「養父に 近々結婚するよう 命じられましたが どうでもいいことです」 「あなた以外となら 誰だとしても 同じだから」 「ただ 俺のことなど すっかり忘れているだろうあなたに 会いたい」 「せめてもう 一目だけでも」

それは、養父に結婚を命じられた勇吾が、他の誰でもない、ただふきにだけ会いたいと願う、悲痛な心の叫びでした。 手紙を読み終えたふきは、涙をこらえることができません。 (ぽろっ ごしごし) 彼が自分をずっと想っていてくれたこと、そしてその想いを伝えられずにいた彼の苦しさを知り、ふきの心は締め付けられるのでした。

すれ違う想い―「坊ちゃん」呼びと突然の雨

その日の夕方、勇吾が帰宅します。 「ただいま」 「おかえりなせいませ!」 いつもより格段に明るい笑顔で迎えるふき。その様子に、勇吾は少し戸惑いを見せます。

食事の際も、ふきは「お弁当 おいしかったですか?」「おにぎりの具 いつもよりたっぷりだったでしょ?」と甲斐甲斐しく世話を焼き、勇吾が気づいた薪の補充も「あっいえ 私がやります」「力仕事は大丈夫ですから! 坊ちゃんは学校でお疲れですもの」と、あえて距離を取るような振る舞いをします。

その言葉に、勇吾の表情が曇ります。 (…ちょっと反省したんです 私の仕事なのに ずうっと甘えすぎてたなーって) ふきは必死に明るく振る舞いますが、勇吾は彼女が再び「坊ちゃん」と呼んだことに、深く傷ついたような、戸惑ったような表情を浮かべていました。

「ふき 今 坊ちゃんって」 「あっ いけない お買い物しなきゃ 行ってきます!」 自分の失言(?)に気づいたふきは、慌てて家を飛び出します。一人残された勇吾は、ただ茫然とその場に立ち尽くすのでした。

家を飛び出したふきは、自己嫌悪に陥っていました。 (はーっ はーっ) その時、突然激しい雨が降り始めます。傘を持っていなかったふきは、雨に打たれながら立ち尽くします。 (ばかみたい)

彼女の頭の中は、勇吾への想いと、彼には別に想う人がいる(という誤解)という考えでぐちゃぐちゃでした。 (勇吾さまの心に 別の誰かがいるとも知らずに 私は……

雨の中の告白―「全部ふきのことなんだ」

雨に濡れるふきの肩に、そっと上着(外套)がかけられます。 振り返ると、そこには息を切らした勇吾が立っていました。

「…ふき」 彼は、ふきの最近のよそよそしい態度を、自分なりに解釈していました。 「…はじめは この急な結婚に ふきの気持ちが追いつかないのも 仕方ないと 思ってた」 「それでも一緒に生活するうち 少しずつ 俺を夫として受け入れる気持ちを持ってくれるんじゃ ないかって」 「なのに 今さら女中に戻りたいと?

彼の言葉は、明らかにふきの態度への戸惑いと不安を示していました。そして、彼は最も恐れていた可能性を口にします。 「……まさか 他に好いた男がいるとか?

「そんなのいるわけ…」 必死に否定するふき。しかし、勇吾の不安は拭えません。 彼はふきの両肩を掴み、悲痛な表情で問い詰めます。 「じゃあどうして! 俺から距離を取ろうと…」 「ふきは 俺じゃだめなのか…?

そのあまりに切ない表情に、ふきは真実(だと彼女が思っていること)を伝えなければと思います。 「……深く想う方が いらっしゃるんでしょう?」 「坊ちゃんは 優しすぎるから 無理をして おつらかったでしょう…!」

そして、ふきは懐から、あの手紙の下書きを取り出し、勇吾に差し出しました。 「だから これ…」

勇吾は、雨に濡れてくしゃくしゃになった紙片を受け取り、目を見開きます。それは、彼が捨てるはずだった、読まれるはずのなかった本心でした。 彼は、ふきがこれを読んで誤解していることに気づきます。

そして、雨に打たれながら、涙を流しながら、彼は叫びました。 「…ふきのことだ」 「えっ?」 「ここに書いたのは 全部 全部 ふきのことなんだ…

ついに明かされた勇吾の本当の気持ち。 それは、他の誰でもない、ふきへの一途な、そして長年の想いでした。 雨の中、二人はただお互いを見つめ合うのでした。

【大正學生愛妻家】14話を読んだ感想(ネタバレあり)

号泣しました…!! 第14話、最高です!! もう、冒頭の手紙のシーンから涙腺が崩壊しました。

あなた以外となら 誰だとしても 同じだから」「会いたい」 勇吾…! なんて切ない想いを抱えていたの…! 6年間、ずっとふきのことを想い続けて、でも忘れられているかもしれない、会う資格もないかもしれないって、一人で苦しんでいたんですね。手紙の一言一句に彼の純粋で不器用な愛情が詰まっていて、胸が締め付けられました。 ふきがこれを読んで涙するのも当然です。

そして、すれ違いからの雨の中の告白シーン! ふきが良かれと思って「坊ちゃん」呼びに戻しちゃうところ、健気だけど切ない…! 勇吾がそれで「俺じゃだめなのか…?」って絶望しちゃうのも、彼の不安の裏返しなんですよね。

からの、「他に好いた男がいるとか?」ですよ! 勇吾さま、嫉妬ですか!? 普段冷静な彼が、ふきのことになるとこんなに感情的になるなんて…! ふきが誤解を解こうと手紙を見せた時の、勇吾の表情の変化! 驚き、戸惑い、そして真実を伝える時の、あの涙ながらの叫び!

ここに書いたのは 全部 全部 ふきのことなんだ…

きたーーーーー!! ついに、ついに本当の気持ちが…!! もう、このシーンは涙なしには見られませんでした。雨と涙でぐちゃぐちゃになりながら、やっとお互いの本当の気持ち(の一部)が通じ合ったんですね! 長年の想い、誤解、不安、嫉妬、そして愛。すべての感情が雨の中で爆発したような、本当に感動的なクライマックスでした!

この後、二人はどうなるんでしょうか!? やっと想いが通じた(はず!)二人のこれからが、楽しみで仕方ありません!

【大正學生愛妻家】14話のネタバレまとめ

  • ふきは、勇吾の部屋で見つけたメモが、彼が東京へ来る前に書いたふきへの手紙の下書きだと知る。そこには「あなた以外となら誰でも同じ」「会いたい」という切実な想いが綴られていた。
  • ふきは、勇吾に想い人がいる(という誤解)から自分に遠慮しているのだと考え、気を遣って再び「坊ちゃん」と呼んでしまう
  • ふきのよそよそしい態度に、勇吾は「他に好いた男がいるのか?」「俺じゃだめなのか?」と不安を募らせ、雨の中ふきを問い詰める。
  • ふきは誤解を解くため(と、彼を楽にするため)、手紙の下書きを勇吾に見せる。
  • 手紙を読んだ勇吾は、ふきが誤解していることに気づき、涙ながらに「ここに書いたのは 全部 全部 ふきのことなんだ…」と、手紙の相手がふき本人であることを告白した。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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