【工作都市 欲望のワルツ】11話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • ジェヒは夫ジュンヒョクがイソルを抱きかかえる現場を目撃し、激しく動揺しました。
  • イソルはジェヒに、過去に生活のために子供を養子に出したという衝撃的な告白をします。
  • ジェヒはイソルの苦しみに深く共感し、彼女を信頼し始めます。
  • イソルの部屋が何者かに荒らされ、彼女の過去の写真にナイフが突き立てられるという脅迫を受けました。
  • ジュンヒョクは「トークコンサート」を口実にイソルを舞台裏に呼び出し、強引にキスを迫ります。
  • イソルが「奥様と別れるつもりは?」とジュンヒョクを問い詰めた瞬間、その会話のすべてをジェヒが幕の陰で聞いていました。

【工作都市 欲望のワルツ】第11話をネタバレありでわかりやすく解説する

夫と、信頼し始めた部下の衝撃的な会話。第11話は、ジェヒが人生で最も残酷な裏切りを突きつけられる場面から始まります。

幕の裏で聞いた夫の本心

舞台裏の暗幕の奥、ジェヒの夫ジュンヒョクはキム・イソルに迫っていました。イソルが「奥さんがいるじゃないですか」と彼を拒みます。

しかし、ジュンヒョクは悪びれる様子もなく、言い放ちました。

「妻としても母親としても完璧な女性だが、胸が高鳴ることはない」

その言葉は、幕一枚を隔てたすぐそばにいたジェヒの耳に、あまりにもはっきりと届いてしまいます。

いたたまれなくなり、その場を飛び出したジェヒ。彼女はショックのあまり、茫然と立ち尽くすことしかできません。イソルから心配する電話がかかってきますが、ジェヒは何も話すことができませんでした。

慌てて追いかけてきたイソルに対し、ジェヒは**「来ないで」**と拒絶。当てもなく夜の街をさまようジェヒは、ふと足を止めます。そこは、7年前の「ヒョンサン強制退去事故」で亡くなった被害者を追悼する横断幕の前でした。

孤独なホテルと結婚式の誓い

ジェヒは自宅に帰る気になれず、一人ホテルで一夜を明かします。ワインを片手に湯船に浸かるジェヒ。彼女は、夫の裏切りを知って自ら命を絶った、クォン・ミンソンの最期を思い出していました。あの時のミンソンの絶望が、今なら少しわかるような気がします。

そして、ジェヒの脳裏に蘇るのは、ジュンヒョクと結婚した日のこと。ウェディングドレス姿の彼女に、ジュンヒョクはこう警告しました。

「俺はいい男じゃないから、引き返すなら今のうちだ」

あの日、ジェヒは「いい男なんて必要ない。望みは、あなたを世界中から尊敬される人間にすることだ」と答えました。野望のために、夫の「悪い男」という本質から目をそらしてきたのは、他の誰でもないジェヒ自身だったのです。

ジョンホの警告とピルソンの暴走

その頃、ジェヒの元恋人である検事パク・ジョンホは、イソルと亡くなったノ・ヨンジュの関係に気づいていました。ノ・ヨンジュの遺品にあった指輪と、イソルの写真に映る指輪が一致したのです。

ジョンホは、イソルがノ・ヨンジュの復讐のためにジェヒに近づいたと察知。ジェヒが真実を知ればどれだけショックを受けるか。彼はジェヒを守るため、イソルに「黙って去るように」と警告します。しかし、イソルは「そんなつもりはない」と、彼の要求を拒否しました。

一方で、ソンジン家では義父ピルソンが暴走を始めています。彼はヒョヌが自分の血縁ではないと知った今、ジュンヒョクが他所で作ったという「隠し子」こそが本当の孫だと信じ込んでいます。ヤン社長(ウォンロク)に命じ、養子縁組のブローカーと接触させ、何としてもその子供を見つけ出そうと躍起になっていました。

ジェヒの決断「私の味方になって」

翌日、ジェヒは心を決め、何事もなかったかのようにイソルを美術館のホールに呼び出します。そして、昨日とは打って変わって、夫が不快な思いをさせたことを謝罪しました。

さらにジェヒは、イソルに対し最大の秘密を打ち明けます。

「ヒョヌは実の子ではない」

代理出産で、誰にも内緒で引き取った子だと。そして、ジェヒはイソルに頭を下げます。

「ジュンヒョクの妻でいるために、あなたを疑わないために、力を貸してほしい」

夫に裏切られた今、ジェヒはイソルを「味方」につけることで、この苦境を乗り越えようとしたのです。

ジェヒの宣戦布告ディナー

ジェヒの反撃が始まります。彼女はジュンヒョクに内緒で、イソルと、彼女と親しいドンミン記者を自宅のディナーに招待しました。

突然の来客、それもイソルとドンミンという顔ぶれに、ジュンヒョクは戸惑いと不満を隠せません。

ジェヒは、何食わぬ顔で料理を振る舞います。そして、ジュンヒョクの過去の発言を持ち出し、ドンミンたちに問いかけました。

「前に『妻以外の女は一度使ったら捨てるティッシュのような存在だ』と言ってた人がいるけど、どういう意味だと思う?」

凍りつく空気。ジェヒは、動揺するジュンヒョクをまっすぐに見つめ、冷ややかに告げます。

「イソルはあなたに興味ないみたいね」

ジュンヒョクが「あいつがそう言ったからって、それを信じるのか?」と鼻で笑うと、ジェヒは恐ろしいほどの無表情で言い放ちました。

「信じなくちゃ、殺してしまう」

それは、夫ジュンヒョクに対する、ジェヒの明確な宣戦布告でした。

すべてはハンスクの手のひらの上で

ソンジン家では、ピルソンが血の繋がらないヒョヌの写真を箱にしまい込んでいました。その様子を、姑のハンスクが冷たい目で見つめ、嘲笑します。

そして、物語は7年前の過去へ。イソルが病院で赤ん坊を出産した、あの日。

産婦人科の廊下には、ハンスクの秘書であるコ・ソンミの姿がありました。彼女は、生まれたばかりのイソルの子供(=のちのヒョヌ)が運ばれていく様子を、静かに見つめていたのです。

【工作都市 欲望のワルツ】11話を読んだ感想(ネタバレあり)

第11話、最後の最後で全てのパズルがはまった気がして、全身に鳥肌が立ちました。やはり、ハンスクはすべてを知っていたのです。

前回の考察通り、ヒョヌの本当の母親はイソルで、父親はジュンヒョク。この可能性が限りなく高くなりました。

ハンスクは、ジェヒが不妊に苦しみ、代理出産に手を出そうとしていることを最初から監視していました。そして、自分の息子の「隠し子」が生まれるタイミングで、その子をジェヒの「代理出産の子」として斡旋した。

これは恐ろしすぎる策略です。ジェヒは自分の最大の秘密(代理出産)をハンスクに握られ、同時に、ソンジン家の「本当の血筋」であるヒョヌを、自分の手でハンスクに差し出してしまったことになります。ジェヒは、ハンスクの手のひらの上で完璧に踊らされていました。

そんな地獄のような真実を知らないまま、ジェヒがイソルに「私の味方になって」と頼むシーンは、あまりにも残酷です。彼女は、自分の息子(ヒョヌ)の本当の母親に、夫(ジュンヒョク)を監視するよう頼んでいるのですから。

そして、ディナーでのジェヒの反撃。**「信じなくちゃ、殺してしまう」**というセリフ、最高にしびれました。夫の裏切りにただ泣き寝入りするのではなく、即座に牙を剥く。これぞユン・ジェヒです。

イソルがジュンヒョクに離婚を迫ったのも、ジェヒを思っての行動だったのでしょう。しかし、ジェヒにはそれが「夫を誘惑している」ようにしか見えない。このすれ違いが、本当にじれったいです。

ピルソンが「本当の孫」を探し回っているのも滑稽ですね。その子はもう、あなたの家にいるのに。彼の暴走が、逆にすべての真実を暴く引き金になりそうです。

【工作都市 欲望のワルツ】11話のネタバレまとめ

  • ジェヒは、ジュンヒョクがイソルに「妻を愛していない」と告げる現場を、幕の裏ですべて聞いてしまいます。
  • 大きなショックを受けたジェヒはホテルに泊まり、夫の裏切りを知って自殺したミンソンの気持ちを理解します。
  • ジョンホはイソルがノ・ヨンジュの復讐のためにジェヒに近づいたと知り、ジェヒを守るためにイソルに去るよう警告します。
  • ジェヒはイソルを呼び出し、「ヒョヌは代理出産で得た子だ」と秘密を打ち明け、「味方になってほしい」と頼みます。
  • ジェヒはイソルとドンミンを自宅に招待し、ジュンヒョクの目の前で彼を牽制。「(イソルを)信じなくちゃ、殺してしまう」と宣戦布告します。
  • 義父ピルソンは、ジュンヒョクの「隠し子」の行方を必死に捜し始めます。
  • 7年前の回想で、イソルが出産した病院にハンスクの秘書がいたことが判明。ハンスクが全てを知った上で、イソルの子(ヒョヌ)をジェヒに斡旋したことが確定しました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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