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【物語は鮮やかに縁は儚く】28話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 姑・陸母は、息子・寒洲(ルー-ハンヂョウ)を「富豪のお嬢様(=青梨(チンリー))」の婿選びの宴に参加させるため、妊娠中の本妻・沈依依(シェン-イーイー)に「離婚協議書」へのサインを強要しました。
  • 帰宅した寒洲は、宴への不参加を表明しますが、陸母は「コネで招待状を手に入れた」と言い張り、参加を強行しようとします。
  • 依依は「宋青梨が去ったと思ったら、今度は富豪のお嬢様…」と、自分の立場の危うさに涙ぐみます。
  • 夜、寒洲は一人で青梨との過去の写真を見つめ、未だ彼女への執着を見せます。
  • そこへ現れた依依が、不安げに「あなた、婿選びの宴に参加するの?」と寒洲の真意を問い質しました。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第28話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、姑・陸母の暴走と、寒洲の青梨への未練、そして依依の不安が渦巻く陸家。 第28話は、その続き、寒洲の迷える心と、彼が過去の自分の過ちに向き合い始める瞬間、そして、またしても姑が悪魔のような囁きで彼を間違った方向へ導こうとする様子が描かれます。

寒洲の答え「青梨が戻ってきてからだ」

寝室で、依依は不安げに寒洲に問いかけます。 「もしお義母様が、私にあなたとの離婚を迫ったらどうするの? 私と離婚させる?」 彼女は、寒洲の心が自分にあるのか、それとも「富豪のお嬢様」や、いまだ行方の知れない青梨にあるのか、確かめずにはいられません。

しかし、寒洲の答えは、依依を安心させるものではありませんでした。 彼は目を伏せ、力なく答えます。 「今はそんなこと考えたくない。青梨が戻ってきてからだ」 彼の心は、依然として青梨に囚われているのです。

その答えを聞いた依依は、嘲るように言い放ちます。 「宋青梨はあなたの浮気を知って、彼女の子供が死んだのよ」 「一人きりで、外で傷心して死んでるかも。戻ってくるわけないじゃない」 彼女は、青梨が経験した地獄(流産)を知りながら、それをまるで他人事のように語り、寒洲の希望を打ち砕こうとします。 そして、「先に安安を寝かしつけてくるわ」と、娘を言い訳にして部屋を出ていきました。

監視カメラの記憶と、消えた「証拠」

一人残された寒洲は、深くため息をつき、再び青梨に電話をかけますが、やはり繋がりません。 「青梨。一体どこにいるんだ? 俺のこと、もういらないのか?」 彼は、青梨を失った現実と、もし再会できたとしても「どう接すればいい?」という葛藤に苦しみます。

その時、寒洲の脳裏に、ある記憶がよみがえりました。 (家には監視カメラがある) リビングに設置されていた監視カメラ。 (パソコンを調べれば、わかるはずだ、青梨が何かに気づいたのかどうか) 彼は、青梨が家を出て行った理由、写真立てなどを隠した理由が、監視カメラの映像に残っているかもしれないと考えたのです。

寒洲は寝室を飛び出し、書斎へ向かい、ラップトップパソコンを開きます。 しかし、彼が確認しようとしたであろう日時の監視カメラの映像ファイルは、なぜか見当たりません。 その瞬間、さらに別の過去の記憶がフラッシュバックします。

それは、青梨がリビングで電話をしている姿でした。 「あなた。家の監視カメラが壊れたわ」 「私が終わったら、見に行くわ」 青梨は、寒洲にそう報告していました。 そして、その「報告」のさらに前、寒洲はオフィスで依依とキスをしていたのです。

点と点がつながり、寒洲は恐ろしい可能性に思い至ります。 青梨は、監視カメラで自分の裏切り(依依とのキス)を目撃したのではないか? そして、「壊れた」と嘘をつき、自分に都合の悪い映像データを消去したのではないか? (※これは寒洲の推測であり、真実はまだ不明です)

彼は、パソコンの前で愕然とし、自分の愚かな行動を深く悔いる表情を見せました。 (俺はどうして青梨にこんな仕打ちができたんだ?

姑の悪魔の囁き「婿選びの宴に出なさい」

後悔に打ちひしがれながら書斎を出た寒洲は、廊下で母・陸母と鉢合わせします。 「寒洲や。まだ寝てなかったのかい? 泣いたの?」 寒洲は、力なく母に訴えます。 「母さん。青梨が見つからないんだ。俺が彼女を失くしてしまった

初めて息子が見せた弱音。 しかし、陸母の反応は、同情ではありませんでした。 彼女は、これを好機と捉え、悪魔のような提案をします。 「まあ。お母さんに考えがあるわ、青梨を取り戻すのを手伝ってあげる」 「どんな方法?」 顔を上げる寒洲に、陸母は言い放ちます。

「宋青梨はあんなにあなたを愛してるんだから、あなたが出席しさえすれば、富豪のお嬢様の婿選びの宴に」 「彼女はあなたを失うのを恐れて、きっと大人しくあなたの元へ戻ってくるわ」 「戻ってこなくても、後悔するのはあの子の方よ」

これは、あまりにも歪んだ論理です。 青梨の愛を利用し、嫉妬心を煽ることで、彼女を取り戻そうというのです。 しかも、その舞台が、青梨の実家が主催する宴であるという皮肉。

寒洲は、母の言葉を聞き、何かを企むような、それでいてどこか吹っ切れたような、複雑な表情を浮かべます。 そして、彼は小さく頷きました。 「そうだな」 彼は、母の悪魔の囁きに乗ることを決めたのでしょうか。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第28話を読んだ感想(ネタバレあり)

第28話は、寒洲の内面の変化と、それを利用しようとする周囲の悪意が描かれた回でした。 依依の「戻ってくるわけないじゃない」という言葉は、彼女の本性をよく表していますね。 青梨がどれだけ傷ついたかを知りながら、それを寒洲を繋ぎとめるための道具にする。 本当に恐ろしい女性です。

寒洲が、ようやく自分の過去の過ち(依依とのキス)と向き合い、「俺はどうして青梨にこんな仕打ちができたんだ?」と後悔するシーン。 これは、彼にとって大きな一歩だと思います。 監視カメラの映像が消えていた件は、おそらく青梨が復讐のために意図的に消したか、あるいは別の場所に保存している可能性が高いでしょう。 寒洲が「青梨が裏切りに気づいていた」と誤解したままなのが、今後の展開にどう影響するのか気になります。

しかし、その僅かな成長の兆しを、姑・陸母が悪魔の囁きで打ち砕こうとする展開には、本当に腹が立ちました。 「婿選びの宴に出れば、青梨が戻ってくる」という発想。 どこまでも自分勝手で、青梨の気持ちを全く理解していません。 問題は、寒洲が「そうだな」と頷いてしまったこと。 彼は本気で、この歪んだ作戦で青梨を取り戻せると考えているのでしょうか? それとも、宴に参加することで、何か別の目的(例えば、青梨の実家に直接乗り込む口実を作るなど)があるのでしょうか? 彼の真意が読めない、不穏な終わり方でした。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第28話のネタバレまとめ

  • 依依は寒洲に離婚について問いますが、寒洲は「青梨が戻ってきてからだ」と答え、依依は「子供を失った青梨が戻るはずがない」と嘲笑します。
  • 一人になった寒洲は青梨に電話するも繋がらず、「俺のこと、もういらないのか?」と苦悩します。
  • 寒洲は家に監視カメラがあったことを思い出し、青梨が家を出た理由を探ろうとしますが、映像データは見つかりませんでした。
  • 過去に青梨が「カメラが壊れた」と報告していたこと、さらにその前に自分が依依とキスしていたことを思い出し、「俺はどうして青梨にこんな仕打ちができたんだ?」と激しく後悔します。
  • 廊下で姑・陸母に会い、「青梨が見つからない」と弱音を吐くと、陸母は「婿選びの宴に出席すれば、青梨はあなたを失うのを恐れて戻ってくる」と悪魔の提案をします。
  • 寒洲は、母の言葉に「そうだな」と頷き、何かを企むような複雑な表情を見せました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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