復習モノ

【物語は鮮やかに縁は儚く】19話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 夫・寒洲(ルー・ハンヂョウ)は、青梨(チンリー)の電話が繋がらないことに焦り、病院へ行こうとしました。
  • しかし、本妻の依依(イーイー)と娘の安安(アンアン)が引き留め、寒洲は「沈依依、おまえは一線を越えた!」と激昂します。
  • 寒洲は「俺がおまえに籍を与えたのは子供と命の恩のため」「俺が最も愛しているのは青梨だけだ」と本音をぶちまけ、家を出ていきました。
  • 一人残された依依は、自分が寒洲の「命の恩人」に「なりすまし」ていたことを独白し、嘘がバレることを恐れます。
  • 依依の独白により、寒洲の「本物の命の恩人」は、「あの時、陸寒洲を突き飛ばした あの女(=青梨)」であり、依依はその功績を横取りしていたことが確定しました。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第19話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、ついに依依に本音をぶつけ、家を飛び出した寒洲。 今度こそ青梨のもとへたどり着くかと思われましたが、第19話は、その寒洲の前に「最強のストッパー」が立ちはだかる場面から始まります。 一方、絶望の底にいる青梨は、ついに「復讐の切り札」を夫に突き付けます。

安安の恐るべき提案「明日はスープとバラの花束を」

(※第18話のラストで寒洲は家を出ましたが、第19話は、その直前、あるいは家を出たものの、やはり青梨の電源が繋がらないため、一度家に戻ってきたかのような、時間軸が少し戻った場面から始まります)

リビングで、娘の安安が寒洲に話しかけます。 「パパ、私、新しいプレゼントをママ(青梨)にあげたい。明日、一緒に病院に行ってママに会いに行こうよ、いい?」 しかし、寒洲は携帯を耳に当てたまま、焦りを隠せません。 「君のママは携帯の電源を切ってる。パパは心配だ。様子を見に行かないと」 「君は家でプレゼントの準備をしてなさい」

寒洲が今度こそ家を出ようとした、その時。 安安は、階段の上にいる依依(自分の実母)の姿を確認すると、寒洲をソファに無理やり座らせ、恐るべき説得を開始します。

「ママは今きっともう寝てるよ。今は休ませてあげなきゃ。明日にしよう」 「ママはパパが作ったスープが好きだよ」 「明日の朝早く、スープとプレゼントを持って一緒に会いに行こう」 「バラの花束を買ってママにあげて、喜ばせてあげてね」

これは、単なる子供の提案ではありません。 安安は、青梨の好物(夫の手作りスープ)や好きなもの(バラの花束)を完璧に把握した上で、それを「武器」として使い、寒洲の「青梨の機嫌を取りたい」という罪悪感を巧みに利用したのです。

夫の見当違いな決意「明日は必ず君の機嫌を直す」

そこへ、依依が階段を降りてきて、完璧なアシストを入れます。 「そうよ、寒洲。明日にしましょう。奥様はまだ怒っているわ。今病院に行ったら、喧嘩になったらどうするの?」

最強の母娘タッグによる説得。 寒洲は、青梨が家から写真立てを隠した理由を、「流産」や「決別」ではなく、まだ「怒っているから」だと誤解しています。 この「怒っている」という前提で説得された彼は、ついに折れてしまいました。

「分かった。じゃあ、明日は一緒に行こう」 「じゃあ私、プレゼントの準備する!」と嬉しそうに駆け出す安安。 寒洲は、一人残ったリビングで、携帯電話に保存されている青梨の写真を見つめます。 (青梨… 会いたい…) (どうであれ、明日は必ず君の機嫌を直すから) 彼が抱いた決意は、しかし、青梨が直面している地獄の現実とは、あまりにもかけ離れた、見当違いなものでした。

病院の孤独と看護師の「励まし」

場面は一転し、夜の病院の病室。 青梨のそばには、誰もいません。 そこへ、看護師が充電を終えた青梨の携帯電話を持ってきました。 「携帯電話、充電終わりましたよ」

そして、看護師は、善意から青梨を励まします。 「あまり気を落とさないでくださいね。まずは自分の体を大切に」 「あなたはまだ若いんだから、子供はこれからできますよ

しかし、その善意の言葉は、夫の命令で我が子を失い、その夫が今この瞬間も別の女と過ごしていることを知っている青梨にとって、刃物のように突き刺さります。 青梨は「大丈夫です」と、力なく微笑むことしかできませんでした。

絶望の底からの反撃「エコー写真の送信」

看護師が去り、再び一人になった青梨。 彼女は、携帯電話に保存されていた、あの日撮ったばかりの「エコー写真」の画像を見つめます。 こらえていた涙が、再びあふれ出しました。

「赤ちゃん… ママは諦めきれない」 「あなたがいなくなって、あの人はどうして他の人と楽しそうにしてるの…」 第17話で依依に聞かされた「シャワー中よ」という言葉が、彼女の憎しみを燃え上がらせます。

青梨は、決意を固めた顔で、携帯電話を操作します。 開いたのは、第3話で寒洲とやり取りした、あのメッセージアプリの画面。 そこには、寒洲からの「戻ってきたら最高のサプライズを用意するよ」というメッセージと、それに対する青梨の「あなたが戻ったら、私からも最高のサプライズをあげる」という、宣戦布告の返信が残っていました。

青梨は、このメッセージのスレッドに、先ほど見つめていた「エコー写真」の画像を添付します。 そして、ためらうことなく、「送信」ボタンを押しました。 彼女が用意した「最高のサプライズ」の正体。 それは、彼が「聞き間違いだ」と否定し、その手で葬り去った、「私たちの子」の、動かぬ証拠でした。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第19話を読んだ感想(ネタバレあり)

第19話は、安安の恐ろしさと、青梨の静かな反撃が対照的な回でした。 安安の説得シーンは、もはや子供のセリフではありません。 青梨の好きなものを熟知した上で、それを「ダシ」にして寒洲を引き留める。 寒洲の「青梨の機嫌を直したい」という心理を完璧に読み切った、恐るべき策略です。 寒洲がこれに引っかかってしまうのも、彼がまだ「青梨は怒っているだけ」と問題を矮小化しているから。 彼の「明日は必ず君の機嫌を直す」という決意が、あまりにもピント外れで、悲劇性を高めています。

一方で、病院の青梨。 看護師さんの「子供はこれからできますよ」という言葉は、善意だからこそ、残酷でした。 青梨は「これから」ではなく「今いた」のです。 その絶望の中で、彼女が選んだ反撃が「エコー写真の送信」。 これは、本当にゾクゾクしました。

青梨が送ったのは、ただの写真ではありません。 「あなたが戻ったら、私からも最高のサプライズをあげる」という、かつての宣戦布告のメッセージに添えて送ったのです。 これは、寒洲に対する「答え合わせ」です。 「あなたが否定した『私たちの子』は、これですよ」 「あなたが『最高のサプライズ』と浮かれていた裏で、私はこの命を授かっていたのですよ」 「そして、あなたの命令で、この命は消えたのですよ」 という、強烈なメッセージです。 何も知らずに「明日は機嫌を直そう」などと考えている寒洲が、この写真を見た時、どんな反応をするのでしょうか。 ついに、復讐の第一矢が放たれました。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第19話のネタバレまとめ

  • 寒洲は青梨の電源が切れていることを知り、病院へ行こうとしますが、安安が「ママはパパのスープとバラが好きだから、明日の朝一緒に行こう」と巧妙に説得します。
  • 依依も「今行ったら喧嘩になる」とアシストし、寒洲は「明日は必ず青梨の機嫌を直す」と決意し、その夜病院へ行くのを断念します。
  • 病院では、看護師が充電の終わった携帯電話を青梨に届け、「子供はこれからできますよ」と善意で励ましますが、青梨は力なく微笑むだけでした。
  • 一人になった青梨は、エコー写真を見つめ、「あの人はどうして他の人と楽しそうにしてるの…」と憎しみを募らせます。
  • 青梨は、かつて寒洲に「私からも最高のサプライズをあげる」と送ったメッセージの続きに、流産した我が子の「エコー写真」を添付し、寒洲に送信しました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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