復習モノ

【物語は鮮やかに縁は儚く】15話をあらすじから結末まで全てネタバレ解説

ずっちー
前話のおさらい
  • 廃倉庫で倒れた青梨(チンリー)は病院に運ばれ、流産による大量出血で「子宮内容除去術」が必要だと告げられました。
  • 家族がいない青梨は、たった一人で手術の同意書にサインするしかありませんでした。
  • 青梨は、失った我が子を思い「どうして私の心はこんなに痛いの…」「私たちにも子供がいたのよ」と言い残し意識を失います。
  • 一方、夫・寒洲(ルー・ハンヂョウ)の家では、彼と本妻・依依(イーイー)、娘・安安(アンアン)が「家族団らん」で麺料理を食べていました。
  • 依依から子供の性別を聞かれた寒洲は、「どっちでもいい。どうせ俺と青梨の子じゃない」と冷たく言い放ちます。
  • 寒洲は、罪悪感か執着からか、食事を拒否し「ちょっと出てくる」と、夜遅くに家を出ていきました。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第15話をネタバレありでわかりやすく解説する

前回、手術室で意識を失った青梨と、歪んだ家族団らんの後に家を出ようとする寒洲という、あまりにも残酷な対比で終わりました。 第15話は、その直後、寒洲が家を出ることを、依依と安安がどれほど巧妙に阻止したのか、そして、病院で一人目覚めた青梨が、絶望の底で立てた「復讐の誓い」が描かれます。

依依と安安の巧妙な策略「ママを泊めてあげて」

「青梨の様子を見てくる」 罪悪感からか、寒洲はそう言って家を出ようとします。 しかし、本妻の沈依依が、それを見逃すはずがありません。 彼女は慌てて寒洲の腕を掴み、「もうこんなに遅い時間よ、奥さんはきっと休んでるわ。明日にしましょ」と引き留めます。

さらに、依依はテーブルにいた娘の安安に、目線で合図を送りました。 その意図を瞬時に理解した安安は、すぐに寒洲に駆け寄ります。 「パパ、行かないで。安安は、パパとママと一緒に麺が食べたい」 そして、依依も「安安はママといたいの」と、安安の言葉に乗っかります。

あまりにも息の合った二人の連携プレーに、さすがの寒洲も「安安にこんなこと言わせてないわ」といぶかしむ依依を疑うような目で見ます。 しかし、安安は「ママは教えてない。私がママに泊まってほしいの」と、子供の純粋な願いであるかのように主張しました。

寒洲は「青梨も君のママだ。わかるかい?」と安安を諭そうとします。 ですが、安安の反論はさらに巧妙でした。 「彼女は家にいないじゃない。彼女が帰ってきたら、ちゃんと仲良くするわ」 今は家にいない青梨より、目の前にいる自分と「本当のママ」を優先してほしい、というわけです。

ここで、依依がとどめを刺します。 「じゃあ寒洲、泊まってもいい? 安安は今日怖い思い(※第12話の拉致事件のこと)をしたから、夜にうなされるのが心配なの」 安安も「パパ、ママを泊めてあげて、数日だけ」「パパは世界で一番素敵なパパよ」と、寒洲の良心と自尊心をくすぐります。

寒洲は葛藤します。 (子供が母親を慕うのは天性だ。青梨はまだ病院にいる。沈依依が数日泊まるのは仕方ないか) 彼は、娘の願いと依依の不安を前に、自分自身を納得させる理由を見つけ、ついに折れてしまいました。 「わかった。ママに泊まってもらおう」 「ありがとう、パパ!」と大喜びする安安の隣で、依依は満足そうに微笑んでいました。

病院の孤独と残酷な診断結果

一方で、その頃、海市第一医院の病室。 青梨は、顔にあざを作り、青白い顔でベッドに座っていました。 彼女のそばには、誰もいません。 医師が、彼女の現状を淡々と告げます。

「宋さん。あなたは出血が多いうえ、内臓も損傷している。数日入院して様子を見る必要があります」 あの廃倉庫での暴行は、彼女の体に、流産だけでは済まないほどの深刻なダメージを与えていたのです。 青梨は「わかりました」と力なくうなずくことしかできません。

医師が退室し、病室に一人きりになった青梨は、お腹を押さえ、静かに涙を流します。 彼女の脳裏に、あの恐怖の瞬間がフラッシュバックしました。 (やめて!やめて!) 自分の抵抗もむなしく、暴力によって奪われた命。

絶望から復讐へ「ママがあなたの仇を討つ」

青梨は、ベッドの脇に置かれていた診断書を手に取ります。 そこには、もうこの世にはいない、我が子の存在を示していたはずのエコー写真が添付されていました。 それを見た瞬間、こらえていた感情があふれ出し、彼女は声を殺して泣き始めます。

「ごめんなさい… 赤ちゃん…」 「ママがあなたを守れなかった

診断書を胸に抱き、泣き崩れる青梨。 しかし、その表情は、深い悲しみから、徐々に冷たく、硬い怒りへと変わっていきます。 彼女は、涙の痕が残る顔でエコー写真をまっすぐに見つめ、静かに、しかし力強く誓いました。

ママがあなたの仇を討つから」 「ママが悪い奴らに代償を払わせる

彼女はもう、夫の愛にすがり、裏切りに涙するだけの弱い女性ではありませんでした。 我が子の命を奪った者たちへの、完全なる復讐者へと生まれ変わったのです。 青梨はスマートフォンを手に取り、決意を秘めた目で、どこかへ電話をかけ始めました。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第15話を読んだ感想(ネタバレあり)

第15話は、寒洲の家と青梨の病室という、あまりにも残酷な対比が胸に突き刺さりました。 寒洲の家では、「家族ごっこ」が現実のものになろうとしています。 特に、依依と安安の連携プレーは、本当に恐ろしいの一言です。 安安はもはや、ただの子供ではありません。 母親の悪意を完璧に理解し、実行に移す「共犯者」です。 「パパは世界で一番素敵なパパよ」という言葉で寒洲を操る姿は、末恐ろしく感じました。

そして、寒洲の「仕方ないか」という自己正当化。 彼は、青梨が流産し、内臓まで損傷しているという地獄の苦しみを、まだ知りません。(あるいは、知っていてもなお、この選択をしたのかもしれませんが) 「青梨も君のママだ」という彼の言葉が、これほど空虚に響いたことはありません。

一方の青梨。「ママがあなたを守れなかった」というシーンは、涙なしには見られませんでした。 彼女が流したのは、悲しみだけの涙ではありません。 守れなかった命への申し訳なさ、そして、守るべきものを奪った者たちへの激しい怒り。 その全てが、彼女を「復讐者」へと変貌させました。

最後の「ママがあなたの仇を討つから」という誓い。 この言葉は、この物語の本当の始まりを告げる号砲のように聞こえました。 彼女はもう、寒洲の愛を求めません。 彼女が求めるのは、ただ「代償を払わせる」こと。 青梨が電話をかけた相手は誰なのか。 おそらく、彼女が「富豪令嬢」として持っている、唯一の頼れる存在、祖父でしょうか。 青梨の孤独な復カが、ここから始まります。

【物語は鮮やかに縁は儚く】第15話のネタバレまとめ

  • 寒洲は青梨の病院へ行こうとしますが、依依と安安が巧妙な連携プレーで「パパとママといたい」「安安が怖い思いをしたから」と泣きつき、引き留めます。
  • 寒洲は「子供が母親を慕うのは天性だ」と自分を納得させ、依依が数日間、家に泊まることを許可してしまいます。
  • 一方、病院の青梨は、医師から「失血過多」に加えて「内臓損傷」という重傷を負っており、数日の入院が必要だと告げられます。
  • 一人になった病室で、青梨はエコー写真が添付された診断書を胸に抱き、「赤ちゃん。ママがあなたを守れなかった」と泣き崩れます。
  • しかし、その悲しみはすぐに冷たい怒りへと変わり、「ママがあなたの仇を討つから」「悪い奴らに代償を払わせる」と、復讐を強く誓います。
  • 決意を固めた青梨は、スマートフォンを手に取り、どこかへ電話をかけ始めました。

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コマさん(koma)
コマさん(koma)
野生のライトノベル作家
社畜として飼われながらも週休三日制を実現した上流社畜。中学生の頃に《BAKUMAN。》に出会って「物語」に触れていないと死ぬ呪いにかかった。思春期にモバゲーにどっぷりハマり、暗黒の携帯小説時代を生きる。主に小説家になろうやカクヨムに生息。好きな作品は《BAKUMAN。》《ヒカルの碁》《STEINS;GATE》《無職転生》
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